[本]半座初陣!戦う先人たちの姿に胸焦がせ 『ハンザスカイ』3巻
「アイドルA」面白いすな。
おいおい やめろやめろ 泣いたらどーすんだよ・・・
今日は週刊少年チャンピオンにて連載中の作品、佐渡川準先生の「ハンザスカイ」について。
1巻から激熱で大好きな作品ですが、先日発売したこの3巻が過去最高の大盛り上がり。
読んでる間ずっと脳汁が溢れ出て、もうどうしようかと・・・!!
この作品を取り上げるのは初めてなので、大雑把にこれまでのあらすじ。
不良として確固たる地位・そしてプライドを持っていた主人公の半座龍之介ですが
高校入学早々、空手部2年の女の子・藤木穂波に余裕でブチのめされます。
しかしこれを機に、自分を安々倒してみせた空手に興味を持つ半座。
そして無事に空手道部に入部し、不良の道から足を洗った半座は
なんとさっそく練習試合の先鋒に選抜。相手は去年の県大会優勝校・蓮城。
団体戦のメンバーに選ばれて迎える初試合!浮足立つ半座だが・・・?
そして3巻からいよいよ団体戦が本格的に始まるのです!
半座の相手は、トリッキーなステップが特徴的な選手・峰岸。
峰岸は試合の序盤、半座を「不良」と判断・切り捨てていたのですが
半座の予想外の健闘に、逆境に追い込まれてしまいます。
片や黒帯、片や白帯。蓮城としては去年打ち勝った相手。
華麗で圧倒的な自らの試合運びを期待していた峰岸ですが、ここで“変身”、「カッコよさ」ではない、もっと純粋で本能的、そして当初より目指していた「強さ」を示すために、ようやく本気モードへ!
この試合、実に面白い。
何がって、試合をしながら半座が目に見えて成長をしてくれること。
中段突きしか持っていない・使えない半座は、それを封じられてただ点を取られていくだけの試合展開に絶望しかけますが、「そんなカッコ悪いあるか」と我武者羅に繰り出したのが、まさかの上段突き。それも中→上の連突き。
驚く峰岸ですが、それは半座の先輩たちも同様。
半座にそんな技を教えた覚えなんて無かったから。
半座はただひたすら勝利を目指し続けることで、その場で瞬時に新たな自分を切り開いたのです・・・!
しかし決定打(3P獲得できるもの)を知らない半座は、残り時間に苦しまされる。
一撃で逆転しなければ勝てない・けれどそんな方法はまだ知らない・・・
(クリック拡大)
いや、あった。
それは部活での練習じゃない
「空手」との出会いの日、自らが浴びたであろう一撃。
不良な自分を生まれ変わらせた、あの清々しい一撃だ。
しかしそれに至るまでの技の流れは、半座が明らかに練習風景を想起してるのも良いなぁw
そしてその時の半座のモノローグも、これまた素晴らしい。
半座はこの時間違いなく、過去の自分との決別を果たした。
少なくともこの時の彼の心情的には・・・!
全編通して胸の熱くなる、ドラマティックな試合展開でしたね。
この初試合は、彼のポテンシャルの高さと思いの強さを存分に示しました。
そして初めての味わう、チームで戦う空手の面白さも。
もちろん個人戦ではあるけれど、団体戦はチームでの勝利が最終目標。
自分が背負っているものが、自分の空手だけでなくチームののプライドでもあるプレッシャー。そして後ろから自分を見てくれている・応援してくれている仲間たち・・・!
