[漫画]そのカーテンコールを待っていた……!『ARIA THE MASTERPIECE』1
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刊行がスタートしたARIA完全版シリーズ。
リアルタイムで青春時代楽しんだ漫画の完全版なり文庫版なりが出始めると「歳くったなぁ」と思わされますが、ARIAのコレも然り。
今回の更新ですが、ARIA完全版の記事というより、発売記念にARIA関連の話をつらつらしたいがためにしています。もし完全版の中身とか仕様が知りたい人がいたのならすみません。
蒼のカーテンコール http://comic.mag-garden.co.jp/aria/books.html
●完全版が出るのって嬉しいよね
ARIAにかぎらずの話。完全版もちろん嬉しい。当時大好きだった作品が、今なお愛され続けている証でもある。今も忘れられずにある、その歓びはすごいです。
リマスターで再発売されるような作品、業界全体で見たら稀も稀なわけで。
「新品」として大好きだった作品を改めて書店のレジに持っていけること、これも幸福です。このARIAの時や、藤異秀明版「真・女神転生デビルチルドレン」漫画版の時にも思ったことですが、出てくれてありがとう、あの時はありがとう、みたいな気持ち。
俺は小中学の時なんかは結構、まぁあんまり言葉にすべきではないけれど、古本屋を利用していて、当時古本で買ったコミックスが今も本棚に入っていたりする。
中古問題はけっこう火種になりがちだからデリケートに扱いたいんだけど、実際、俺は使っていた。
「とりあえずブクオフで」と1巻買って面白くてそれから新品、みたいなことよくやっていました。
中古で買って、そこからその漫画にドハマリしたのに、新品に買い直すところまでは行動に移せず今に至り、罪悪感のようなものがあります。
完全版で嬉しいことって、いま改めて新品として購入することで、そんな自分の罪悪感をすこし拭うことができることなのかな、ということを今回感じました。一般論ではなく自分の話として。
好きなものにちゃんとお金を払えるということは幸せなんだよな。やっとこさ働いて自分のお金で買い物できるようになって、しみじみ思います。
特にARIA完全版は仕様も豪華で1冊あたり1300円。それが全7巻構成!けして漫画としてはお安くない。でも間違いなく最後まで購入するし、十分に価値がある。そして恩返しのような気持ちにもなる。
●過去最高に盛り上がる俺の中のARIA熱
昔よりも今だ!いまARIAはあついんだよ!!
というかここ半年くらい、自分の中でARIAの存在感がめちゃくちゃ大きくなりました。
昔読んでたしアニメも見てたけど無事にキレイに完結したし、「いい作品だよね」という捉え方をしたまま自分の中で評価が終わっていた。逆に言えばそこまで深く心に食い込んでいたわけではなかったと言える。
それが変えられたのはコイツである。
映画版『ARIA The AVVENIRE』!!!
原作完結から7年が経過し2015年に、まさかの新作映画ですよ。新作アニメ3本からなり、今度こそ本当にARIAのグランドフィナーレを飾った。
それと、この映画のパンフレットがすさまじかったのです。
なんせ天野こずえ先生による、完全新作漫画が40ページ超えの大ボリュームで掲載されている。
このパンフレット漫画と映画本編の、そのあまりにも満たされた幸福な世界に、20代となった今の俺はすっかり撃ちぬかれてしまいました。「アフターストーリー」大好きな人間としては、大興奮まちがいナシの内容!!
