[漫画]1人の強さ、仲間とともにある強さ 『ハンザスカイ』10巻
ハンザスカイ 10 (少年チャンピオン・コミックス) (2012/02/08) 佐渡川 準 商品詳細を見る |
すまない。俺が弱かった。
ついに2ケタになったよーハンザスカイ。第10巻が出ています。
チャンンピオンといえば「弱虫ペダル」とか現在最高潮すぎる「バチバチ」などスポーツ漫画が個人的にもアツい雑誌なわけですが、この「ハンザスカイ」も大好きで。
高校の空手道部を描く本作。現在はインタハイ予選でボルテージも上昇中!
それと今回からちょっと表紙のデザインが変わったみたい。いい感じじゃないですか。
主人公ら御門高校たちをメイン描いている作品ですが、しかし他の学校のメンバーやその校風なども魅力たっぷりであるのがこの作品の特徴。
敵ながら応援したくなってしまうキャラが大勢いるんですよね・・・!
この10巻も、御門のライバル校・蓮城高校の準決勝戦から始まり、実に熱い。
準決勝戦の大将戦。これで決勝進出が決まる大一番。
対決するのは蓮城の伊奈と、要陵の徳良。蓮城は作中で最初に御門と対戦した高校であり、以降も強力なライバル校として描かれてきました。今回もこの対戦はじっくりと綴られてきましたが・・・結果を言うと、会場の多くが予想していなかった、蓮城の敗退。
しかし蓮城・伊奈選手の敗北後の様子にも、自分はしびれまくってしまいました。
負けてしまった理由・・・
『先週の稽古でくじいた足が完治していなかった』『相手のデータが不足していた』『前までの試合時間が短くてピークにもっていけなかった』『実は緊張して眠れてない』『予想外のリーチに手を焼いた、対応したつもりだったが――』『青柳を意識しすぎた』『朝食がカツ丼だったおかげで胃がもたれた』 いろんなものが彼の脳裏に浮かぶ。
朝飯にカツ丼食べて胃がもたれていたのか・・・なら仕方ないな・・・・ んなわけない。
青柳を意識しすぎたり、あんなどっしり構えておきながら実は緊張で夜眠れていなかったり、ここに来て予想外の萌え要素を披露した伊奈選手ですが、しかしここから震える!
負けてしまった。悔しい。申し訳ない。でも言い訳は、いくらでも―――
「すまない。俺が弱かった。」
その一言のみをメンバーに告げる伊奈。言い訳をぐっと飲み込んで、ただじっと自分の力不足を、敗北を、噛み締める。悔しくないわけがない。けれど結果から逃げない。
ああなんて、もう、ムッチャクチャ格好いいですね・・・!!
負けてすら読者を魅了してくれる。たまらんです。
そして「・・・しょうがねえ 伊奈が勝てねぇんじゃ しょうがねぇ・・・」と、蓮城はトーナメントから姿を消していきました。なんて寂しい背中。でも素晴らしいものを見せてもらいました。
そして彼に勝利した徳良選手だって抱えるもの・背負うものがあります。
要陵は次で御門と当たりますし、そこでさらに深く描かれていくことになるでしょう。
色々な思いが集中していきながら、舞台はいよいよ決勝戦へと移っていくのです。
10巻のポイントは蓮城の試合のクライマックスと、決勝戦のイントロ。
特に主人公・半座が挑むのは最強の謳われる選手である吹越であり試合前からしっかりと試合を盛り上げるべく展開していましたね。
まず半座VS吹越はかなり明確な対比がされます。
吹越は圧倒的な実力を誇り、そのぶん部活内でも浮いた存在。
強すぎるために他のメンバーから遠慮されたり、本人も「1人の方が強くなれる」と、あえて孤立の道を進んでいる様子。ストイックというか貪欲というか。
対する半座は、かつて周囲から孤立していた少年です。事実それで強かった。
昔は「1人の方が強くなれる」と信じていた。けれどそれは打ち砕かれて、空手を始めた。今は仲間に囲まれて、どんどん強くなってきていると実感できている。
今の半座には彼を迎え入れてくれる居場所と、共に笑ってくれる仲間たちがいる。
半座にとっては、今の自分が歩んでいる道の正しさを証明するのにも繋がる、重要なメッセージを持った一戦になっているのですね。
そんな内面の対比だけでなく、片や去年の個人戦覇者、片や空手始めたばかりの白帯。
実力差はありすぎる程。この試合がどんな結末となるのか要注目。
それだけでなく半座たちが入る前の御門高校空手道部の様子も描かれ、現在との対比がされています。賑やかになった今の空手道部。部長の青柳も思わず笑がこぼれてしまう。
様々な部分で、決勝戦に向けて順調に盛り上がっていく1冊となっているのです。
個性豊かなキャラクターたちが織り成す、熱く切実に胸に突き刺さるドラマの数々。
連載も2年を超えて、結構長い連載に成長してきましたが、「ハンザスカイ」という作品はここまで中だるみなしで楽しませてくれています。展開的にも次が決勝戦と、目が離せない!
今回は特に伊奈選手の敗北からの流れが最高でしたねえ・・・震えた震えた。
続く11巻に発売も楽しみにしています。
そうそう、空手で戦うのは男ばかりでもないんだぜってことで
初見恋ちゃんめっさかわいいな!ってことで感想〆。
巻末描きおろしは恋ちゃんが主役で俺歓喜。珍しくまともにかわいい女性キャラが出たな(ひどい)!もなかちゃんもかわいいけどね!
『ハンザスカイ』10巻 ・・・・・・・・・・★★★★
決勝に向けてむくむくとテンションを高める内容。次は結構久しぶりの半座の試合!
Comment
コメントの投稿
Track Back
TB URL