空手をやったことのない自分でも、こんなにも熱く震えることができる・・・
この試合で、心からの「面白い」を言える作品になったなと個人的には思っています。
対戦相手の彼に関しても・・・。
峰岸は半座の初試合の対戦相手。
そのためか、相手役ながら非常に丁寧な心理描写がされて試合が進行していきます。
半座の描写は当然ながら多くあるので、試合序盤は彼らの心の動きを追うのも楽しい。
そしてこの双方の心理描写は、試合後にてその最大の効力を発揮します。
半座が勝ったあと、余韻に浸る間もなく峰岸と言葉を交わすシーンです。
そして、互いに矛盾した誓いを立てる。
次やるときは(も)、俺が勝つ。
ハッとしたし、実に気持ちのいいやりとりだなぁと。
彼は「そうなるかもしれなかった半座の姿」でもあるのだ。
それとこのシーンも見逃せません。
大はしゃぎしちゃって、で我を取り戻してちょっと恥ずかしそうな表情・・・
藤木先輩が実に微笑ましい!こういう些細なところにグッと来るw
さて熱いは先鋒戦だけではありません。
もちろん半座が飾った初勝利と、その後の峰岸とのやりとりは胸が熱くなるものですが
続く先輩たちの試合にも、同等かそれ以上に熱く、滾る。
半座が初めて見る、試合の中の先輩たちの背中。
今後の指標となるであろうその姿が、魅力的じゃないワケがない!
そして何より痺れる、先輩たる堂々とした振る舞いと、揺るがぬ意思・・・!
先輩として、後輩たちに何を示すべきなのか・・・彼らはちゃんとその答えを知っている。
試合に出場した番場・財前・青柳・・・、実際に試合で戦った今だからこそ、半座は先輩たちの凄さを思い知る。どうしようもなく、みんなカッコいいんだ。
つか最近のチャンピオンの展開もそうですけど、作者まじで番場先輩好きそうですねw
そしてこの先輩たちの試合シーンには、 意図的でしょうが、試合イメージのビジュアル化が多いのも上手いなぁと思うし、面白い。
レベルの高いやり取りをこなす彼らの対戦を、視覚的に分かりやすく描写しています。
狩人と兎、足元の爆発、潜む虎、巨塔と砲台、舞う蜂。
こういう表現は漫画ならではで、イメージが膨らんでとても楽しめます。
しかしこの使いどころが上手いのもこの作品のよさで
勝敗が決する瞬間、そしてそこに至るまでの身体の動きにはこのような比喩的描写はされず、しっかりと選手の動きを追うことに徹しているように思います。
最後には人間の体の動きそのもので魅せようとする作者の意図も、ここにあるのかな。
こだわりある漫画の描き方が感じられて、自分は大好きなのです。
んではまとめでも。
とにもかくにもこの3巻はまるっと激熱で俺がヤバイ。
半座といい先輩たちといい・・・とくに青柳戦はもうゾクゾクし通しw
試合前と試合後の、青柳とメンバーとのやり取りもニヤニヤしてしょうがなかったし、加えて負けた後の伊奈選手の言葉にまで痺れてしまうとか・・・。「これで更に強くなれる」ですって!もう前見据えてるってか全然ヘコんでねぇし!なんだこの漫画の奴ら男出来上がり過ぎだろ!
・・・・・・と、テンションが上がってしょうがありません。
主人公の半座も、個人的に高感度高くて良し。
2巻での中段突き特訓の時もそうですが、この3巻では試合中に技を編み出したりと、半座は技術会得が早い設定なのでしょうね。今後の彼が成長していくのか(空手の腕前も、精神面も)非常に気になるところです。
作品自体も非常に今油が乗っているのではないかと思います。
まだ3巻が発売したてで集めやすいですしね、内容は文句なし。
本誌での連載もカラー獲得率高いですし、人気高まってきてるのでしょうか。
だとしたら個人的にかなり嬉しいです。とても楽しみな連載作品です。
しかし・・・野田くんマジどうしようもねぇな。(オチ)
『ハンザスカイ』3巻 ・・・・・・・・・★★★★
テンションMAX第3巻!まだまだ伸び白ありそうなのが恐ろしくも楽しみな作品です。
ハンザスカイ 3 (少年チャンピオン・コミックス) (2010/10/08) 佐渡川 準 商品詳細を見る |
おいおい やめろやめろ 泣いたらどーすんだよ・・・
今日は週刊少年チャンピオンにて連載中の作品、佐渡川準先生の「ハンザスカイ」について。
1巻から激熱で大好きな作品ですが、先日発売したこの3巻が過去最高の大盛り上がり。
読んでる間ずっと脳汁が溢れ出て、もうどうしようかと・・・!!
