[漫画]俺の嫁なんて、いねえ!!『百合男子』2巻
感想書きたくても溜め込んでた本がかなりありますなあ。
百合への愛故に 俺は苦しまねばならないのか・・・!?
独特の百合哲学を炸裂させる「百合男子」待望の2巻が出てますよ。
百合といえば男は介入できない、女の子だけの世界・・・。その百合を遠くから愛する男たちの幸福と苦悩を描いた本作。百合漫画なのに男が主人公・・・というかこれ百合漫画扱いでいいのだろうか。まぁ作中でも百合女子たちは登場するので百合ん百合ん。
2巻の表紙は正二郎。ムサっ!yhコミックスにあるまじき男臭!しかし彼もまた百合を愛する百合男子。1巻にも登場した彼が啓介と激論交わすシーンもあり。
相変わらず小難しいことを小難しく考え込む啓介ですが、そういううっとおしいナイーブさもこのキャラクターらしいですね。というか彼が言うことには時折強烈に共感する。
さくっと2巻の感想を書いていきます。
前巻→我思う、故に百合あり。『百合男子』1巻
どうして男なのに百合を愛してしまうのか。どうして自分はこんな矛盾を抱えた存在なのか。
百合を愛するがために悩み続ける探求者たち・・・百合男子。
その苦悩は一巻のうちでもたっぷりと描かれており、この作品の核となる部分だと思います。
しかし2巻はそんな苦悩からさらに踏み込んだ、2人の百合男子による議論・・・衝突が描かれもしており熱い。ムダに熱いのです。本気の男同士がぶつかり合う!互いの百合論で戦う!
しかしこの正二郎、外見と違ってかなりまともな考えをしていた。
読み進めると主人公である啓介が一番クレイジーであるという結論に。
というか主人公だからこそ啓介に同意しつつ読みすすめていたけれど、ハッとさせられました。よく考えてみればこいついろいろオカシイんだやっぱり。
彼のすさまじい情熱についつい流されていたけど、彼はマナー違反も結構していた。
マナーってなんだよという感じではあるけれど、百合男子は百合男子としてのこだわりがある。
確かに2巻の中で言うと、茜と陽子を仲直りさせようとむりやり2人を観覧車におしこめた場面なんかは、コミカルに描かれはしているけどかなり踏み込んでいる。ようするに余計なお世話だ。
男がその好奇心から百合の世界をかき乱すなんて許されない。
そこには不可侵のおきてがある・・・と考えるのは百合男子共通らしい。だがその掟とどう向き合うのか、というところにはそれぞれに違いがある。
啓介は「なぜ自分は男なのか!」と真剣に悩み込む時点で、許されないということを分かっていても百合の世界を味わい、あわよくば世界を壊さない程度に寄り添ってみたいと考えている様子。
申し訳ないと感じているからこそ、現実の百合カップルたちを応援するような行動をとる。ただ眺めるだけではなく、女の子達の世界にそっと介入してしまう。
これを批判するのが正二郎。2人の議論はかなり印象的です。
「大体百合を愛すると言うけれど、その百合ってなんだ?
セクシャルマイノリティー つまりは他人の苦悩を餌にした妄想じゃねえか」
このセリフはグサッと刺さりましたねえ・・・。能天気に楽しんでいるのもヒドいことだよなあ。
誰も傷つけないために。安全に萌えるために。そんな意味も込めて、無意識に創作物のみに焦点を絞るのかもしれない。自分のことなのでよくわからないけれど、考えとしては正二郎のものに近いと思う。
同じ百合男子でも、違った考えを持った人もいて、対立する。
そういうシーンはちょいと辛くもあるけど、実に興味深くて面白い。
いろんな生き様があるねえ、百合男子。
百合男子としての謎のプライドからか、普通の男の子としての生き様を拒否する啓介。
女の子と付き合いたいとか思うはずもなく、このまま童貞で間違いない。というか童貞すてたら百合男子じゃない、とか思ってる節もある。
どっぷり百合につかり、百合に人生捧げる気マンマンである。覚悟してる。
けれど作中登場するほかの百合男子の多くは、趣味として百合を愛好している。その愛は強烈ではあるけれど、彼らの人生を縛るものではない。家族を得て子供も作る。
百合を愛するのは趣味だけにとどめ、きちんと現実の社会に迎合していく。それは自然なことなんですが、それに納得できないのが啓介。「百合はファンタジー」・・・なんてを認めたくない。
百合への愛を貫く。百合の世界に操をたてることで自分のプライドを守ってる。
それは正しいことなのか間違っているのか。まだ答えは出されていない状態。
啓介は理想家で、現実が見えてない部分もあります。でもだからこそ彼の言葉はときに意味不明に人の心を揺さぶるし、コイツならなにか新しい道を切り開くんじゃ、なんて期待もしてしまうw 狂っていても、アツい魂を持っていることは間違いない。
さて、2巻の限定版はドラマCD付き。キャストは佐倉綾音、戸松遥、茅野愛衣。男はいない。百合男子のドラマCDなのに男がいない。いいぞ、これが正しい姿だ。
百合男子を気持ち悪がる女の子達・・・という、まさしく百合男子の生き様かくあるべしな一幕が収められています。
でもそれだけじゃなく、気持ち悪がる以外の反応もいくつか見れて、楽しかったです。
女の子から見る百合男子とはどんな存在なのか・・・という、ちょっと珍しい視点でしたね。
百合男子は男たちの苦悩を描いた作品なのですが、それと同時進行的に描かれる、現実の百合っぷるたちのドラマも面白いんですよ。宮鳥茜ちゃんがお気に入り。
元気よくてかわいらしくて、でも計算高くしたたかで。ドラマCD内でも彼女が電話をかけてくるタイミングとか、もしかして・・・とゾクゾクしたりもしましたね。
女の子の世界のきらめきも恐ろしさも楽しみたいってのが、自分が百合作品に寄せる期待でもあります。もっとこじれてもっと面白くなって欲しいなー!
男たちのムサくるしい議論も最高に面白いですが、それだけじゃないんですよ「百合男子」!
『百合男子』2巻 ・・・・・・・・・★★★★
苦悩を深めていく百合男子。一発ネタで歩みを止めずいいテーマを描いています。
百合男子 2巻 限定版 (百合姫コミックス) (2012/06/18) 倉田 嘘 商品詳細を見る |
百合への愛故に 俺は苦しまねばならないのか・・・!?
独特の百合哲学を炸裂させる「百合男子」待望の2巻が出てますよ。
百合といえば男は介入できない、女の子だけの世界・・・。その百合を遠くから愛する男たちの幸福と苦悩を描いた本作。百合漫画なのに男が主人公・・・というかこれ百合漫画扱いでいいのだろうか。まぁ作中でも百合女子たちは登場するので百合ん百合ん。
2巻の表紙は正二郎。ムサっ!yhコミックスにあるまじき男臭!しかし彼もまた百合を愛する百合男子。1巻にも登場した彼が啓介と激論交わすシーンもあり。
相変わらず小難しいことを小難しく考え込む啓介ですが、そういううっとおしいナイーブさもこのキャラクターらしいですね。というか彼が言うことには時折強烈に共感する。
さくっと2巻の感想を書いていきます。
前巻→我思う、故に百合あり。『百合男子』1巻
どうして男なのに百合を愛してしまうのか。どうして自分はこんな矛盾を抱えた存在なのか。
百合を愛するがために悩み続ける探求者たち・・・百合男子。
その苦悩は一巻のうちでもたっぷりと描かれており、この作品の核となる部分だと思います。
しかし2巻はそんな苦悩からさらに踏み込んだ、2人の百合男子による議論・・・衝突が描かれもしており熱い。ムダに熱いのです。本気の男同士がぶつかり合う!互いの百合論で戦う!
