[漫画]かわいいお姉さんと愛し合う、なんと素晴らしいことか『ふたりの恋愛書架』1巻
ふたりの恋愛書架 (1) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ) (2013/02/12) ヤマザキ コレ 商品詳細を見る |
だから秋生くんが欲しくなったんだよ
「ふたりの恋愛書架」1巻の感想です。
ノーチェックだったんですが新刊売り場で表紙を見てビビッときまして、そのまま購入。お姉さんと男の子の年の差イチャラブ漫画!もうこの時点で素晴らしいな(はやい
しかもいきなり第一話で結婚の話になってしまうといスピード展開。
そしてこれまたヒロインのお姉さんがかーわいいんですよ、これがもう。
主人公の男の子と一緒にいることで可愛さ2倍。もう夫婦でいいよ。
自分と同じく、この表紙絵でグッときたなら読んでほしい漫画ですね。
2人は京都の古本市で出会います。
少年秋生くんと、古本屋をやっているカナコさん。本を通じて意気投合した二人は、すぐに波長もあって仲良くなって、そのまま結婚へ!
・・・とは現実にはいかないですけれど、それ意識した付き合いを始めることになります。
ただただ、年の差カップルの可愛すぎるお付き合いを見ていたい、という漫画。シンプルだからこそハマれば強力に惹かれてしまう。
なんせストーリーの始まりの段階で、秋生くんは中学生ですよ。
それでこんなかわいい年上お姉さんとイチャラブ三昧。
中学生男子に結婚を迫っちゃうカナコおねーさんですよ。
かわいい系おねえさんに積極的に絡んでこられて、しかも向こうから結婚しましょうとまで言われちゃう。ヤバい詐欺であったとしても、そりゃ舞い上がっちゃうさ男の子。実際そのまま甘い甘いイチャラブ生活が幕を開けるわけですから、たまりませんわ・・・。
ニヤニヤするのはカナコさんがストレートに愛情表現をしてくるってこと。
秋生くんはわりと素直になれなくて、思春期の少年らしいもじもじした様子をいっぱいみせてくれてそれはそれで可愛いのですが
それを見透かしたようにカナコさんは自分から迫っていくんですね。
ここのやりとりがめちゃくちゃ可愛くてお気に入り。
秋生が抱きしめたらすっぽり収まっちゃいそうなサイズ!ちぃちゃいおねーさんかわいいよ!!秋生くんが体おっきめだということもあるけれど。2人にとってどんな身長差があるのかってのが大事だよね。
でもねえ。思春期の男子の結婚しましょうって迫っておいて、でもまだほっぺにキスだけで我慢ねとか、だいぶヒドいですよねカナコさん・・・・・・!!!!
秋生くんには頑張っていただきたいね。年下お姉さんをあわあわ恥ずかしがらせるのは年下彼氏の重要な任務である。お姉さんが焦らしプレイを仕掛けてこようとも若さでそれを乗り越えていけよ、な。(願望丸出し)
まぁ極端なことを書きましたけど、実際秋生くんは性欲が薄いように見えますね。
まぁあんまりがっついてる男子が相手だと、この作品のムードも壊れてしまうかもしれないんでこれでいいんですが・・・やっぱり思春期男子のちょっとした暴走やら暴発やら、怖そうになっちゃう秋生くんがみたいですよぼくぁ。それでカナコさんによしよし慰めてもらいながら、やっぱりおあずけ食らう秋生くんを妄想して自分で悶えています今。
けれど、ただ甘いばかりではなかったりして。
2人を引き合わせたものは、本の趣味だけではなく、「不在」の共鳴。
ああ、この人は自分の同じだ。同じ寂しさを持っている。きっと同じぬくもりを求めている。だから一緒にならなくちゃいけない。
それを本能レベルで察知したからこそ、カナコさんの求婚です。
でも別にさみしさを紛らわすための、慰め合いの関係なんかじゃない。確かに幸せになれると信じたから、思い切って踏み出した。
性急なくらいで、都合がいいとも思えた第一話の展開。しかし読み進むにつれ違和感は吹き飛んだ。一目惚れにちかいスピードは、きっとこの2人には必要だったのだ。
あとに残るのは好き合う幸福ただそれのみ。
そして話はもとに戻るのである。イチャラブ最高です!!