この作品を取り上げるのは初めてなので、大雑把にこれまでのあらすじ。
不良として確固たる地位・そしてプライドを持っていた主人公の半座龍之介ですが
高校入学早々、空手部2年の女の子・藤木穂波に余裕でブチのめされます。
しかしこれを機に、自分を安々倒してみせた空手に興味を持つ半座。
そして無事に空手道部に入部し、不良の道から足を洗った半座は
なんとさっそく練習試合の先鋒に選抜。相手は去年の県大会優勝校・蓮城。
団体戦のメンバーに選ばれて迎える初試合!浮足立つ半座だが・・・?
そして3巻からいよいよ団体戦が本格的に始まるのです!
半座の相手は、トリッキーなステップが特徴的な選手・峰岸。
峰岸は試合の序盤、半座を「不良」と判断・切り捨てていたのですが
半座の予想外の健闘に、逆境に追い込まれてしまいます。
片や黒帯、片や白帯。蓮城としては去年打ち勝った相手。
華麗で圧倒的な自らの試合運びを期待していた峰岸ですが、ここで“変身”、「カッコよさ」ではない、もっと純粋で本能的、そして当初より目指していた「強さ」を示すために、ようやく本気モードへ!
この試合、実に面白い。
何がって、試合をしながら半座が目に見えて成長をしてくれること。
中段突きしか持っていない・使えない半座は、それを封じられてただ点を取られていくだけの試合展開に絶望しかけますが、「そんなカッコ悪いあるか」と我武者羅に繰り出したのが、まさかの上段突き。それも中→上の連突き。
驚く峰岸ですが、それは半座の先輩たちも同様。
半座にそんな技を教えた覚えなんて無かったから。
半座はただひたすら勝利を目指し続けることで、その場で瞬時に新たな自分を切り開いたのです・・・!
しかし決定打(3P獲得できるもの)を知らない半座は、残り時間に苦しまされる。
一撃で逆転しなければ勝てない・けれどそんな方法はまだ知らない・・・
(クリック拡大)
いや、あった。
それは部活での練習じゃない
「空手」との出会いの日、自らが浴びたであろう一撃。
不良な自分を生まれ変わらせた、あの清々しい一撃だ。
しかしそれに至るまでの技の流れは、半座が明らかに練習風景を想起してるのも良いなぁw
そしてその時の半座のモノローグも、これまた素晴らしい。
このセリフの、なんとも素晴らしい高揚感・・・!「つくづくあン時とは違ぇな 1人じゃ――――勝てねぇ」
半座はこの時間違いなく、過去の自分との決別を果たした。
少なくともこの時の彼の心情的には・・・!
全編通して胸の熱くなる、ドラマティックな試合展開でしたね。
この初試合は、彼のポテンシャルの高さと思いの強さを存分に示しました。
そして初めての味わう、チームで戦う空手の面白さも。
もちろん個人戦ではあるけれど、団体戦はチームでの勝利が最終目標。
自分が背負っているものが、自分の空手だけでなくチームののプライドでもあるプレッシャー。そして後ろから自分を見てくれている・応援してくれている仲間たち・・・!