しかしこの正二郎、外見と違ってかなりまともな考えをしていた。
読み進めると主人公である啓介が一番クレイジーであるという結論に。
というか主人公だからこそ啓介に同意しつつ読みすすめていたけれど、ハッとさせられました。よく考えてみればこいついろいろオカシイんだやっぱり。
彼のすさまじい情熱についつい流されていたけど、彼はマナー違反も結構していた。
マナーってなんだよという感じではあるけれど、百合男子は百合男子としてのこだわりがある。
確かに2巻の中で言うと、茜と陽子を仲直りさせようとむりやり2人を観覧車におしこめた場面なんかは、コミカルに描かれはしているけどかなり踏み込んでいる。ようするに余計なお世話だ。
男がその好奇心から百合の世界をかき乱すなんて許されない。
そこには不可侵のおきてがある・・・と考えるのは百合男子共通らしい。だがその掟とどう向き合うのか、というところにはそれぞれに違いがある。
啓介は「なぜ自分は男なのか!」と真剣に悩み込む時点で、許されないということを分かっていても百合の世界を味わい、あわよくば世界を壊さない程度に寄り添ってみたいと考えている様子。
申し訳ないと感じているからこそ、現実の百合カップルたちを応援するような行動をとる。ただ眺めるだけではなく、女の子達の世界にそっと介入してしまう。
これを批判するのが正二郎。2人の議論はかなり印象的です。
「大体百合を愛すると言うけれど、その百合ってなんだ?
セクシャルマイノリティー つまりは他人の苦悩を餌にした妄想じゃねえか」
このセリフはグサッと刺さりましたねえ・・・。能天気に楽しんでいるのもヒドいことだよなあ。
誰も傷つけないために。安全に萌えるために。そんな意味も込めて、無意識に創作物のみに焦点を絞るのかもしれない。自分のことなのでよくわからないけれど、考えとしては正二郎のものに近いと思う。
同じ百合男子でも、違った考えを持った人もいて、対立する。
そういうシーンはちょいと辛くもあるけど、実に興味深くて面白い。
いろんな生き様があるねえ、百合男子。
百合男子としての謎のプライドからか、普通の男の子としての生き様を拒否する啓介。
女の子と付き合いたいとか思うはずもなく、このまま童貞で間違いない。というか童貞すてたら百合男子じゃない、とか思ってる節もある。
どっぷり百合につかり、百合に人生捧げる気マンマンである。覚悟してる。
けれど作中登場するほかの百合男子の多くは、趣味として百合を愛好している。その愛は強烈ではあるけれど、彼らの人生を縛るものではない。家族を得て子供も作る。
百合を愛するのは趣味だけにとどめ、きちんと現実の社会に迎合していく。それは自然なことなんですが、それに納得できないのが啓介。「百合はファンタジー」・・・なんてを認めたくない。
百合への愛を貫く。百合の世界に操をたてることで自分のプライドを守ってる。
それは正しいことなのか間違っているのか。まだ答えは出されていない状態。
啓介は理想家で、現実が見えてない部分もあります。でもだからこそ彼の言葉はときに意味不明に人の心を揺さぶるし、コイツならなにか新しい道を切り開くんじゃ、なんて期待もしてしまうw 狂っていても、アツい魂を持っていることは間違いない。
さて、2巻の限定版はドラマCD付き。キャストは佐倉綾音、戸松遥、茅野愛衣。男はいない。百合男子のドラマCDなのに男がいない。いいぞ、これが正しい姿だ。
百合男子を気持ち悪がる女の子達・・・という、まさしく百合男子の生き様かくあるべしな一幕が収められています。
でもそれだけじゃなく、気持ち悪がる以外の反応もいくつか見れて、楽しかったです。
女の子から見る百合男子とはどんな存在なのか・・・という、ちょっと珍しい視点でしたね。
百合男子は男たちの苦悩を描いた作品なのですが、それと同時進行的に描かれる、現実の百合っぷるたちのドラマも面白いんですよ。宮鳥茜ちゃんがお気に入り。
元気よくてかわいらしくて、でも計算高くしたたかで。ドラマCD内でも彼女が電話をかけてくるタイミングとか、もしかして・・・とゾクゾクしたりもしましたね。
女の子の世界のきらめきも恐ろしさも楽しみたいってのが、自分が百合作品に寄せる期待でもあります。もっとこじれてもっと面白くなって欲しいなー!
男たちのムサくるしい議論も最高に面白いですが、それだけじゃないんですよ「百合男子」!
『百合男子』2巻 ・・・・・・・・・★★★★
苦悩を深めていく百合男子。一発ネタで歩みを止めずいいテーマを描いています。
[漫画]正直者はバカをみない!『常住戦陣!!ムシブギョー』6巻
常住戦陣!!ムシブギョー 6 (少年サンデーコミックス) (2012/07/18) 福田 宏 商品詳細を見る |
「約束」を果たしに!!!
「常住戦陣ムシブギョー」第6巻が出ています。
実は週刊少年誌連載作で1巻から欠かさず更新している作品というのは珍しかったりする。
さてかつてない緊迫感と多数の新キャラ登場で賑やかな「蟲奉行様救出作戦編」、クライマックスとなります。いろいろと気になる展開が連続してました。見逃せな一冊。さくっと感想書きます。
前巻→仲間を貶されて許せるか『常住戦陣!!ムシブギョー』5巻
奉行様をおいかけ山頂にやってきた仁兵衛。迫る蟲狩の魔の手から奉行様を守るのだ!まずはこの奉行様のお付きの女の子を守らねば!
・・・と勘違いを続け、超つよい蟲奉行様の戦いをジャマしてしまうという状態に。
あまりにもタイミングよく妨害してくるので蟲奉行様から「こいつ味方といいながらジャマしてくるし、実は敵の一味なんじゃ?」とあらぬ疑いをかけられてしまう始末。
ますます混戦となってしまう虫奉行救出作戦編は、この巻で完結を迎えます。
まず見逃せないのが蟲奉行様の変身でした。
蝶のような羽が生え、全体的に白かったのが服や神まで真っ黒。
表紙でも描かれている姿ですが、この変身のインパクトはデカかった。このモードになってからの無双状態にもワクワクしたものです。
・・・たった1話で無双終わっちゃったけど!封印されちゃったけど!