身も蓋もない言い方をすればこの2人の性行為が見たい。見たい。見たい。
最初は結構お姉さんとしてのポジションを維持していたカナコさんですが、だんだんとそういう意識が溶けていったように見えます。
それでも「相手は年下の学生の男の子なんだから」と、配慮をしているようには見えますが、年下相手にみっともなくすねちゃったりして、甘えん坊になっちゃったりして。
恋人になってなんの遠慮もなくなっていく過程が、気持ちがいい。
知り合って、お付き合いが始まって、同居が始まって・・・と、順中すぎるステップアップもいい。ぜひとも結婚式まで行って欲しいものですわ・・・!
年なんて関係ないって始まった関係でも、やっぱり、こういうお姉さんからのリードのようなものに、ドキドキしちゃう。関係なくても始まったからには、年の差だって楽しんだほうが良い。
というわけで「ふたりの恋愛書架」1巻の感想でした。
ラブストーリーが主ですが、古書やマニアックな作品のネタも繰り出されるので、小ネタとしてそういうものも楽しめます。
サブキャラたちもちらほらと顔を見せます。でもあまりストーリーに絡みませんね。今後絡んでくるのかな。でもこの作品は秋生とカナコさんのクローズドな描写にキュンときているので悩ましい。この作品で、このサブキャラ(特にクラスメイトたち)がどう描かれていくかも結構気になっているので。
まぁともかくお姉さんかわいい!年の差カップルかわいい!とそんな漫画ですよ。じんわり心温まる、どころじゃなくテンション上がります。むひょむひょしてます。
次の巻も、たっぷりたっぷりと甘く仕上がっていることを楽しみにしつつ、またカナコさんたちの愛おしさを噛み締める作業に戻ります。贅沢を言うならもっと性的な関係を見たいですね(真顔
『ふたりの恋愛書架』1巻 ・・・・・・・・・★★★★
年の差カップル。お姉さんに愛されちゃう系漫画。こういうの大好きです。
[漫画]トラウマに立ち向かうループ・ミステリー『僕だけがいない街』1巻
僕だけがいない街 (1) (カドカワコミックス・エース) (2013/01/25) 三部 けい 商品詳細を見る |
僕なら助けられたはずなのに。
三部けいさんの新作「僕だけがいない街」1巻の感想。
詩的でかっこいいタイトルと表紙の寂しげなムードに惹かれて購入しました。
かっこいい表紙デザインだと思います。印象的なタイオルがくっきり目に入る感じで。オビのコピーもすごい。
「なぜ彼女は殺されなければいけなかったのか?」というもの。
単純なサスペンスではなく、タイムスリップ要素もある作品です。
歴史「改変」を行っていくという面白さとスリリングなストーリーが組み合わさって、ドキドキしながら読めました。ループ系ストーリーとも言えるのかな。
漫画家になることを夢見る28歳の青年、藤沼。しかし現実はなかなか上手くいかない。
漫画が評価されないのは、自分自身が自分の内面に踏み込めていないから、という分析をする藤沼。
小学生のころ、彼の住む田舎では凄惨な連続殺人が起こった。
それに関連して彼は自ら封じ込めた記憶がある。記憶は取り戻せていないけれど、昔を思い出すことに潜在的なトラウマとして抱えるようにも見えます。
そんな藤沼、じつは不思議な能力を持っている。「巻き戻し」の力です。
突然に時間が1分~5分くらい巻き戻ってしまう。それはなんらかの事件が起こる前触れ。巻き戻しがおこったら藤沼は周囲を見渡し、事故や事件を未然にふせぐべく行動を起こしていきます。
望まずして彼は誰にも知られぬところでヒーローとして活躍しているのだ。
いや、心の底では望んでいるんだろうな。
所々に回想で、幼少時代に見たヒーローが登場します。ヒーローへの憧れをいまだに持っているんだろう。そういう自分をバカみたいだと自嘲するときもあるけれど、仕方ないといいつつ彼はかなり頑張って人を救っている。
この「巻き戻し」を使って、日常の事件を未然に取り除いていく。
その流れはかなりカッコいい。彼のすごさを周囲はあまり知らないという意味でも、そういう隠れたヒーロー感が素敵ですよ!
でもその力も関係しないところで、彼は過去にあった大事件へと引き込まれていく。過去を知ろうと動き出す。
それに合わせたかのように、悪意と殺意が藤沼のまわりに忍び寄っていくのですよ!
ということで、最初にも書きましたが、スリリングなストーリー展開でドキドキします。
ムードメーカー的ヒロインの女子高生・片桐さんの存在がありがたい。
でも片桐さんがいてもなお、このどんよりとした空気・・・。
「同級生の少女の死」
「連続誘拐殺人事件」
「救えなかった友人」
「犯人の正体・・・。」
そんな物騒なワードに彩られた、藤沼の封印された記憶。
物語はどんどんとその過去について探っていく流れになっていくのですが
「時を巻き戻せる能力」なら、こういう展開は来て欲しいな、って展開にしっかり入って行ってくれた。
小学生時代をやりなおす!