空手をやったことのない自分でも、こんなにも熱く震えることができる・・・
この試合で、心からの「面白い」を言える作品になったなと個人的には思っています。
対戦相手の彼に関しても・・・。
峰岸は半座の初試合の対戦相手。
そのためか、相手役ながら非常に丁寧な心理描写がされて試合が進行していきます。
半座の描写は当然ながら多くあるので、試合序盤は彼らの心の動きを追うのも楽しい。
そしてこの双方の心理描写は、試合後にてその最大の効力を発揮します。
半座が勝ったあと、余韻に浸る間もなく峰岸と言葉を交わすシーンです。
そして、互いに矛盾した誓いを立てる。
次やるときは(も)、俺が勝つ。
ハッとしたし、実に気持ちのいいやりとりだなぁと。
彼は「そうなるかもしれなかった半座の姿」でもあるのだ。
それとこのシーンも見逃せません。
大はしゃぎしちゃって、で我を取り戻してちょっと恥ずかしそうな表情・・・
藤木先輩が実に微笑ましい!こういう些細なところにグッと来るw
さて熱いは先鋒戦だけではありません。
もちろん半座が飾った初勝利と、その後の峰岸とのやりとりは胸が熱くなるものですが
続く先輩たちの試合にも、同等かそれ以上に熱く、滾る。
半座が初めて見る、試合の中の先輩たちの背中。
今後の指標となるであろうその姿が、魅力的じゃないワケがない!
そして何より痺れる、先輩たる堂々とした振る舞いと、揺るがぬ意思・・・!
先輩として、後輩たちに何を示すべきなのか・・・彼らはちゃんとその答えを知っている。
試合に出場した番場・財前・青柳・・・、実際に試合で戦った今だからこそ、半座は先輩たちの凄さを思い知る。どうしようもなく、みんなカッコいいんだ。
つか最近のチャンピオンの展開もそうですけど、作者まじで番場先輩好きそうですねw
そしてこの先輩たちの試合シーンには、 意図的でしょうが、試合イメージのビジュアル化が多いのも上手いなぁと思うし、面白い。
レベルの高いやり取りをこなす彼らの対戦を、視覚的に分かりやすく描写しています。
狩人と兎、足元の爆発、潜む虎、巨塔と砲台、舞う蜂。
こういう表現は漫画ならではで、イメージが膨らんでとても楽しめます。
しかしこの使いどころが上手いのもこの作品のよさで
勝敗が決する瞬間、そしてそこに至るまでの身体の動きにはこのような比喩的描写はされず、しっかりと選手の動きを追うことに徹しているように思います。
最後には人間の体の動きそのもので魅せようとする作者の意図も、ここにあるのかな。
こだわりある漫画の描き方が感じられて、自分は大好きなのです。
んではまとめでも。
とにもかくにもこの3巻はまるっと激熱で俺がヤバイ。
半座といい先輩たちといい・・・とくに青柳戦はもうゾクゾクし通しw
試合前と試合後の、青柳とメンバーとのやり取りもニヤニヤしてしょうがなかったし、加えて負けた後の伊奈選手の言葉にまで痺れてしまうとか・・・。「これで更に強くなれる」ですって!もう前見据えてるってか全然ヘコんでねぇし!なんだこの漫画の奴ら男出来上がり過ぎだろ!
・・・・・・と、テンションが上がってしょうがありません。
主人公の半座も、個人的に高感度高くて良し。
2巻での中段突き特訓の時もそうですが、この3巻では試合中に技を編み出したりと、半座は技術会得が早い設定なのでしょうね。今後の彼が成長していくのか(空手の腕前も、精神面も)非常に気になるところです。
作品自体も非常に今油が乗っているのではないかと思います。
まだ3巻が発売したてで集めやすいですしね、内容は文句なし。
本誌での連載もカラー獲得率高いですし、人気高まってきてるのでしょうか。
だとしたら個人的にかなり嬉しいです。とても楽しみな連載作品です。
しかし・・・野田くんマジどうしようもねぇな。(オチ)
『ハンザスカイ』3巻 ・・・・・・・・・★★★★
テンションMAX第3巻!まだまだ伸び白ありそうなのが恐ろしくも楽しみな作品です。
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