せっかくカッコいいのに敵に封印されてもとの姿になってしまったでござる。
ということで追い込んだと思ったら追い込まれ、ピンチと思ったら助けが来て、それでもヤバくなったらなにか起きる、とかなりめまぐるしく展開が動いていきます。
さすが連載開始以降で最長のシリーズとなるため、かなり内容を詰めている感じがしましたね。けれど混乱はしませんし、こういう忙しさも好きです。蟲狩メンバーの把握はしておきたいなあ。どうせ再登場するだろうし。
もういっこ、見逃せない展開が仁兵衛自身の身に起きるのですが、これにもビックリ。仁兵衛の髪ってこのために設定されたものだったんでしょうか。
にしてもクライマックスだけあって終盤はかなりの緊張感。面白かったー。
松ノ原さんが今までになく大物にみえたなぁ、6巻。
今回の長編で、重要キャラの蟲奉行様と、何度も登場することになるだろう敵組織「蟲狩」、仁兵衛の秘密、そして今後の展開で大きな意味を持ってくる大阪城を拠点とした西日本の蟲たちの存在など、本当にいろいろな要素がが描かれました。作品として新しい展開に進みだしたなという感じがします。
お春ちゃんといい火鉢ちゃんといい、この作品のヒロインは脱ぎ系ばかりでしたが、蟲奉行様はそれとは違った方面に可愛いですね!彼女がヒロインに数えられるかは微妙かもしれませんがw
でもこの6巻読むと、蟲奉行様の可愛さはかなり染みる・・・!仁兵衛に助けられた直後のぼうっと呆けた表情とか素敵でした。
6巻のラストでは久しぶりのあのキャラも登場し、次のエピソードへの期待を持たせます。
月島家のバカ力はやはりどうかしているな・・・意味がわからなくなるレベル。
と、さくっと感想書いていきましたが以上。
やっぱり王道少年漫画としての面白さがありますねえ。新キャラも気になる新展開もありより物語に深みが増してきそう。
いよいよ話が大きく動き出しそうで、今から続刊にワクワクしています。
蟲奉行様という新ヒロイン(?)も加わったことだすしね!
『常住戦陣!!ムシブギョー』6巻 ・・・・・・・・・★★★☆
救出作戦編完結。大きく動いた一冊でした。蟲奉行改め黒奉行様のカッコよさがなかなかの物。
[小説]君とともに空を駆ける。『アリソン』
いやあっふううううう試験終わったので更新していきます。前回ラノベだったので続けて。
久しぶり、ヴィル。元気だった?
3の上下巻を貼りましたが「アリソン」1~3巻のさくっとした感想を。
なんで今更、というタイトルではありますが6月下旬から夢中で読んでたシリーズ。
きっかけはなんとなく店頭で「メグとセロン」の最終巻を手に取り、口絵ページの雰囲気がむっさ好みだったからという・・・・。メグセロ読みたいからシリーズの最初から読んでいくことに。
有名な時雨沢先生なのでこの作品もなんとなくは知っていましたが、「キノの旅」を何冊か読んだことがあるくらいでこのシリーズは読んだことはなかったんですね。
しかしこれが面白い面白い!子供のころも今も王道RPG的世界観は大好きで、この作品にもすっかりハマりました。まさにアドベンチャーといった雰囲気は、気持ちを大いに盛り上げてくれます。
記憶と狙撃に優れてはいるけど普段はぼんやりマイペースな少年・ヴィルと
活発で身体能力抜群の飛行機乗りの女の子・アリソン。
孤児院で幼い頃からともに時間を過ごしてきた2人を軸に展開する冒険モノ。
飛行機だとか銃だとか、自分はあんまり詳しくないですがそういうのが好きな人もワクワクしそう。あとがきで作者も書いていましたがわりとそういう描写は多め。
しかし純粋にエネルギーが満ちみちていて、前へ前へとつっぱしって事態がめまぐるしく動いていく、この忙しい感じがたまりません。
あと少年少女による冒険物語ってやっぱり大好き。グランディアとか大好きでしたね・・・。
1~3巻全体の感想で言うと、1番好きなのは1巻かな。
目指すものがあっての冒険という構図が明確で、結末もグッときました。1番ドキドキしたのは3巻だけど。あの上巻のプロローグ読んだ当時の人たちはどんな思いだったんだろうかw
2巻も雪国の描写がすごく丁寧で、いい雰囲気を終始味わえましたね。
キャラクターもそれぞれに魅力的で、みんなクセがあるんだけどイヤミがなくていいですね。ベネディクトなんかは憎まれキャラっぽいんだけど、やっぱりいい男だ。フィーとのコンビもいい。アリソンペアがアリソンの賑やかさが前面にたつ一方、こちらはしっとりと大人なムードで愛しあう。うむ(笑顔)。
テキストも軽快ですごく気持ちのいいテンポで読める。読みやすくムダがない。しかししっかりと伏線を仕込んでいる。さくっと読めて情景を読者に想像させる技があると思いました。
二転三転する忙しいストーリー展開をみせるも、全て収まるべく収まってくれる気持ちよさ!
良質な少年小説ですねえ。小中学生の男の子とか読むといい。リアルタイムで読めていたら俺も中学生とかだったはずなので、惜しいことをした。でも今読んでも十分に心をときめかせることができる。
切るとこは切る、とシーンの切り替えのタイミングも実に鮮やかで、巻ごとの終わり方がいつもとても爽快な気持ちになりました。だらだらとやらないのもこのシリーズのよかったところ。
あと少ないけど気になったところ。
2巻のフィーについて。やや描写が足りないように思ったんだけどなあ、俺が読み流した部分があるのか。終盤、機内でベネディクトのキスに応じるシーンが一番引っかかった。ここに至るまでにそこまで彼女の中で恋心が育っていたような気がしなかったのだが。機内でお互いの秘密を話すほどに距離は縮まったとは言えど。しかし村から逃げる最中とかのベネディクトらの行動を見ると、特別な描写はなくてもそりゃ惚れるわなということで納得はする。
それと事態が大きく動き出す前の展開のくどさ。1巻はアドベンチャーの導入的ワクワクはありましたが、2巻3巻の最初のうちはやや退屈だったかもしれない。まぁ、平和は一番ですけどもw
それだけ。一応気になるポイントも書いてみたけど、本当に面白かった。まだ今月の電撃の新刊読めてないのにそっちのけでアリソンシリーズ読んでましたよ!
もう続編の「リリアとトレイズ」シリーズも買ってあるのでがしがし読んでいく予定。
ページをめくる手が止まらないという感覚を味あわせてくれる冒険ファンタジー。
だいぶ前に発売されてる作品で、人気もありますが、確かにとても面白かったです。
アリソン〈3 上〉ルトニを車窓から (電撃文庫) (2004/03) 時雨沢 恵一 商品詳細を見る |
アリソン〈3 下〉陰謀という名の列車 (電撃文庫) (2004/05) 時雨沢 恵一 商品詳細を見る |
久しぶり、ヴィル。元気だった?