それときっと10代のときとは感覚や嗅覚がかわっているんだろうなとも思う。
昔よりARIAが好きになっていた。
いまとなってはとらのあなとかでも置いているのを見かけるけれど、
このパンフ劇場ではすぐなくなってしまって、再販目当てで劇場見にいったりしてました。それくらい価値がある。
俺はアニメ3期は実は見れていないんですけど、原作はキレイに完結していたし、最初この映画もそこまで気になるものではなかったです。レンタルしようかなくらい。(BOX収録になったので結果的にはレンタルはたぶん出来ないので劇場で見たほうが良かった
映画を見る前、パンフを読む前、「原作のあのエンディング以上のなにかあるか?」と、実は大した期待はしていませんでした。
知人から「映画のARIAは、“いまは昔ほどではないけれど、昔ARIA好きだったヤツ”ほど無理やりにでも見たほうが良い」みたいなオススメをされて、それって俺じゃん、と見に行きまして、それからみごっとに、やられたワケです。
『好き』を深める映画であり、パンフ漫画でした。
「あまんちゅ」アニメへの接続だとか、原作完全版とアニメBOXの発売タイミングをあわせてお祭りにしようとか、きっと色々戦略はあっての事なんだろうけれど
2015年に勃発したARIA祭のおかげで、当時よりはるかにアツく、ARIA熱が荒ぶっているのです。
●完全版そのものの出来がいい
話をもどして完全版の話。
描きおろしカバーと扉イラスト、変色しづらい上質紙、連載時のカラーページは完全再現、あたりが特徴。あと単純に版も大きくなっている。本棚に入れると流石に迫力がある。
サイズが大きくなったことが個人的に特に良い。
ARIAシリーズのみならず天野こずえ先生ならではの贅沢かつ効果的な見開き演出、ページを開いた瞬間にそのページに引きずり込まれるような、あの惚れ惚れするほどの没入感が版が大きくなることでさらに強くなっているように思います。
広々としたネオ・ヴェネツィアの景色を爽快に、そして豊かに楽しめる。
・・・オビをいまふと見たら、全員サービスみたいな全巻購入特典もあるみたい。
それとは別に、各種店舗では購入特典もあり。例えばメイトでは全巻購入でタペストリーがつくとかになっているので気になる人はそちらもチェック。(自分もメイトでマラソン予定
あと地味にいいのが、「AQUA」と「ARIA」がタイトル変わらずに一緒になった点。
この第一巻も原版AQUAの1巻~2巻が収録されています。
久しぶりに読み返したら、この1巻収録分だと「水没の街」「夜光鈴」あたりのノスタルジーな空気がほんとたまらないですね・・・なんて神秘的で甘酸っぱいんだ。
そしてペア昇格のエピソードは、あの映画を見た後なので、おもわず泣きかけたり。
一連のARIAプロジェクトの名前にもなっている
“カーテンコール”
それにふさわしい、愛を感じる出来栄えとなっていると思います。
もう今後これ以上に豪華なARIA本は出てこないんじゃないかなぁ流石に。
そもそも俺がこの完全版シリーズを揃えようかと決意したのかって
そりゃ映画で熱が昂ぶりまくっていることは一番なのですが
あの劇的に素晴らしいパンフ漫画が、この完全版最終巻で、本編から直接繋がるかたちできっと収録されてくれることだろうと期待しているからです。
あんな素晴らしい漫画を、一部の人しか手に取れないパンフレット収録のみにとどめておくのはもったいないでしょう・・・!というかここで完全版に収録しとかないと将来的には読む手段がめちゃくちゃ減るぞ!
仲間ハズレなのも悲しいので番外編ではなくちゃんと「本編」として迎え入れられて欲しいな。
公式でなにも言われてないので完全に俺の憶測・希望でしかないんですが!
・・・余談。この完全版1巻、もとは11月発売だったんですが1月発売に延期され、
当初は毎月刊行とされていたはずがつぎの2巻発売が3月だったり・・・
いろいろグラグラしていますが、本の出来そのものはバッチリなので
どんだけ延期されたってちゃんと出てしてくれさえすればいいという気持ち。
楽しみなことを待つ楽しみって、ARIAでもたくさん言っていたしね。
『ARIA THE MASTERPIECE』1 ・・・・・・・・・★★★★☆
完全版だしうまい評価はできないけれど、とても大切な本になりそうです。俺はいまARIAがアツイんだ。