ここまで時を巻戻してしまうに至った経緯はあまりに痛々しく悲しい。
それでもこの展開に入ったら、この言いようのない不快感がただよう世界から逃れられるんじゃないか、なんて期待をしてしまいますよ!テンション上がりますよ!ゾクゾクするって!
・・・小学生に戻ったからこそ、これからもっと悲惨なことになる、という可能性も捨てきれない、というか高いですが・・・。
それでも、28歳になった自分を救うには、小学生の自分が頑張るべきなのだ。
だって、あんなに後悔した。そして記憶を封じ込めた。
大人になっても自分を巣食っていた、あの無力感を、取り除く。
過去のトラウマを乗り越えて、藤沼はなにかを変えることができるかな。
そしてまだたくさんは描かれていませんが、これからのカギになりそうなのが雛月加代。
連続殺人事件の被害者の女の子。この1巻の表紙で描かれているのもこの娘だろうし、どう関係していくのかな。想像するのも楽しい。
雛月の母親が見せた恐ろしい表情も気になりますね。事件の真相はどんなものだろう。
そんなこんなの作品。
ループ、過去改変というだけでもワクワクするテーマですが
「小学生のときに起こった惨劇を回避する」する展開に突入したら、そこに至る流れを踏まえてめちゃくちゃ盛り上がります。「え、これからどうなるの」っていう行き先不透明な感覚。
サスペンスとループものの面白さがうまく混ざり合っています。
ダークな物語にのめり込んで楽しめた一冊ですなー。
暗いばかりではなく、主人公とその母親の親子愛の描写とか、心にささる・・・!
なんとなく後ろから正体不明のなにかが忍び寄ってくるかのような
作品の世界そのまんまな、怪しげで恐ろしいムードがナイス。
あと、個人的に、雪にうもれた田舎で展開するジメ~ってとした暗いストーリーって、そういうムードもベタながら好きなんですよね。いかにも何かおきそうで。実際なにか起こるんですけど。雪に悲劇は似合う。
2巻からはガラッと世界を変えた内容になるでしょうし、楽しみです!
あとはこのタイトルも興味深いですね。どう内容にシンクロしてくるのか。
『僕だけがいない街』1巻 ・・・・・・・・・★★★☆
リアルなループ系サスペンス。ストーリーに純粋に引き込まれる。
[漫画]世界が君で光った。『花と落雷』1巻
花と落雷 1 (マーガレットコミックス) (2013/01/25) 渡辺 カナ 商品詳細を見る |
それは雷のように一瞬で あらがえる暇もない
「花と落雷」1巻が発売されたので感想を!
渡辺カナさんといえば前作「星屑クライベイビー」がかなりお気に入りの短編集でして、何度も読み返したりしてます。新作ってことで今回の「花と落雷」ももちろん購入。
タイトルがいいですよね。あまり一緒になることのない単語同士で、シンプルかつ印象に残るタイトルです。英語にするとフラワー・アンド・サンダーボルト。やだ、カッコいい!
自分はまず表紙でドキッとしました。カラーイラストとしての美しさもお見事ですが、一枚絵としてバッチリ決まってる。キラキラしててオシャレでかわいくて、うーん・・・見惚れる!
前作は短編集ですが、1巻と打たれているように今回は長編です。
前作→ほんとは寂しがり家のあなたに届くように。『星屑クライベイビー』
主人公の海美帆が、「有言実行委員会」をなのるちょっと不思議な女の子と出会うことから、ストーリーは動き出します。
その娘は八千代といい、クラスでも変人と認識されているような女の子。
学校の人々の後押しや手伝いを目的に活動するのが「有言実行委員会」!とハデに登場をキメるも、メンバーは八千代ただひとりという寂しい現状。
人並みに臆病で、踏ん切りがつかなくて、淡い恋を胸に閉じ込めてしまいそうな海美帆。その応援をしてくれる八千代。「有言実行委員会」との出会いは、海美帆をどんどん変化させていくのです。
少女漫画のお約束というか無くちゃいけない恋愛要素をしっかり入れつつ
作品の主題は、不器用な人たちが他者と、そして自分の気持ちとどう向き合うか、ってところにあります。くじけそうになりながらも必死に前進していく。その様子は感動的で、恋愛漫画に収まらない魅力があると思います。
八千代がいいキャラですよねえ。文字通り、人を引っ張っていくパワーがあるキャラ。黒髪おかっぱというのも、彼女に不思議とピッタリな気がする。
強引すぎずでも軽すぎず、真摯に心に寄り添ってくれる素晴らしい友人キャラとして描かれています。
実際、1話において主人公の恋と同じくらいに大切に描かれていると思ったのが、八千代にむける海美帆の憧れのまなざし。「こんな風になれたらなぁ」という願望と、こんなステキな娘と知り合えた、友達になれた、という高揚感。
この1巻の中で主人公の気持ちはけっこう変わっていくんだけれど、その最大のきっかけは八千代ですよね。そのことをわかっていて、海美帆は彼女を大切に思っている。
つまり、海美帆と八千代の友情が素晴らしいのですよって話です!