3の上下巻を貼りましたが「アリソン」1~3巻のさくっとした感想を。
なんで今更、というタイトルではありますが6月下旬から夢中で読んでたシリーズ。
きっかけはなんとなく店頭で「メグとセロン」の最終巻を手に取り、口絵ページの雰囲気がむっさ好みだったからという・・・・。メグセロ読みたいからシリーズの最初から読んでいくことに。
有名な時雨沢先生なのでこの作品もなんとなくは知っていましたが、「キノの旅」を何冊か読んだことがあるくらいでこのシリーズは読んだことはなかったんですね。
しかしこれが面白い面白い!子供のころも今も王道RPG的世界観は大好きで、この作品にもすっかりハマりました。まさにアドベンチャーといった雰囲気は、気持ちを大いに盛り上げてくれます。
記憶と狙撃に優れてはいるけど普段はぼんやりマイペースな少年・ヴィルと
活発で身体能力抜群の飛行機乗りの女の子・アリソン。
孤児院で幼い頃からともに時間を過ごしてきた2人を軸に展開する冒険モノ。
飛行機だとか銃だとか、自分はあんまり詳しくないですがそういうのが好きな人もワクワクしそう。あとがきで作者も書いていましたがわりとそういう描写は多め。
しかし純粋にエネルギーが満ちみちていて、前へ前へとつっぱしって事態がめまぐるしく動いていく、この忙しい感じがたまりません。
あと少年少女による冒険物語ってやっぱり大好き。グランディアとか大好きでしたね・・・。
1~3巻全体の感想で言うと、1番好きなのは1巻かな。
目指すものがあっての冒険という構図が明確で、結末もグッときました。1番ドキドキしたのは3巻だけど。あの上巻のプロローグ読んだ当時の人たちはどんな思いだったんだろうかw
2巻も雪国の描写がすごく丁寧で、いい雰囲気を終始味わえましたね。
キャラクターもそれぞれに魅力的で、みんなクセがあるんだけどイヤミがなくていいですね。ベネディクトなんかは憎まれキャラっぽいんだけど、やっぱりいい男だ。フィーとのコンビもいい。アリソンペアがアリソンの賑やかさが前面にたつ一方、こちらはしっとりと大人なムードで愛しあう。うむ(笑顔)。
テキストも軽快ですごく気持ちのいいテンポで読める。読みやすくムダがない。しかししっかりと伏線を仕込んでいる。さくっと読めて情景を読者に想像させる技があると思いました。
二転三転する忙しいストーリー展開をみせるも、全て収まるべく収まってくれる気持ちよさ!
良質な少年小説ですねえ。小中学生の男の子とか読むといい。リアルタイムで読めていたら俺も中学生とかだったはずなので、惜しいことをした。でも今読んでも十分に心をときめかせることができる。
切るとこは切る、とシーンの切り替えのタイミングも実に鮮やかで、巻ごとの終わり方がいつもとても爽快な気持ちになりました。だらだらとやらないのもこのシリーズのよかったところ。
あと少ないけど気になったところ。
2巻のフィーについて。やや描写が足りないように思ったんだけどなあ、俺が読み流した部分があるのか。終盤、機内でベネディクトのキスに応じるシーンが一番引っかかった。ここに至るまでにそこまで彼女の中で恋心が育っていたような気がしなかったのだが。機内でお互いの秘密を話すほどに距離は縮まったとは言えど。しかし村から逃げる最中とかのベネディクトらの行動を見ると、特別な描写はなくてもそりゃ惚れるわなということで納得はする。
それと事態が大きく動き出す前の展開のくどさ。1巻はアドベンチャーの導入的ワクワクはありましたが、2巻3巻の最初のうちはやや退屈だったかもしれない。まぁ、平和は一番ですけどもw
それだけ。一応気になるポイントも書いてみたけど、本当に面白かった。まだ今月の電撃の新刊読めてないのにそっちのけでアリソンシリーズ読んでましたよ!
もう続編の「リリアとトレイズ」シリーズも買ってあるのでがしがし読んでいく予定。
ページをめくる手が止まらないという感覚を味あわせてくれる冒険ファンタジー。
だいぶ前に発売されてる作品で、人気もありますが、確かにとても面白かったです。
[小説]憧れだった君を許せない。『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』5巻
まだ残りはありますが試験期間もひと段落しそう。とゆことでちまちま復帰。
ひとまずこれは早く書いておきたいという作品から。
きっと俺は、憧れていたのだ。
女の子はいないけどヒロインはいる・・・戸塚だ!彼のセクシーさが眩しい表紙の第5巻です。
なんかアニメ化しちゃうらしいじゃないですか!まぁ・・・結構前から喜びを隠しきれていない各方面の反応からなんとなくな想像はしていましたが・・・ともかくおめでとうございます。アニメも面白くなってくれることを期待。
最初手にとったときは「ちょっとうすい・・・」というホンの少しの残念感がありましたが、読んでみればもう。キレッキレじゃないですかわたりーん!!!!(4巻感想と同じ叫び)
ほあああああやっぱりおもしろすぎますね。素直に青春もラブコメもしてくれないんだけど、そんな回りくどさも含めてすごく好き。それでいてどんどんとこちらの心をいじめてくる。
ということでさくっと感想でも。ページ数は少なくても内容はまさにターニングポイント!
・・・の前にどうでもいい話。
ラノベで複数買いとか、初めてしました・・・。アニメイト版ととらのあな版。この5巻だと正確な出番は非常にすくない雪乃さんですが、さすがの存在感である。ただし胸部には存在感がない。
過去の感想記事。
青春とは嘘であり、悪である。『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』
優しい女の子は嫌いだ。 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』2巻
甘い青春には慣れない。『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』3巻
かつて「彼ら」だったぼくらが出来ること 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』4巻
さってじゃあ5巻の感想へ。ネタバレ含むので注意。
通常版表紙に雪ノ下はおらず、カラー口絵はガハマさん無双が繰り広げられる。うん、ガハマさんかわゆいゆい(本人希望によるニックネーム)。
しかし我々の雪乃さんはいずこへいってしまったのか。「その夏休み。俺と雪ノ下雪乃が再び会うことは、なかった。」と切ない一節で終わった第4巻。本当に全然登場しなかったよガックシ・・・とはならなかった。
なぜなら出番はなくとも話の節々に雪ノ下の存在がチラついているから。雪ノ下の存在感を、彼女自身が不在であろうと認識させられる内容となっていました。
●雪ノ下の嘘
ことあるごとに雪ノ下をおもう八幡。ぼっちの極みを往く彼も、それだけ彼女のことを気にかけている。どんな意味の視線を雪ノ下に向けているのか・・・それが明かされたのが今回のポイント。
つまり雪ノ下は憧れだった。
それは恋としてのものではなく、もっとシンプルな、人間としての。
気高く孤独を貫く。媚びず揺るがず我が道をゆく。単純に、カッコよかった。
だからこそ雪ノ下を一目おいていたんだろう。憎まれ口を叩いても、今まで八幡は雪ノ下を心の底からけなす言葉を吐いてこなかったように思う。周囲の人間にあれだけシビアに評価を下してきた彼にとって、これはすごいことなのだ。
そんな雪ノ下という「幻想」から覚めてしまう。これにゾクッとした人はきっと多い。
彼女の姿を理想としていた。憧れていた。でも、それは勝手な思い込みだったと。
嫌悪するのは勝手な理想を押し付けていた自分自身。でもきっと彼の中で、雪ノ下という少女に向ける感情はいま大きく変化したのだろう。
ここで気になるのが「雪ノ下雪乃ですら嘘をつく」という一節。
彼女が嘘をついたことにより八幡は覚めてしまうわけだが、この嘘というのがなんなのか、5巻の時点では明かされていなかったように思う。(もしかして見落としがある・・・?)
