[本]ゆっくり混ざる寂しさと温もり。年上幼馴染との同居物語。 『たいようのいえ』1巻
いきなり忙しくなってテンパってます。
じゃあ一緒に帰るか?
幼馴染→Good!
年の差→Cool!
同居→Perfect!!
という、実に美味しい要素を詰め込んだ、タアモさんの新作「たいようのいえ」。
1巻が発売されたので早速買ってきたのですが、面白いですねぇこれ!
タアモさんといえば小学館で結構な数の単行本を出していますね。
本作で長編シリーズ&講談社デビューということですが
これまでのタアモさんの作品に馴染みがある方はスムーズに入り込めると思います。
ちょっと切ない、けれど温かいホームドラマとなっています。
簡単にあらすじなどを。
唐突に年の差幼馴染の2人が同居することに。
その事に少なからずドキドキする真魚(まお)と、わりと平気そうな社会人・基(ひろ)。
昔は一緒に遊んで、たくさんの時間を過ごした家ですが
今はもう、昔と一緒にはしゃぐことはできないようで・・・。
真魚は17歳で、基は社会人で、2人きりで―――
お互いちょっと違った気持ちを抱えながら、2人の日常は始まります。
また、ラブコメちっくな展開に終始するでもなく、このお話は
メインの2人の心に巣食う「寂しさ」で、一味違った物語になっているかなと。
はてさて真魚ちゃんがとても可愛いです。(いきなり
まぎょちゃんと呼ばれるのが定番化している本作のヒロイン。
寂しがり屋なのに意地っ張り。すぐ泣いちゃうし、素直になれないし、口は悪い。
作者のタアモさんも書いていますが、まるっきり中2w
ちょっと困ったこの性格には、彼女の生い立ちが関係してきます。
彼女はこれまでの家庭環境により、「暖かな家庭」に恵まれなかった。
幼いころから両親の仲が悪く、離婚した後に彼女は父親に付いていきますが
父の再婚相手とはギクシャクし、父は自分のことをどう思っているのか分からない。
子供の頃からずっとずっと、真魚は寂しさをこらえて生きてきた。
だから、今。
たった2人で、気心知れた幼馴染で、突然「暖かな家庭」を手にしてしまっても
彼女はどうすればいいのか、分かりません。
なのでとりあえず意地を張っておきます。
「寂しかったら話し相手くらいはしたげる」
真正面から言えないんですよ、「寂しい」なんて。
分からないんですよ、どうすれば満たされるのか。
だからこの言葉にメッセージを隠しています。「一緒にいて」と。
くぅおおおぉ・・・・・・この保護欲を掻きたてられる感じは・・・ッッ
優しくされても悪態ついちゃうし、感謝の言葉なんて言えっこない。
不器用な言葉と、ちょっとだけ期待を滲ませた行動で、気持ちを伝えてくる。
素直になれない女の子というのは、素敵なものですね・・・!
そして初めて家族らしい家族になれたことで、彼女には家庭のルールが課せられます。
その中に「門限」という、子供によく課せられる約束事項が。
しかしなぜかこれに大喜びの真魚ちゃんです。
はしゃぎすぎてちょっと空気読めてない娘になっちゃってます。
しかしこんなに喜ぶのも、考えてみれば当然でした。
子供の頃、彼女の帰りを待っててくれる人は、いませんでした。
門限というのは、つまり、誰かが自分を待っていてくれること。
そんな当然のことすら、彼女には経験の無いことだったのです。
彼女の孤独の傷の深さを象徴するエピソードですが
同時に今の彼女が手にしているぬくもりの尊さが、印象的に伝わるお話でした。
もちろん真魚だけでなく基の中にも、寂しさはあります。
両親を失い、兄弟とは離れ離れ。
たった1人で、たくさんの思い出が詰まった大切な家を守っています。
彼もまた少し面白い立ち位置にいますね。
面白いのが真魚が彼のためにと家事を手伝ったのに、基は複雑な表情を見せる点。
基は真魚のためにやれることは全部してあげます。
忙しくてもご飯を作るために家に帰るし、彼女の内面のサポートもか。
それを感じて真魚が頑張ったのに、それがちょっと不満という。
大切な人だからこそ、なにかしてあげたい、役にたちたい。
そんな思いやりを互いにするものだから、逆に不満が溜まっていくw
基は未だに真魚を子供扱いというか、自分に頼り切って欲しいと思っているみたい。
なにもしなくていい、この家にいてくれるだけでいい、と。
しかし否が応にも真魚を「女の子」として意識せざるを得ない展開が1巻ラストに!
これを受けて基がどう変わるのか・・・!2巻が楽しみです!
「おかえり」と「ただいま」。
そんなありふれたはずの会話が、キラキラ輝いて見える瞬間。
全然特別なんかじゃない・・・。けれどそれが特別になったお話です。
タイトルの「たいよう」は、普遍的だけど1つしかない尊いもの、という意味もあるかな。
「家族」の温かさは、その有無も内容も価値も、人によって違うでしょう。
その人にとっても「たいよう」は、1つだけしかない、とかそんな感じで・・・。
各エピソードどれも印象的でしたし、終盤の展開は非常に続きが気になるので
12月発売予定の2巻が待ち遠しいですね。上手く行ってもいいけど、展開早すぎ?w
そんな感じで、期待の新シリーズです!
『たいようのいえ』1巻 ・・・・・・・・・★★★☆
ありがちな表現ですが、心温まるという表現がぴったり。爽やかな読み心地です。
たいようのいえ(1) (デザートコミックス) (2010/09/13) タアモ 商品詳細を見る |
じゃあ一緒に帰るか?