百合というほどでもなく、2巻の2人の結びつきが楽しみです。
んでもって恋愛要素。こちらももちろん良かった!
「星屑クライベイビー」では結構ビターな味わいの作品もあったりして、「花と落雷」はどういう漫画になっているか楽しみでしたが、なるほど。
まず1話で主人公は男にフラれちゃうんですね。そこに至るまでの流れは心にグッとくる。フラれても単なる悲劇にならず、あくまでも前向きさを失わない、そのきらめきが素晴らしかった。
そのあとに真打登場ってふうに新しい男の子の出てきます。四宮くんです。
読みながら懸念したのは主人公の心変わりはやすぎだろ、っていう状況。告白してすぐにほかの男の子になびいちゃうと、ほら。でもこの作品、そこはうまくやってくれていました。そういう人を好きになるタイミングにこだわるのバカみたいですけど、気になっちゃうものは仕方ないじゃないですか。
ストーリーはなんだかんだで、四宮くんと海美帆がラブりだすわけですが、その過程もいちいち愛らしくて敵わない!ゆっくりゆっくりと、四宮くんへの想いが膨らんで、ふとしたことで破裂しちゃいそうなくらい高まっちゃって。
どうすんのこれ。ニヤニヤするしかないでしょうが!!
でこれまた四宮くんもかわいいんですよー!
海美帆以上の臆病ものなんですけど、少しずつ彼の世界が開けて行って、どんどん四宮くんの表情を明るくなっていく!
というか海美帆はいっかい殻を破ったので、あれ以降は結構大胆な行動とってますよね。
人見知り&しゃべりベタな四宮くんの手助けから始まり
気づけば海美帆、八千代、四宮の3人でいつも動くようになっていたりして。
キャラクターたちが確実に世界を広げていっている実感が得られてにっこり。
世界がひろがる瞬間、つまり人と人の心が結びつく瞬間を描くのが上手いですね。ここ!ってタイミングで頭に残るシーンがちゃんとある。漫画として魅力的です。表紙イラストでも思いましたが、絵ヂカラがあります。
2巻の展開についてですが、どうやら八千代の話になりそうな予感。
まだ謎ばかりな少女。何が明かされるのか楽しみです。
そんな新作「花と落雷」でした。
花という静かに綺麗に佇むものと、一瞬だけでも空を強烈に照らす輝き。アンバランスなようでいて、やはりいいタイトルだなぁ!平穏を一瞬で変貌させる光。それは空に強く輝くように、彼らの世界だって変えてしまうに違いない。
落雷とはすなわち恋だったり、友達だったりするんだろう。
雷ってのは自然現象で、ひかったらそういうものと考えるしかない。そこには理由はない。光ったら、心が明るくなったら、それはもう抗いようもない。
キラキラしてて瑞々しくて、恋愛ばかりじゃなくキャラクターそれぞれが紡ぐ成長のドラマが、素直に気持ちがいい作品ですね。
もちろん絵も素晴らしい。この作家さんは内容も雰囲気もいいけど、まず絵の第一印象からして「あ、好きだ」だったもんな。ふわっとしつつ、光がチカチカ舞っているような眩さもまた読んでいて快感!
空気がきらめくかのような星が細かく描かれたコマもあって、小さな雷みたい。
作者のコメントを見るに、どうやら2巻完結漫画?らしいので
サクッと読めるコンパクトな傑作になってくれるといいですね。2巻の出来次第ですが、きっと期待に応えてくれるんじゃないかなと思ってます。これまでの短編を読んでいても、ラストの余韻がすばらしい作家さんなので。
『花と落雷』1巻 ・・・・・・・・・★★★☆
期待のシリーズ。表紙に惹きつけられたらきっとハズレない、素直な青春ストーリー!
