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正直どうでもいい(移転しました)

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[CD]明るいと思いきや……隠し切れない心の傷。『Hello Alone』

Hello Alone TVアニメ「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」エンディングテーマHello Alone TVアニメ「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」エンディングテーマ
(2013/05/22)
雪ノ下雪乃(CV.早見沙織)&由比ヶ浜結衣(CV.東山奈央)

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アニメ「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」のED曲「Hello Alone」が発売したので購入。ジャケットはぽんかん⑧神の描きおろしだぁー!!
OP曲「ユキトキ」でも更新をしたので、EDをやろうと思っていましたが
買ってみて歌詞を読んでみたら、びっくり。
爽やかに気持ちを盛り上げるサウンドで歌われるのは、
後悔にまみれた、とても心痛む歌詞。

通常のものと、由比ヶ浜結衣ソロのバラードバージョンがあります。
曲調がガラリと違っていて面白いです。特にバラードバージョンのピアノの旋律は美しいですねえ。これアニメ5話で流れた時おおっ!?となりましたよ。
でもこの記事で注目していきたいのは主に歌詞についてです。

OP曲→雪ノ下雪乃の内面を描く、アニメ俺ガイルOP『ユキトキ』




歌詞はうたまっぷとかで見ればいいんじゃないかな。

「最後まで僕は素直じゃなくて 繋がれてた糸をわざと もつれさせて 切り離した」

自ら距離をとる。人間関係に臆病な人物が浮かびます。
傷つけられるなら自分で傷つきたい。

「ヒコーキ雲がにじんで 消えてしまう前に 逢いたいと言えてたなら」
「終わりのない切なさからも 抜け出せていたのかな」


盛り上がりあるサビ部分の歌詞。
しかし明るい歌声に乗せて、こんなに後悔の念が込められている。
「言えてたなら」「抜け出せていたのかな」など、失敗をしてしまった人物がifを夢想する切ない場面が思い浮かぶ。
多くの言葉が過去形で綴られている点で、心の痛みが深められていきますよ…。
2番の歌詞になるとさらに傷は見えやすくなっていきます。


「無理に笑って 忘れるよりも 静けさへと仕舞いこんで 止まったまま 傷つきたい」
「夕日が海の果てに 消えてしまう前に 嘘だって伝えてたら」
「あのまぶし過ぎた毎日を 取り戻すことできた?」

素直な気持ちを伝えられなかった。嘘をついてしまった。
楽しかった日々を失ってしまった。それ取り戻すためのチャンスすら逃した。

などなど、至る所に「人間関係における致命的な失敗」を匂わせるフレーズが散りばめられており、とても不穏なものを感じます。
OP「ユキトキ」は本編にはまだありえないほど幸福度がたかい内容でした。
しかしEDでここまで爽やかにどん底に落としてくるあたり、凄い。



では自分の解釈か何かを。
この曲の歌詞中では一人称は登場しないので、俺なのか私なのかすらわからない。
でも歌詞から察する後ろ向きなキャラクターから察するに
やはりこの歌の主人公は比企谷八幡なのかなと思う。
「Hello Alone」というフレーズにぴったりくるような精神性を持つのは彼くらいなものだと思う。
でも彼だけの曲だ、それ以外の可能性はない、と断じてしまうのも勿体無い。

例えばCメロの
「言葉は欺くし(雪ノ下)」
「優しさは裏腹で(由比ヶ浜)」
「実は逃げてばかりいたのかも(雪ノ下)」
「甘え過ぎていたのかも(由比ヶ浜)」

といった、ヒロイン2人がそれぞれ違うところを順番に歌っていく箇所は
その担当キャラクターの資質や心理を示しているような気もする。

「嘘」で八幡を苦しめた雪ノ下が「欺き」と言い、実は逃げていたと歌うのも、
「優しい女の子」である由比ヶ浜が「裏腹」と言い、甘え過ぎていたのかもと反省するのも。
2人の切実な思いが反映されているような構成だと思います。

もしくは、ストーリーは今後この詩のような内容になっていくのか。
その中で特に気になってくるのが、サビで繰り返されるこのフレーズ。

「また君とふたりぼっち Hello Hello,Alone」

失敗をして、大切な人との間の距離に苦しみ悲しむ主人公。
しかし最後にやってくる「君とふたりぼっち」は、ともすれば非常に救いがある言葉。
失敗をしたって君は傍にいてくれる。そんな確信と安心を感じているであろう一節だなぁ。寄り添う誰かの存在は本当の救いだ。

でも正直この他の歌詞を読んでいると、サビ最後だけ「また君とふたりぼっち」なんて優しい言葉を投げかけてくれていても、うまくそれが信じられなかったりする。

暖かい時間を、大切な人を遠ざけて自分を傷つけた。
涙を止められなかった。ごめんねと言えなかった。
けれど君はいてくれる。ふたりぼっち。だけどAlone。

「君」ってのはもう1人の自分なのではないかな、とも思った。
自分だけの世界に閉じこもって、そこに救いを探す切迫した想いがあふれているようにも考えられるんですよね。
失敗をしてしまった自分。それを慰めてくれる、胸の内のもう一人の自分。
より救いのない解釈だけれども、個人的にはこれがシックリくるかな。「Alone」をどう捉えるかは、考えてみるともっと面白そうな解釈の幅を見つけられるかも。



作詞を担当したのは藤林聖子さん。
何やら調べてみたら、『さも物語の展開を読んでいるかのような作詞に定評があり、一部ファンからは「予言者」と呼ばれていたりする。』という記述がされていたりしている。
曲調からは想像できないような青春の苦味をはじけさせる素晴らしい歌詞だと思います。
ドラマCDで過去に歌われてきた雪ノ下&由比ヶ浜のデュエットソングはほぼラブソングでした。アニメEDでそれを裏切ってシビアな内容で攻めてきたのは素晴らしいですね。
今度でるキャラソンアルバムでも歌詞に注目してみたいところ。

ともかく、「Hello Alone」、切ない心理描写が鮮やかに美しい風景に溶け込んでいる佳曲。元気いっぱいなA面、しっとりバラードな別バージョンの違うも面白いし、CD買ってよかったなとおもいます。

≪ [漫画]心に青さとみずうみを。『あおくて堅い』ホーム[漫画]俺と彼女は、友達にはなれっこなかった。『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。@comic』1巻 ≫

Comment

初めまして。
初コメントです。

「Hello Alone」の歌詞から、ここまで推測できるとは。

いやはや、漣さんの考察力にはいつも舌を巻きます。

この記事から、私は、原作はこれから先(8巻以降)で「奉仕部」が崩壊するような展開になるのではないかな、という予測を立ててみました。(まあ、7巻ラストの時点でそれっぽい感じになってはいますが・・・・・・)

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