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正直どうでもいい(移転しました)

マンガ感想を主に書くブログ。移転につき凍結中。

[漫画]“そんな未来”がここにある。『Spotted Flower』1巻

Spotted Flower 1Spotted Flower 1
(2014/04/25)
木尾 士目

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   今が俺の人生の頂点だと思う

もしかしたらあったかもしれない未来。そんな夢が叶ってしまった。
どんな夢かと言えば、とある1人のオタク野郎が、そんな趣味はまるでない別世界な1人の女性を好きになり、そして結ばれた。
「好きになり」までが別の世界線との共通事項で、「そして結ばれた」のがこの作品の肝であり、最大最強の爆弾でもある。

かなり出遅れましたが、「Spotted Flower」第1巻の感想。とあるご夫婦の日常コメディです。
奥さんは妊婦ですが、性欲の薄い旦那さんをなんとか誘う日々……そんな赤裸々な新婚ライフ。
もちろんそういうものとして楽しめるのはもちろんですが、この作品には裏がある。
それは、このご夫婦が他の作品に登場しているあの2人なのではないか…という『別作品との関連性』なのですが、掲載誌「楽園」で連載がはじまった当時に記事をかきましたので、そちらも読んでいただければと。

木尾士目先生新連載、どう見ても“あの2人”です・・・他『楽園 Le Paradis 』Vol.4

この2人、いったい誰と誰なんでしょうね?
うーん………

・・・

どう見ても「げんしけん」の斑目と咲だよ!!!!!!!!

そんな未来があったのだ(げんしけん14巻,29P)

楽園はここにある。
“そんな未来”がここにある。



オタクな旦那と一般人な奥さん。
微妙にズレてるような……でも愛し合っている2人のやりとりは心やすらぐし、ちょっと間が抜けていて楽しいのです。
お腹いっぱいにノロケ話を頂けるのは至福なんだ…!
旦那をその気にさせようと勝負下着で誘惑するもイマイチ反応うすく、じゃあどんな下着がいいのよ→縞パンとかどうしようもねえなこの旦那感すごくてめっちゃ笑えたぞ。

スポフラ11

どうしようもねえなこの旦那感が激しくナイスなワンシーン。
子供が男の子かもしれないという下りではこの発言である。うわーーやっぱこうなんだー……

連載は毎回短いページではあるのですが、その中に小ネタも積み込まれていて、その上ちゃんと妊婦あるあるネタ的なのを繰り出してくる。
妊婦あるあるとオタクあるあるな話題が融合して混沌としていますが、それがいい。
コメディですが時たまドキッとする。オタクとしての自己嫌悪からか、男の子を健全に育てる自信がないという旦那さん。でも夫婦で話し合って、不安に立ち向かっていく。一歩一歩、親になっていく姿。

ゲスト的サブキャラの存在もいい味出しています。
誕生してくる孫の名前のこっそり、というかガッツリとアニメヒロインの名前を押してくるおばあちゃん。お約束もしっかりと踏まえ、かなりのアニオタっぷりを見せつけてきましたが、なにものだよお婆ちゃん!すごすぎるw

そして大学時代の友人、コスプレ趣味のある巨乳奥さん(2児の母)。いったい何者なんだ……結婚して苗字かわっただろうけど少し心当たりがあるので仮名として「大野さん」と呼んでもいいかもしれないな…
この巨乳さんのセリフ、いちいち鋭くてドキドキしますよ。
「女が本気で誘惑して落ちない男なんていないですよね…?」とか。旦那さんの目の前でオ○ニーしろとか。この話題をするときの巨乳さんの経験値の高さを伺わせる発言にゾクゾクするなぁ。
セクハラして遊んでいるような余裕と、ちゃんと実践的なアドバイスしちゃう優しさを感じます。
女性ふたりでじゃれているような空気で、突っ込んだ話題までできちゃう親しさも見えてきますよね。

スポフラ12

そして同意できる。「お前ら、かわいすぎるだろうがー!」って。
いまがきっと最高に幸せで、その最高がずっと続いてくれればいい。
なんて平和で微笑ましい新婚ライフ!



そんな「Spotted Flower」の感想でした。
単行本になるまでかなーりかかりました。2巻はいつになるやら。3年以上あとかなぁ。それでも、この面白さならずっと待っていたい。

上でも張った過去記事でも言及しましたが、このタイトルは訳すと斑目と咲のことを指しているように解釈できます。
spot→しみ、よごれ、まだら flower→花
と、spottedは斑目、flowerは咲につながってくる。
げんしけんが自分は大好きなので、げんしけんとの関連が見えてくるような小ネタを見つけると、その度にニヤリとしてしまったり「ちくしょう」と作者を恨んだりしているわけですが、そういうのを全部ひっくるめてとても楽しいのです。

感想を書くにあたって、本来だったらこの作品そのものに絞って書いた方がよかったのですが
どうしても同作者の別作品との関連とかも書いてしまいました。
それは自分自身、木尾士目先生の意地悪な遊び心を楽しめたんですよね。とても。とても。
あとがきを読んだら作者自身もかなりノリノリでこんなヒドいことをやってるとわかったので、納得というか嬉しい思いです。
あとがきページでは今より昔、茶髪だったころの奥さんと黒髪だった旦那さんが描かれており……もう…。

ifとは言えげんしけん世界の未来を描いているので、キャラクターがどういう大人になっていくのか、というひとつの可能性としても見ることができる。こういう部分も見逃せないのです。
ただ完全に「げんしけん」キャラクターとして見ることも出来ない(する必要も無いけれど)
例えば旦那さんなんかは、斑目の数年後として見るにはかなり美化されてるというか、格好いいじゃないですか。でも似てはいる絶妙さ。あくまでも「もしかしたら、ね」くらいに、げんしけんと重ねるならほんのりと読むべき。

けれど実際、イジワルな作品なんですよ。内容ではなく根本が。
だってげんしけんの方でズバッと「そんな未来」を切り捨てて、でもいまこの漫画が存在しているんだから。残酷にも思えますよ。
でも読めて嬉しいのは本当で、漫画として楽しいのも間違いなくて、なによりキャラクターが愛されているのを感じる。ひねくれていて、意地が悪くて、遊び心の効いた漫画なんですよ。この作品にはそういう特別な熱があります。
読者もきっと作者も、ニヤニヤしながらこれを楽しんでるに違いない。
オビの裏面に書かれた「ま、愛があればたぶん大丈夫」というのはあれですかね 
出版社の垣根を超えてしまっても、的なそういうアレか……愛は正義!!


『Spotted Flower』1巻 ・・・・・・・・・★★★★
眩しいifルート。妊娠中でも積極的な奥さんと、どうしようもない腐れオタクな旦那さんの微笑ましすぎる日々を見よ。

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