[漫画]高まる僕の鼓動と、高まる君の鼓動が、『ハレルヤオーバードライブ!』8巻
タイトルは音速ラインから。作品的にこういうことやりたくなる・・・!
自分が心の声を聞かないなら…誰が聞くんだ!
「ハレルヤオーバードライブ!」最新の第8巻が出ました。
うひょー今回の表紙は小雨と麗のツーショット表紙!これまでで1番好きなイラストかもしれません・・・!!自分が麗好きということを抜きにしても素晴らしい。
音楽が化学反応する一瞬を捉えたかのような一枚ですね。麗のイメージは桃色の花びら。小雨のイメージは水玉。左右でキレイに色が分かれているのが美しい。
表紙中央のやや左下の、花びらが水滴になる様子がまたにくい演出ですよ!
二人の音が合わさって広がっていく。改めて、無茶苦茶カッコいい!
というか麗の右手はどゆこと!小雨の口元に添えられているわけですが、熱っぽい表情と合わせてなんとも色気のあるポーズですよ!!
・・・ふぅ。そんな表紙の第8巻の感想―。もう8巻まできたか。
ライブシーンでぎっしり!やたらとテンション上がって仕方ない仕上がり。
→一瞬一瞬を刻みつけて『ハレルヤオーバードライブ!』7巻
スランプを抜け出した麗。海の家で行われる野外イベントに、これまでとは違ったメンバー構成の新バンド「ポニーテールズ」で参加。麗は見事に自分の殻をやぶることができました。
よかったなぁ!よかったなぁ麗!
ぼくぁもう麗ちゃんがダントツなくらい好きなので、この涙は本当に染みる。
ここしばらくの苦しみをはねのけ、彼女はまた一歩成長しました。
1つの壁を乗り越えることができたのだ。
そしてこのポニーテールズの演奏が、小雨の新曲のアイディアをもたらす。
彼が引っかかった点から予測すると、「踊る」ってのがキーワードかな。
海の家野外ライブ後のシーンを見ても、この新曲を大切に仕上げていこうという小雨の意識も見えます。こうやってタメを作るってことは、作品としてもこの曲が大きな意味を持ちそうですよね。
しかしまぁ、麗が刻んだ新しいグルーヴが小雨を刺激を与えたということを考えても、今回の表紙は素晴らしいものだなぁと改めて思ったり。
小休止をはさんで新展開。合いまみえる新たな敵・・・!
ある日小雨が出会った、山田早介となのる男。その出会いが波乱を招くことに。
業界にもツテがあるという山田。「ラベンダーヴァーブ」というバンドのベーシストらしいですが小雨はその正体はわからず。
しかしリリーパスカルから「希望」を取り戻すという目標がある小雨。ひとつ上のステーイに行くためにも、山田の誘いに乗って「ラベンダーヴァーブ」とのライブに挑むことに。
しかしこのライブが、いきなりティアドライブの運命を左右することになる・・・!
ここのところの展開は実にうまく、それでいて嫌らしさがあった。
ティアドライブとともに、読んでいる自分もがっつり入れ込んで怒りが湧いてくるような。いいねえ。これまでラブコメとしての魅力が大きいと思っていますが、ストーリーにもうねりが出てきましたよ。
珠姫の登場はもっと焦らしてからでもいいかと思ったけど、それくらい。
心揺さぶる熱い展開、きてます。
無謀だろう。無茶だろう。でも黙っていられるか。あの娘は、泣いてたんだ!
ティアドライブ全員の意識が統一されてのぞむライブ。その集中力はハンパじゃなく、何かが起こるのではと期待を抱くのもムリはない。覚悟決めた小雨イケメンですなぁ。
ティアドライブに興味がなく退場しようとする客たちを、全員はムリだっただろうけど、何割かの足をとめてやることはできていたんだ。
このライブではまだ敵わないかもしれない。しかし彼らの歌は世に放たれて、聞いた人の心に残り続ける。このライブを見た人の心に、ひっかかりを残す。
小雨の生みだす「雫」は、聴く人の心に静かに届く。
彼の音は、聴く人の魂をじっくりと揺さぶっていく、
小雨が得意とする直情的な音楽性とは裏腹と、聴く人をしっとりと夢中にさせる穏やかな一面もあるように思えますね。いや、直情的がゆえにここまでピュアに人の心を揺さぶるのか。トリッキーなプレイヤーではないもんな。
それにしても心を熱くたぎらせる!ってタイプではないんだ。それこそ水のように「染みていく」。
現状のストレートなロックナンバーたちから変化球をはなてるようになることが、ティアドライブの未来を決めそうです。
この巻、とにかくライブシーンが多い。しかも初期から見ても、だいぶ見せ方がうまくなっているように感じます。画力がアップしていることもそうですが、カッコいいアングルで魅せてくれるシーンばかり。純粋に、作者のセンスが磨かれてきているのかな。
バンドのミュージック・ビデオとか見るのが好きなんですけど、せっかくバンド漫画だし作者もヤル気ですし、こういう惚れ惚れする演奏描写に今後も期待したいものですよ!