彼女がついた嘘とはなんなんだろうか、ということをちょっと考えてみると、結構難しい。いろんな要素を総合しての「嘘」だと思うのだ。
例えば入学式の日にあった八幡の交通事故。この事故で実は奉仕部で集められる前から八幡、由比ガ浜、雪ノ下がこの一件でつながっていたことが明かされた。けれど八幡がそのことに気づく前から雪ノ下はそのことに気づいていたんだろうな。事件の直接の加害者ではないにしろ、その側にたつ人間として。
あと5巻222-223ページのやりとりとか。八幡と陽乃と会ったことに動揺し言葉を濁らせてるところなんて、八幡が理想とするところの雪ノ下の姿ではなかっただろう。
陽乃の口から語られる、彼女から見た雪ノ下雪乃も八幡にとっては苦々しいものがあったかもしれない。
ともかく「嘘」の正体は6巻で明かされることになるんじゃないかな。
ショッキングなラストだったけれど、「雪ノ下は嘘をついた」を決定的に断言できる要素はまだ自分としては見当たっていないんですよね。そこがモヤモヤするんですが・・・うまいことこの作品に乗せられてしまっているよなぁ。続きが読みたくて仕方ないんだ。
とは言え、アニメ化するのにすっごいシビアな展開をやらかす作品だ。そこが大好き。
主人公がヒロインに失望する。そんな自分に失望する主人公。いい展開来てるよ来てるよ!もどかしさで胸が詰まる!感情がこじれにこじれるほどこの作品は面白くなっていく。
5巻ラストの見開きイラスト、2人の目が死んでるのもねえ。一体どうなるんだよ・・・。
3巻まで由比ヶ浜モードでしたが4巻からは雪ノ下モード入ってますからね。楽しみ楽しみ。
●八幡の潔癖。
何に対しても強い人だと思っていた。けれどそうではないことを知った。
それが許せない・・・そんある種の心の狭さが、八幡という少年の特徴だろうな。
平塚先生が彼のことを「潔癖」と言っていたけど、それはもうまさしく。
汚い人間になりたくないと、1人でいる少年。潔癖と言わずなんといえる。
一般にいう「青春」を謳歌する若者たちに侮蔑の視線を向けるのも、ホントに心の底から楽しんでいるのかおまえら?」という疑心によるもので。ひねくれているけど、実にみにつまされる理論を持つ主人公で、俺は本当に八幡が大好きなんだ。
心の底から純粋に分かち合える誰かを、きっと求めているんだけど、かといって素直に友達探せるようなヤツでもないんだよな。探さなきゃできない友達なんていらないとか言うだろう。そういう打算的なものもとっぱらって上で親友になれるヤツがいれば。
その近いところまで来ていたのが雪ノ下だったんだろうけれど・・・ああもう、本当にうまくいかない作品だよこれは。恋愛においても友達づきあいにしても、肝心なところで真っ当な言い訳してヘタレやがるからさー!もっと踏み込めよ!いやここで一気に踏み込むようだったら八幡さんじゃないな。
ともかく、この5巻も八幡らしさは十分に詰まっていました。
やっぱこの作品は八幡あってこそだよな。本当にいい主人公だ。コイツだからこの作品もこんなに面白いんだろうと思う。
あとは感じたことをつらつらと雑記調に。
みょうなキャラクターがいろいろ登場する本作でも、一際怖いのが陽乃さん。
この5巻ではこれまで以上に彼女と接触するシーンがあり、改めてコイツは一筋縄ではいかないなという認識を強める感じに。陽乃さんよりまだ登場してない母親もヤバそうという・・・雪ノ下家の女みんな強すぎワロタ。子煩悩のゆきのんパパが唯一の癒しと言わざるを得ない。
川崎さんは再登場してくれるとは思わなかったな。ガガガ公式で5巻の情報が出たとき、キャラ紹介に川崎さんが出てきて「なんかの間違いだろこれ」と思ってたけど本当に再登場。
あいかわらずそっけないんだけど、微妙にフラグ立てちゃったりして美味しいキャラだなぁ。
メインキャラではないけど、やっぱ好きなキャラだ。
ガハマさんかわいかったなー。夏祭りの帰りでのやりとりは心臓をズクズクさせた。
平塚先生のラーメン通ぶりも笑った。先生1人で生きていけ。でもなんか先生に対しては哀れみからか八幡の心が揺らいでるっぽいのも面白いwネタだろうけどさ!
あと今回の挿絵は妙に力入ってるように感じました。見開きとか143ページの小町とのイラストとかたまらんすな。わたりんがぽんかん⑧神って呼んでるしいつのまにか俺もぽんかん⑧神と呼んでる。
しっかしアニメでどうなるもんでしょうね。設定だけ見れば最近よくみかける「残念系」ラブコメラノベの一種なんだけど、アニメにして受けるかと言われれば・・・今回の展開を見ても、全体的に殺伐としすぎてて甘さ控えめにもほどがある。MAXコーヒーの甘さを見習えよ。でもこの苦味が好きなのです。
素直にラブコメしてくれないしなぁ。あと八幡の独白が面白いのでそれがカットされると辛い。まぁアニメはアニメ、原作は原作。原作通りじゃなくても面白ければいいや。
わたりんがお仕事のしすぎて死なないよう祈りつつ、早いとこ6巻が読めることを期待。
5巻も面白かった!
ひとまずこれは早く書いておきたいという作品から。
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。5 (ガガガ文庫) (2012/07/18) 渡 航 商品詳細を見る |
きっと俺は、憧れていたのだ。
女の子はいないけどヒロインはいる・・・戸塚だ!彼のセクシーさが眩しい表紙の第5巻です。
なんかアニメ化しちゃうらしいじゃないですか!まぁ・・・結構前から喜びを隠しきれていない各方面の反応からなんとなくな想像はしていましたが・・・ともかくおめでとうございます。アニメも面白くなってくれることを期待。
最初手にとったときは「ちょっとうすい・・・」というホンの少しの残念感がありましたが、読んでみればもう。キレッキレじゃないですかわたりーん!!!!(4巻感想と同じ叫び)
ほあああああやっぱりおもしろすぎますね。素直に青春もラブコメもしてくれないんだけど、そんな回りくどさも含めてすごく好き。それでいてどんどんとこちらの心をいじめてくる。
ということでさくっと感想でも。ページ数は少なくても内容はまさにターニングポイント!
