“文学少女”と慟哭の巡礼者の感想と色々
“文学少女”と慟哭の巡礼者 (ファミ通文庫 の 2-6-5) (2007/08/30) 野村 美月 商品詳細を見る |
「けれどきみが、一番、一番、大嫌いだった」
コミカライズの連載もスタートしました「文学少女」シリーズの第5巻。
1巻から物語の裏側に居座り続けた少女、「美羽」がついに登場。これまで心葉の回想とかでしか名前も出てこなかったのに強烈な存在感をはなちまくってた彼女ですので、この5巻は過去最高に「濃い」一冊となってます。
中学時代、屋上から身を投げて心葉に深い傷を負わせたまま行方知らずとなっていた彼女は、実はこの街に戻ってきていた。琴吹さんのお見舞いへいった心葉は、そこで美羽と出会ってしまいます。
さてその美羽ですが・・・予想だにしなかった素晴らしい猫かぶりっぷり。
文学少女シリーズの特徴のひとつは、ところどころにモノローグが挿入されることだと思ってますが、今回は誰のモノローグが最初っからハッキリとわかりましたので、美羽の裏と表の違いに、序盤はヒヤヒヤしながら読んでました。心葉の行動も心も縛りつけようしているのに、彼を恨んでいて、でもまだ好きで。、だんだんとすれ違っていく彼らは姿はかなりツラいものがありました。 ようするに彼女は、所持欲が異常に強い女の子だったのです。
今回遠子先輩が出てくるシーンは少なめでしたが、やっぱりいいところはキッチリ持って行くなぁという印象。物語に和みと癒しを、そしてラストでは救いを与える彼女はやっぱりこの作品の核ですな。
琴吹さんがところどころで見せる女の子らしさにゴロゴロもだえつつも、今回かなり苦味のあるキャラクターとなってました。彼女の心を考えながら読んでいくと、心葉にかなりムカついてくるから不思議!(そうでもない)
そして忘れてならないのが竹田さんですね。あのシーンは凄い衝撃と感動でした。
美羽関連は1巻から長々引っ張ってきたので、このシリーズの核となるエピソードだと思っていましたが、意外にもこの5巻でスッキリまとまりました。350P↑のなかなか読み応えある一冊になってますがw
毎回このシリーズは、演出過剰なのと設定の盛り込みすぎが目に付いてしまうのですが、今回もそれは感じました。説明調の台詞が長々と続くし。美羽が万引きしていたっていう設定は、重要そうに書かれていたわりにそれほど重要ではなかったし。でもそんなことは置いておいてもこのシリーズ、特にこの5巻、登場人物たちの心情の描き方がとても綺麗です。美しい場面も、切ない面も、残酷な面もすべてを晒させてから救いを作り出す。一瞬触発・・・というか、壊れてしまいそうな繊細な雰囲気を作り出すのが上手いのかな。
というわけで5巻でした。かなりの人気シリーズですが、正直アニメ化は不可能だと思いますので、変なことはしないで欲しいですwそれにしても、1巻からずっとわき道へそれずに物語が進んでていいですね。綺麗に終わってくれるのを願います。
・・・プロローグの最初の一文で、今回のキーワードになる作品がわかった。うれしい。
『“文学少女”と慟哭の巡礼者』 ・・・・・・・・・★★★★
本を読む楽しさを教えてくれるシリーズ。相変わらず詰め込みすぎな気はするけれど、そんなの気にならないくらいの完成度。迫る別れのときに向けて、切なさが増していきます。
マンガ単行本の紙質は悪くなってゆく宿命なのか
フレックスコミックスですね、わかります。でもま、とりあえずは読めればおk。
雷句誠 (株)小学館を提訴。
橋口たかし 緊急 臨時ブログ(既に削除されてしまったようです)
話題騒然、ガッシュの作者さんが小学館を訴えた事件。
漫画好きとしてはかなり気になるニュースです。
ガッシュは個人的にも好きな作品でしたし(ゼオン戦は非常に感動したし、面白かった)橋口さんは「超速スピナー」がコロコロで連載してたころから好きな作家さんでした。その二人が、こうしていがみ合う形で対立しているのは悲しいものです。
2人のブログでそれぞれ編集者がまったく違う人物として書かれてますね。どっちが本当なんだか。
ヘタなことはいえませんが、小学館の動きには注目したいです。
・・・まぁ個人的には、実際に行動を起こした雷句さんを応援したいんですが。
ではでは。
にゃんこい!の最新話がナカナカによかった。
ありがちすぎるシチュの連続だったけど、王道はやっぱええもんです。