ここまで演奏シーンにしっかりページを割いてくれるのって、やはり嬉しいですねえ。「カッコよく描いてやろう!」っていう気概も感じる。
単行本クライマックス、「やってやった!」と言わんばかりに拳を突き上げるティアドライブ。鼓動を早めてくれる圧倒感、疾走感で演奏を爆走したのちの、この熱い余韻!胸が高鳴る!
ほかにも各話のタイトルナンバーをオサレに演出してみたり、小ワザをきかせて読者の興奮をあおってくるよなあ・・・!演奏描写のカッコよさという華やかさが本作の武器。
そんなこんなで「ライブシーンに魅せられる」点では過去最高峰の出来栄え。
8巻ともなって作品として成熟してきているのを感じます。
しかしそれは大人しくなった・落ち着いてきた、というわけではなく
イキオイの付け方がうまくなったというか、ストーリーに味わい深さが出てきたというか
ああ、いいなあ、成長してきているよ、キャラも作品も!
『ハレルヤオーバードライブ!』8巻 ・・・・・・・・・★★★★
ライブシーン山盛りで楽しすぎる第8巻!ストーリーとしても大きな盛り上がり所。
ハレルヤオーバードライブ! 8 (ゲッサン少年サンデーコミックス) (2012/12/12) 高田 康太郎 商品詳細を見る |
自分が心の声を聞かないなら…誰が聞くんだ!
「ハレルヤオーバードライブ!」最新の第8巻が出ました。
うひょー今回の表紙は小雨と麗のツーショット表紙!これまでで1番好きなイラストかもしれません・・・!!自分が麗好きということを抜きにしても素晴らしい。
音楽が化学反応する一瞬を捉えたかのような一枚ですね。麗のイメージは桃色の花びら。小雨のイメージは水玉。左右でキレイに色が分かれているのが美しい。
表紙中央のやや左下の、花びらが水滴になる様子がまたにくい演出ですよ!
二人の音が合わさって広がっていく。改めて、無茶苦茶カッコいい!
というか麗の右手はどゆこと!小雨の口元に添えられているわけですが、熱っぽい表情と合わせてなんとも色気のあるポーズですよ!!
・・・ふぅ。そんな表紙の第8巻の感想―。もう8巻まできたか。
ライブシーンでぎっしり!やたらとテンション上がって仕方ない仕上がり。
→一瞬一瞬を刻みつけて『ハレルヤオーバードライブ!』7巻
スランプを抜け出した麗。海の家で行われる野外イベントに、これまでとは違ったメンバー構成の新バンド「ポニーテールズ」で参加。麗は見事に自分の殻をやぶることができました。
よかったなぁ!よかったなぁ麗!
ぼくぁもう麗ちゃんがダントツなくらい好きなので、この涙は本当に染みる。
ここしばらくの苦しみをはねのけ、彼女はまた一歩成長しました。
1つの壁を乗り越えることができたのだ。
そしてこのポニーテールズの演奏が、小雨の新曲のアイディアをもたらす。
彼が引っかかった点から予測すると、「踊る」ってのがキーワードかな。
海の家野外ライブ後のシーンを見ても、この新曲を大切に仕上げていこうという小雨の意識も見えます。こうやってタメを作るってことは、作品としてもこの曲が大きな意味を持ちそうですよね。
しかしまぁ、麗が刻んだ新しいグルーヴが小雨を刺激を与えたということを考えても、今回の表紙は素晴らしいものだなぁと改めて思ったり。
小休止をはさんで新展開。合いまみえる新たな敵・・・!
ある日小雨が出会った、山田早介となのる男。その出会いが波乱を招くことに。
業界にもツテがあるという山田。「ラベンダーヴァーブ」というバンドのベーシストらしいですが小雨はその正体はわからず。
しかしリリーパスカルから「希望」を取り戻すという目標がある小雨。ひとつ上のステーイに行くためにも、山田の誘いに乗って「ラベンダーヴァーブ」とのライブに挑むことに。
しかしこのライブが、いきなりティアドライブの運命を左右することになる・・・!