・・・の前にどうでもいい話。
ラノベで複数買いとか、初めてしました・・・。アニメイト版ととらのあな版。この5巻だと正確な出番は非常にすくない雪乃さんですが、さすがの存在感である。ただし胸部には存在感がない。
過去の感想記事。
青春とは嘘であり、悪である。『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』
優しい女の子は嫌いだ。 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』2巻
甘い青春には慣れない。『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』3巻
かつて「彼ら」だったぼくらが出来ること 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』4巻
さってじゃあ5巻の感想へ。ネタバレ含むので注意。
通常版表紙に雪ノ下はおらず、カラー口絵はガハマさん無双が繰り広げられる。うん、ガハマさんかわゆいゆい(本人希望によるニックネーム)。
しかし我々の雪乃さんはいずこへいってしまったのか。「その夏休み。俺と雪ノ下雪乃が再び会うことは、なかった。」と切ない一節で終わった第4巻。本当に全然登場しなかったよガックシ・・・とはならなかった。
なぜなら出番はなくとも話の節々に雪ノ下の存在がチラついているから。雪ノ下の存在感を、彼女自身が不在であろうと認識させられる内容となっていました。
●雪ノ下の嘘
ことあるごとに雪ノ下をおもう八幡。ぼっちの極みを往く彼も、それだけ彼女のことを気にかけている。どんな意味の視線を雪ノ下に向けているのか・・・それが明かされたのが今回のポイント。
つまり雪ノ下は憧れだった。
それは恋としてのものではなく、もっとシンプルな、人間としての。
気高く孤独を貫く。媚びず揺るがず我が道をゆく。単純に、カッコよかった。
だからこそ雪ノ下を一目おいていたんだろう。憎まれ口を叩いても、今まで八幡は雪ノ下を心の底からけなす言葉を吐いてこなかったように思う。周囲の人間にあれだけシビアに評価を下してきた彼にとって、これはすごいことなのだ。
そんな雪ノ下という「幻想」から覚めてしまう。これにゾクッとした人はきっと多い。
彼女の姿を理想としていた。憧れていた。でも、それは勝手な思い込みだったと。
嫌悪するのは勝手な理想を押し付けていた自分自身。でもきっと彼の中で、雪ノ下という少女に向ける感情はいま大きく変化したのだろう。
ここで気になるのが「雪ノ下雪乃ですら嘘をつく」という一節。
彼女が嘘をついたことにより八幡は覚めてしまうわけだが、この嘘というのがなんなのか、5巻の時点では明かされていなかったように思う。(もしかして見落としがある・・・?)
彼女がついた嘘とはなんなんだろうか、ということをちょっと考えてみると、結構難しい。いろんな要素を総合しての「嘘」だと思うのだ。
例えば入学式の日にあった八幡の交通事故。この事故で実は奉仕部で集められる前から八幡、由比ガ浜、雪ノ下がこの一件でつながっていたことが明かされた。けれど八幡がそのことに気づく前から雪ノ下はそのことに気づいていたんだろうな。事件の直接の加害者ではないにしろ、その側にたつ人間として。
あと5巻222-223ページのやりとりとか。八幡と陽乃と会ったことに動揺し言葉を濁らせてるところなんて、八幡が理想とするところの雪ノ下の姿ではなかっただろう。
陽乃の口から語られる、彼女から見た雪ノ下雪乃も八幡にとっては苦々しいものがあったかもしれない。
ともかく「嘘」の正体は6巻で明かされることになるんじゃないかな。
ショッキングなラストだったけれど、「雪ノ下は嘘をついた」を決定的に断言できる要素はまだ自分としては見当たっていないんですよね。そこがモヤモヤするんですが・・・うまいことこの作品に乗せられてしまっているよなぁ。続きが読みたくて仕方ないんだ。
とは言え、アニメ化するのにすっごいシビアな展開をやらかす作品だ。そこが大好き。
主人公がヒロインに失望する。そんな自分に失望する主人公。いい展開来てるよ来てるよ!もどかしさで胸が詰まる!感情がこじれにこじれるほどこの作品は面白くなっていく。
5巻ラストの見開きイラスト、2人の目が死んでるのもねえ。一体どうなるんだよ・・・。
3巻まで由比ヶ浜モードでしたが4巻からは雪ノ下モード入ってますからね。楽しみ楽しみ。
●八幡の潔癖。
何に対しても強い人だと思っていた。けれどそうではないことを知った。
それが許せない・・・そんある種の心の狭さが、八幡という少年の特徴だろうな。
平塚先生が彼のことを「潔癖」と言っていたけど、それはもうまさしく。
汚い人間になりたくないと、1人でいる少年。潔癖と言わずなんといえる。
一般にいう「青春」を謳歌する若者たちに侮蔑の視線を向けるのも、ホントに心の底から楽しんでいるのかおまえら?」という疑心によるもので。ひねくれているけど、実にみにつまされる理論を持つ主人公で、俺は本当に八幡が大好きなんだ。
心の底から純粋に分かち合える誰かを、きっと求めているんだけど、かといって素直に友達探せるようなヤツでもないんだよな。探さなきゃできない友達なんていらないとか言うだろう。そういう打算的なものもとっぱらって上で親友になれるヤツがいれば。
その近いところまで来ていたのが雪ノ下だったんだろうけれど・・・ああもう、本当にうまくいかない作品だよこれは。恋愛においても友達づきあいにしても、肝心なところで真っ当な言い訳してヘタレやがるからさー!もっと踏み込めよ!いやここで一気に踏み込むようだったら八幡さんじゃないな。
ともかく、この5巻も八幡らしさは十分に詰まっていました。
やっぱこの作品は八幡あってこそだよな。本当にいい主人公だ。コイツだからこの作品もこんなに面白いんだろうと思う。
あとは感じたことをつらつらと雑記調に。
みょうなキャラクターがいろいろ登場する本作でも、一際怖いのが陽乃さん。
この5巻ではこれまで以上に彼女と接触するシーンがあり、改めてコイツは一筋縄ではいかないなという認識を強める感じに。陽乃さんよりまだ登場してない母親もヤバそうという・・・雪ノ下家の女みんな強すぎワロタ。子煩悩のゆきのんパパが唯一の癒しと言わざるを得ない。
川崎さんは再登場してくれるとは思わなかったな。ガガガ公式で5巻の情報が出たとき、キャラ紹介に川崎さんが出てきて「なんかの間違いだろこれ」と思ってたけど本当に再登場。
あいかわらずそっけないんだけど、微妙にフラグ立てちゃったりして美味しいキャラだなぁ。
メインキャラではないけど、やっぱ好きなキャラだ。
ガハマさんかわいかったなー。夏祭りの帰りでのやりとりは心臓をズクズクさせた。
平塚先生のラーメン通ぶりも笑った。先生1人で生きていけ。でもなんか先生に対しては哀れみからか八幡の心が揺らいでるっぽいのも面白いwネタだろうけどさ!
あと今回の挿絵は妙に力入ってるように感じました。見開きとか143ページの小町とのイラストとかたまらんすな。わたりんがぽんかん⑧神って呼んでるしいつのまにか俺もぽんかん⑧神と呼んでる。
しっかしアニメでどうなるもんでしょうね。設定だけ見れば最近よくみかける「残念系」ラブコメラノベの一種なんだけど、アニメにして受けるかと言われれば・・・今回の展開を見ても、全体的に殺伐としすぎてて甘さ控えめにもほどがある。MAXコーヒーの甘さを見習えよ。でもこの苦味が好きなのです。
素直にラブコメしてくれないしなぁ。あと八幡の独白が面白いのでそれがカットされると辛い。まぁアニメはアニメ、原作は原作。原作通りじゃなくても面白ければいいや。
わたりんがお仕事のしすぎて死なないよう祈りつつ、早いとこ6巻が読めることを期待。
5巻も面白かった!