幼馴染→Good!
年の差→Cool!
同居→Perfect!!
という、実に美味しい要素を詰め込んだ、タアモさんの新作「たいようのいえ」。
1巻が発売されたので早速買ってきたのですが、面白いですねぇこれ!
タアモさんといえば小学館で結構な数の単行本を出していますね。
本作で長編シリーズ&講談社デビューということですが
これまでのタアモさんの作品に馴染みがある方はスムーズに入り込めると思います。
ちょっと切ない、けれど温かいホームドラマとなっています。
簡単にあらすじなどを。
唐突に年の差幼馴染の2人が同居することに。
その事に少なからずドキドキする真魚(まお)と、わりと平気そうな社会人・基(ひろ)。
昔は一緒に遊んで、たくさんの時間を過ごした家ですが
今はもう、昔と一緒にはしゃぐことはできないようで・・・。
真魚は17歳で、基は社会人で、2人きりで―――
お互いちょっと違った気持ちを抱えながら、2人の日常は始まります。
また、ラブコメちっくな展開に終始するでもなく、このお話は
メインの2人の心に巣食う「寂しさ」で、一味違った物語になっているかなと。
はてさて真魚ちゃんがとても可愛いです。(いきなり
まぎょちゃんと呼ばれるのが定番化している本作のヒロイン。
寂しがり屋なのに意地っ張り。すぐ泣いちゃうし、素直になれないし、口は悪い。
作者のタアモさんも書いていますが、まるっきり中2w
ちょっと困ったこの性格には、彼女の生い立ちが関係してきます。
彼女はこれまでの家庭環境により、「暖かな家庭」に恵まれなかった。
幼いころから両親の仲が悪く、離婚した後に彼女は父親に付いていきますが
父の再婚相手とはギクシャクし、父は自分のことをどう思っているのか分からない。
子供の頃からずっとずっと、真魚は寂しさをこらえて生きてきた。
だから、今。
たった2人で、気心知れた幼馴染で、突然「暖かな家庭」を手にしてしまっても
彼女はどうすればいいのか、分かりません。
なのでとりあえず意地を張っておきます。
「寂しかったら話し相手くらいはしたげる」
真正面から言えないんですよ、「寂しい」なんて。
分からないんですよ、どうすれば満たされるのか。
だからこの言葉にメッセージを隠しています。「一緒にいて」と。
くぅおおおぉ・・・・・・この保護欲を掻きたてられる感じは・・・ッッ
優しくされても悪態ついちゃうし、感謝の言葉なんて言えっこない。
不器用な言葉と、ちょっとだけ期待を滲ませた行動で、気持ちを伝えてくる。
素直になれない女の子というのは、素敵なものですね・・・!
そして初めて家族らしい家族になれたことで、彼女には家庭のルールが課せられます。
その中に「門限」という、子供によく課せられる約束事項が。
しかしなぜかこれに大喜びの真魚ちゃんです。
はしゃぎすぎてちょっと空気読めてない娘になっちゃってます。
しかしこんなに喜ぶのも、考えてみれば当然でした。
子供の頃、彼女の帰りを待っててくれる人は、いませんでした。
門限というのは、つまり、誰かが自分を待っていてくれること。
そんな当然のことすら、彼女には経験の無いことだったのです。
彼女の孤独の傷の深さを象徴するエピソードですが
同時に今の彼女が手にしているぬくもりの尊さが、印象的に伝わるお話でした。
もちろん真魚だけでなく基の中にも、寂しさはあります。
両親を失い、兄弟とは離れ離れ。
たった1人で、たくさんの思い出が詰まった大切な家を守っています。
彼もまた少し面白い立ち位置にいますね。
面白いのが真魚が彼のためにと家事を手伝ったのに、基は複雑な表情を見せる点。
基は真魚のためにやれることは全部してあげます。
忙しくてもご飯を作るために家に帰るし、彼女の内面のサポートもか。
それを感じて真魚が頑張ったのに、それがちょっと不満という。
大切な人だからこそ、なにかしてあげたい、役にたちたい。
そんな思いやりを互いにするものだから、逆に不満が溜まっていくw
基は未だに真魚を子供扱いというか、自分に頼り切って欲しいと思っているみたい。
なにもしなくていい、この家にいてくれるだけでいい、と。
しかし否が応にも真魚を「女の子」として意識せざるを得ない展開が1巻ラストに!
これを受けて基がどう変わるのか・・・!2巻が楽しみです!
「おかえり」と「ただいま」。
そんなありふれたはずの会話が、キラキラ輝いて見える瞬間。
全然特別なんかじゃない・・・。けれどそれが特別になったお話です。
タイトルの「たいよう」は、普遍的だけど1つしかない尊いもの、という意味もあるかな。
「家族」の温かさは、その有無も内容も価値も、人によって違うでしょう。
その人にとっても「たいよう」は、1つだけしかない、とかそんな感じで・・・。
各エピソードどれも印象的でしたし、終盤の展開は非常に続きが気になるので
12月発売予定の2巻が待ち遠しいですね。上手く行ってもいいけど、展開早すぎ?w
そんな感じで、期待の新シリーズです!
『たいようのいえ』1巻 ・・・・・・・・・★★★☆
ありがちな表現ですが、心温まるという表現がぴったり。爽やかな読み心地です。
Comment
コメントの投稿
Track Back
TB URL