ここのところの展開は実にうまく、それでいて嫌らしさがあった。
ティアドライブとともに、読んでいる自分もがっつり入れ込んで怒りが湧いてくるような。いいねえ。これまでラブコメとしての魅力が大きいと思っていますが、ストーリーにもうねりが出てきましたよ。
珠姫の登場はもっと焦らしてからでもいいかと思ったけど、それくらい。
心揺さぶる熱い展開、きてます。
無謀だろう。無茶だろう。でも黙っていられるか。あの娘は、泣いてたんだ!
ティアドライブ全員の意識が統一されてのぞむライブ。その集中力はハンパじゃなく、何かが起こるのではと期待を抱くのもムリはない。覚悟決めた小雨イケメンですなぁ。
ティアドライブに興味がなく退場しようとする客たちを、全員はムリだっただろうけど、何割かの足をとめてやることはできていたんだ。
このライブではまだ敵わないかもしれない。しかし彼らの歌は世に放たれて、聞いた人の心に残り続ける。このライブを見た人の心に、ひっかかりを残す。
小雨の生みだす「雫」は、聴く人の心に静かに届く。
彼の音は、聴く人の魂をじっくりと揺さぶっていく、
小雨が得意とする直情的な音楽性とは裏腹と、聴く人をしっとりと夢中にさせる穏やかな一面もあるように思えますね。いや、直情的がゆえにここまでピュアに人の心を揺さぶるのか。トリッキーなプレイヤーではないもんな。
それにしても心を熱くたぎらせる!ってタイプではないんだ。それこそ水のように「染みていく」。
現状のストレートなロックナンバーたちから変化球をはなてるようになることが、ティアドライブの未来を決めそうです。
この巻、とにかくライブシーンが多い。しかも初期から見ても、だいぶ見せ方がうまくなっているように感じます。画力がアップしていることもそうですが、カッコいいアングルで魅せてくれるシーンばかり。純粋に、作者のセンスが磨かれてきているのかな。
バンドのミュージック・ビデオとか見るのが好きなんですけど、せっかくバンド漫画だし作者もヤル気ですし、こういう惚れ惚れする演奏描写に今後も期待したいものですよ!
ここまで演奏シーンにしっかりページを割いてくれるのって、やはり嬉しいですねえ。「カッコよく描いてやろう!」っていう気概も感じる。
単行本クライマックス、「やってやった!」と言わんばかりに拳を突き上げるティアドライブ。鼓動を早めてくれる圧倒感、疾走感で演奏を爆走したのちの、この熱い余韻!胸が高鳴る!
ほかにも各話のタイトルナンバーをオサレに演出してみたり、小ワザをきかせて読者の興奮をあおってくるよなあ・・・!演奏描写のカッコよさという華やかさが本作の武器。
そんなこんなで「ライブシーンに魅せられる」点では過去最高峰の出来栄え。
8巻ともなって作品として成熟してきているのを感じます。
しかしそれは大人しくなった・落ち着いてきた、というわけではなく
イキオイの付け方がうまくなったというか、ストーリーに味わい深さが出てきたというか
ああ、いいなあ、成長してきているよ、キャラも作品も!
『ハレルヤオーバードライブ!』8巻 ・・・・・・・・・★★★★
ライブシーン山盛りで楽しすぎる第8巻!ストーリーとしても大きな盛り上がり所。
[漫画]女の子の生活は不思議と楽しみがいっぱい?『ぼくは麻理のなか』1巻
ぼくは麻理のなか(1) (アクションコミックス) (2012/12/07) 押見 修造 商品詳細を見る |
僕はっあなたの許しがないのに・・・裸を見たり・・・そういうことは絶対にしません!
押見修造先生の「ぼくは麻理のなか」1巻が発売されました。
前に「惡の華」7巻を更新したのですが、12月7日には押見作品3冊が同時に発売に発売されたのです。もちろん全買いである。
漫画アクションにて連載されているこの新シリーズ、「うわあこの作家さん変態だなぁ」と、何度も思ったことを再度思わせられる内容となっています。
でもドロッとした作風の「惡の華」と比べるとだいぶポップな読み心地。
じんわりと胸にやってくる嫌らしさはあるけれど、コメディ仕立てな作品だと思います。
内容はずばりTSモノ。
冴えない童貞大学生が、ある日目覚めたら美少女の体になっていた。
しかもその美少女というのが、彼がひそかにストーカーまがいのことをしていたほど憧れていた女の子・・・。天使のようなあの娘の体を、自分は手に入れてしまった!