[漫画]傷ついたらハマる、思春期の光と闇。『空が灰色だから』2巻
最近更新ペースがひどいですね・・・試験期間あけたらもっと更新していきたい。
星なんてひとつもなくて
心がざわめく思春期ショート「空が灰色だから」、第二巻が発売しています。
心の奥深いところに突き刺さったり傷を残したりゾクゾクさせたり・・・とにもかくにも、確かに「ざわめく」。やさしいお話はある。けれど隠そうともしない強烈な毒や絶望もグチャグチャに渦を巻いている。
読む人に何かを残してやろうって気マンマンの漫画なんですよね。消せない傷でもなんでも。
今回はどんな方向に向かう話なのか、最後まで予想ができない面白さ。
表紙カラーは黄色。ポップなデザインですが中身を知ってるとこれが斑の警戒色にしか・・・。
目次ページの斑人間イラストから生理的にムリって人いるんじゃないか。
1話基本12ページのオムニバスショート、ということですが、コメディも純愛も虚無も絶望もホラーも不条理も一緒くたです。ジャンル説明がぜんっぜんできない漫画ですね。
「うまくいかない日常を描くオムニバス・ショート」とありますが、ううん、女の子達の賑やかでハッピーなコメディ期待してると膝から崩れ落ちて頭抱える。
「うまくいかない」というのは間違いないですね。その上で毒が強すぎる。
ということで(?)この2巻もいろんな話が収められており、退屈しません。
一気に読んでるといろんな情報が頭をぐーるぐーるして疲れてしまいますが、それでも1冊の単行本としての満足度は非常に高い。ハマる人はとことんハマるんじゃないかな。
それでは個人的に気に入った短編について、それぞれさくっと感想でも。
●17話 こわいものみたさ
キャーキャー騒ぎたくて苦手といいつつホラー映画とかノリノリで見ちゃう系女子。
と言えばいいのかなんなのか。なんにせよ、終盤の見開きにテンションがおかしくなる。
主人公の女の子も、そして読み手の好奇心をかきたてるエンディングで、なんだかそわそわする。それがこの作品の狙いなんでしょうねえ。「あ、とれちゃった」って・・・なに!なに!
「こわいものみたさ」のタイトル通り、それを読者にも感染させようとするかのような。
いかにも怪しいリアルな風景描写も雰囲気もいい。なにか起こりそうな不安が掻き立てられる。
●18話 信じていた
きたーハートブレイクもの。ブレイクするのは読者の。1巻収録の第6話とも似た構成をしていますが、あれとはまた違ったベクトルの痛さもあるような。
勘違いの押し付けをしていたのが6話なら、すでに取り戻せない失敗を犯してしまっているのがこの18話。途中までは素直に青春ものとして読んでいたのに、クルッと視界が反転しブラックに突き落とすこのテンポのよさはお見事。この作品、最後まで転ぶかわからない短編ばかりなのも大好きです。
照れ隠しの罵倒はおなじみのツンデレらしい流れであるけれど、それで相手が致命的に傷つけられる場合もある。こんな不器用な人間関係が、いつも好意的に受け止められるはずもないんだ。ツンデレなんて漫画だからこそ夢を見れるツンデレのシチュエーションだけど、漫画にそのお約束を真っ向否定されてしまうという、内容の痛々しさと同時に「してやられた」と気持ちよくなってしまう一作。いたきもひい。
でオチもひどい。あのモブの女の子。いい気持ちにはさせられないけど、この作品らしい意地悪さだよなぁと思います。そしてなによりラスト1ページは、うっかり泣けてきてしまった。
●21話 こんなにたくさんの話したいことがある
いろんなタイプ短編を取り揃えた第2巻でも随一の清々しさを持ったエピソード。
いたって普通に始まる平和な作品ですらビクビクしながら読みすすめてしまうこの作品だからこそ、俺は本を思わず放り出す勢いで喜びました。チャンピオン本誌で読んだときの話。
最後の最後まで貫かれ、そして花を咲かせた胸いっぱいのぬくもり。
いい笑顔!キラキラと眩しい友情もので、素晴らしい笑顔が拝める作品。
たまにこういうエピソードも仕込んでくるから侮れないんですよ。毒ばかりじゃない、やさしさが溢れ出すような感動も味あわせてくれる。
言葉のひとつひとつの美しさもときめきました。きっと親友になれた瞬間だ。
この作品には「他者とのコミュニケーションがうまくできない」ことで悩む人々が多く登場します。まぁそんなのは思春期の人間なら、というか年代問わず多くの人が抱える悩みなのかもしれないけれど、何事も不器用な思春期が「空が灰色だから」の土台的な部分。
そして、うまくいかないコミュニケーションが時にちょっとした幸せを運んでくれたり、目も当てられない辛い結末を見せつけてくる。
しかしこの作品は、コミュニケーションがうまくとれないと悩む少女が、その全てを受け入れてもらえる形で終わる。地味ながらも「空が灰色だから」中ではトップクラスにハッピーエンド!
切ない話も大好きだし、ブラックな作品にもドキドキさせられるけど、それらの積み重ねがこういう正のエネルギーを放つ作品をより魅力的にしていますね(1巻の第2話→3話の流れでもこれは思いました)。また、逆もしかりなんですが。正の作品があるから、負が映える。
その凄まじい振り幅がまたドキドキさせてくれます。
●23話 わたしたち
この女の子はかわいいがウザいなぁw
いわゆるラブコメらしいラブコメなんだけれど、コメディとしてのキレがよかった1話。
もともと台詞回しなどのセンスの面白さは感じていましたが。主人公の男の子の冷静なツッコミがとてもいい。それでちゃんとニヤニヤできる!この2人は好きですねえ、再登場しないかな。
●24話 世界の中心
うわぁ、これはまた強烈な。
主人公による一人称視点で展開していく話なのですが、それ故にどんどん病んでいく。
最初はシュールだなと思いながら読んでいたものが、どんどんと悪化していき鳥肌が立ちそうな不気味さになっていきます。でも絵としてはすごく面白いんだよなあこの話。
なんだこれ・・・怖すぎる。
ラストまで来ると本当に意味がわからなくなってきます。こっちの頭がイカれそう。
テーマも面白いのですが、これをこんなおぞましい遊び心で12ページにまとめあげていることもすごいなと。ある意味一発ネタなんですけど、これは間違いなく記憶に残る一話。
いかにもエッジのきいた話ばかりチョイスしてしまって自分でもうひょうって感じですね!