わけがわからないまま少女・麻理としてとして家族とふれあい、学校にいき、授業を受けて、友人たちと戯れて・・・。
ダメダメな生活を送ってきていた男が、突然女の子として生活をはじめても・・・。そりゃ当然ボロは出てきて、周囲から不審がられて・・・思わず冷や汗出てくるような緊張感・・・!
女の子の生活ってどういうのだろう?
男からじゃ伺い知れない未知の世界に突然放り出された主人公。
まず朝おきてから大変ですよ。そう、トイレに行きたくなる。
でも、女の子のトイレって、どうやるんだ?
なんという新鮮な放尿ッッ
「何コレ!?どっから出てるの!?何コレッ!?」と完全に混乱中inトイレ。
目をつぶり耳をふさぎ、ただ戸惑うばかりの主人公。何やってるんだお前!
このシーンに代表されるように、彼(彼女の)潔癖な様子が面白いです。
女の子にうまく接することができない男のダメっぷりが露呈している。うまく接することができないもなにも、自分が女の子なのにな。
着替えも入浴も目隠してやっていて、徹底的に麻理を汚さないようにする。
自分は男だという意識を持っているから、この体を男の目に触れさせてはいけない!という思考になっている様子。せっかくこの体を手に入れたのにねえ。
こんなときにでも「麻理ちゃんには綺麗であって欲しい」という理想を抱き続けているのがとても気持ち悪くて良いと思います!
もっと遊んじゃえよ、いじっちゃえよ!とゲス顔かまして期待するところですがそれは2巻以降のお楽しみかなふへへ。
主人公があたふたする様子はとても可愛いです。外見は美少女だし。
中身がキモオタだろうと・・・そこはいいんだよ・・・。
しかし主人公が羞恥に震える第8話は今回のハイライト!
自分のオナニーシーンに直面!
うわぁ・・・自分のそういう場面、客観的に見たくないなぁ・・・。
しかも完全な女子高生には直接見られてしまうし。
この場面の恥ずかしさは一言で言い表せません・・・悶えたなぁw
主人公と行動を共にするようになるメガネの女の子、柿口さんも結構特殊。
彼女も麻理に幻想を抱いてる感じで、主人公がのりうつったニセモノの麻理に「お前は誰だ」と詰め寄りました。もとの麻理につよく憧れていたのは、立場としては主人公と似たような物か。
最初はちょっと戸惑いましたが、1巻ラストで泣いてしまったシーンでちょとキュンとなった。
しかし主人公の意識が麻理に乗り移って、麻理の意識はどこに行ったんだ。
それだけでなく主人公のもともとの体は、なんの違和感もなく生活をしている。もし入れ替わりで誰かの魂が入ったのなら、主人公が話しかけた時点でなにかリアクションがあるはずなんだけど。
主人公の「男として意識」は、いったいどこからやってきた代物なんだろう。
不思議なかたちで「自分さがし」と「麻理さがし」が2巻以降に始まりそう。
しかしその麻理って娘も、絶対裏があるよねえ。
1話で振り返った、もともとの麻理のあやしげな微笑みが意味深でした。
彼女にはなにかしらの秘密がありそうなんだけど、それはまだ全然わかりません。
1巻の中ではストーリーはあまり進みませんでした。
混乱する主人公の姿を集中的に描いてあって、そういう部分でまずは楽しめました。
今後ストーリーにも展開があるはずですし、2巻も楽しみにしています。
ちなみにこの単行本のあとがきには、押見先生の女性観?というか「女性になりたい欲」が語られています。深くうなづきました。というか、まさに自分もそういう気持ちはあったのでびっくり。ぼんやりとしかなかった自分の感覚に言葉で形をくれたような感覚。ちょいと感動。
女の子を、自分の性欲から遠く離れたところにおいておきたい気持ちがある。
そして気持ち悪がられようと、女性の思考をちょっと理解したいなとか思ってたりする。
男としてゲスいことを考えていても、しかし根底にあるのは女性への広義な「憧れ」だったりするんだなぁ。そういう女性への興味がこじれて、自分は百合漫画等を読み出したのかもな。
まったく作品に関係ない自分語りになってしまった。おしまいおしまい。
『ぼくは麻理のなか』1巻 ・・・・・・・・・★★★☆
美少女になってしまった童貞大学生があたふたするのをニヤニヤする漫画。