そんなこんなの「空が灰色だから」2巻でした。
1巻と比べてもかなり挑戦的な内容になっていました。挑戦的というか、遠慮なしのむき出しの世界が広がっているというか。キャラクターも個性が強く、楽しませてくれます。
上での5つの話以外も印象に残っていますねえ。それぞれが濃厚で素晴らしい。
16話「金魚」なんかもすごく好き。感想書きづらかったのでやめてしまいましたが、静かにおだやかにとうとうと、乾いた空気が流れていくお話でした。
次にどんなものが飛び出してくるのかわからないのが魅力です。一話完結のショート漫画でこんなに続きが楽しみになる作品というのも珍しい気がするな。
クセのつよい作品だと思いますが、とりあえず1度読んでみて心揺さぶられてみて欲しいですね。
かわいい絵柄でずいぶんエグい漫画。そこが素敵。傷ついたらハマる。
『空が灰色だから』2巻 ・・・・・・・・・★★★★☆
1巻を上回る秀作ぞろいで充実してます。隠そうともしない悪意と心地よいぬくもりの波状攻撃。
空が灰色だから 2 (少年チャンピオン・コミックス) (2012/07/06) 阿部 共実 商品詳細を見る |
星なんてひとつもなくて
心がざわめく思春期ショート「空が灰色だから」、第二巻が発売しています。
心の奥深いところに突き刺さったり傷を残したりゾクゾクさせたり・・・とにもかくにも、確かに「ざわめく」。やさしいお話はある。けれど隠そうともしない強烈な毒や絶望もグチャグチャに渦を巻いている。
読む人に何かを残してやろうって気マンマンの漫画なんですよね。消せない傷でもなんでも。
今回はどんな方向に向かう話なのか、最後まで予想ができない面白さ。
表紙カラーは黄色。ポップなデザインですが中身を知ってるとこれが斑の警戒色にしか・・・。
目次ページの斑人間イラストから生理的にムリって人いるんじゃないか。
1話基本12ページのオムニバスショート、ということですが、コメディも純愛も虚無も絶望もホラーも不条理も一緒くたです。ジャンル説明がぜんっぜんできない漫画ですね。
「うまくいかない日常を描くオムニバス・ショート」とありますが、ううん、女の子達の賑やかでハッピーなコメディ期待してると膝から崩れ落ちて頭抱える。
「うまくいかない」というのは間違いないですね。その上で毒が強すぎる。
ということで(?)この2巻もいろんな話が収められており、退屈しません。
一気に読んでるといろんな情報が頭をぐーるぐーるして疲れてしまいますが、それでも1冊の単行本としての満足度は非常に高い。ハマる人はとことんハマるんじゃないかな。
それでは個人的に気に入った短編について、それぞれさくっと感想でも。
●17話 こわいものみたさ
キャーキャー騒ぎたくて苦手といいつつホラー映画とかノリノリで見ちゃう系女子。
と言えばいいのかなんなのか。なんにせよ、終盤の見開きにテンションがおかしくなる。
主人公の女の子も、そして読み手の好奇心をかきたてるエンディングで、なんだかそわそわする。それがこの作品の狙いなんでしょうねえ。「あ、とれちゃった」って・・・なに!なに!
「こわいものみたさ」のタイトル通り、それを読者にも感染させようとするかのような。
いかにも怪しいリアルな風景描写も雰囲気もいい。なにか起こりそうな不安が掻き立てられる。
●18話 信じていた
きたーハートブレイクもの。ブレイクするのは読者の。1巻収録の第6話とも似た構成をしていますが、あれとはまた違ったベクトルの痛さもあるような。
勘違いの押し付けをしていたのが6話なら、すでに取り戻せない失敗を犯してしまっているのがこの18話。途中までは素直に青春ものとして読んでいたのに、クルッと視界が反転しブラックに突き落とすこのテンポのよさはお見事。この作品、最後まで転ぶかわからない短編ばかりなのも大好きです。
照れ隠しの罵倒はおなじみのツンデレらしい流れであるけれど、それで相手が致命的に傷つけられる場合もある。こんな不器用な人間関係が、いつも好意的に受け止められるはずもないんだ。ツンデレなんて漫画だからこそ夢を見れるツンデレのシチュエーションだけど、漫画にそのお約束を真っ向否定されてしまうという、内容の痛々しさと同時に「してやられた」と気持ちよくなってしまう一作。いたきもひい。
でオチもひどい。あのモブの女の子。いい気持ちにはさせられないけど、この作品らしい意地悪さだよなぁと思います。そしてなによりラスト1ページは、うっかり泣けてきてしまった。
●21話 こんなにたくさんの話したいことがある
いろんなタイプ短編を取り揃えた第2巻でも随一の清々しさを持ったエピソード。
いたって普通に始まる平和な作品ですらビクビクしながら読みすすめてしまうこの作品だからこそ、俺は本を思わず放り出す勢いで喜びました。チャンピオン本誌で読んだときの話。
最後の最後まで貫かれ、そして花を咲かせた胸いっぱいのぬくもり。
いい笑顔!キラキラと眩しい友情もので、素晴らしい笑顔が拝める作品。
たまにこういうエピソードも仕込んでくるから侮れないんですよ。毒ばかりじゃない、やさしさが溢れ出すような感動も味あわせてくれる。
言葉のひとつひとつの美しさもときめきました。きっと親友になれた瞬間だ。
この作品には「他者とのコミュニケーションがうまくできない」ことで悩む人々が多く登場します。まぁそんなのは思春期の人間なら、というか年代問わず多くの人が抱える悩みなのかもしれないけれど、何事も不器用な思春期が「空が灰色だから」の土台的な部分。
そして、うまくいかないコミュニケーションが時にちょっとした幸せを運んでくれたり、目も当てられない辛い結末を見せつけてくる。
しかしこの作品は、コミュニケーションがうまくとれないと悩む少女が、その全てを受け入れてもらえる形で終わる。地味ながらも「空が灰色だから」中ではトップクラスにハッピーエンド!
切ない話も大好きだし、ブラックな作品にもドキドキさせられるけど、それらの積み重ねがこういう正のエネルギーを放つ作品をより魅力的にしていますね(1巻の第2話→3話の流れでもこれは思いました)。また、逆もしかりなんですが。正の作品があるから、負が映える。
その凄まじい振り幅がまたドキドキさせてくれます。
●23話 わたしたち
この女の子はかわいいがウザいなぁw
いわゆるラブコメらしいラブコメなんだけれど、コメディとしてのキレがよかった1話。
もともと台詞回しなどのセンスの面白さは感じていましたが。主人公の男の子の冷静なツッコミがとてもいい。それでちゃんとニヤニヤできる!この2人は好きですねえ、再登場しないかな。
●24話 世界の中心
うわぁ、これはまた強烈な。
主人公による一人称視点で展開していく話なのですが、それ故にどんどん病んでいく。
最初はシュールだなと思いながら読んでいたものが、どんどんと悪化していき鳥肌が立ちそうな不気味さになっていきます。でも絵としてはすごく面白いんだよなあこの話。
なんだこれ・・・怖すぎる。
ラストまで来ると本当に意味がわからなくなってきます。こっちの頭がイカれそう。
テーマも面白いのですが、これをこんなおぞましい遊び心で12ページにまとめあげていることもすごいなと。ある意味一発ネタなんですけど、これは間違いなく記憶に残る一話。
いかにもエッジのきいた話ばかりチョイスしてしまって自分でもうひょうって感じですね!
そんなこんなの「空が灰色だから」2巻でした。
1巻と比べてもかなり挑戦的な内容になっていました。挑戦的というか、遠慮なしのむき出しの世界が広がっているというか。キャラクターも個性が強く、楽しませてくれます。
上での5つの話以外も印象に残っていますねえ。それぞれが濃厚で素晴らしい。
16話「金魚」なんかもすごく好き。感想書きづらかったのでやめてしまいましたが、静かにおだやかにとうとうと、乾いた空気が流れていくお話でした。
次にどんなものが飛び出してくるのかわからないのが魅力です。一話完結のショート漫画でこんなに続きが楽しみになる作品というのも珍しい気がするな。
クセのつよい作品だと思いますが、とりあえず1度読んでみて心揺さぶられてみて欲しいですね。
かわいい絵柄でずいぶんエグい漫画。そこが素敵。傷ついたらハマる。
『空が灰色だから』2巻 ・・・・・・・・・★★★★☆
1巻を上回る秀作ぞろいで充実してます。隠そうともしない悪意と心地よいぬくもりの波状攻撃。