[小説]かつて「彼ら」だったぼくらが出来ること 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』4巻
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。4 イラスト集付き限定特装版 (ガガガ文庫) (2012/03/16) 渡 航 商品詳細を見る |
比企谷君とは仲よくできなかっただろうな
「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」略してはまち通称俺ガイル、4巻発売!
いやー待ってました。今集めているライトノベルではトップクラスに楽しみにしているシリーズ。3巻の限定版にはドラマCDが付きましたが、今回はイラスト集がついています。
各キャラ解説や描きおろしイラスト、ゲストイラストもあり豪華ですよー。
そういやイラスト、なんだかカラーが前よりラフな感じになりましたが、これも好き。
青春とは嘘であり、悪である。『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』
優しい女の子は嫌いだ。 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』2巻
甘い青春には慣れない。『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』3巻
既刊の感想はこちら。では新刊の4巻の感想をば。ややネタバレありなので注意。
キレッキレじゃないですか、わたりーん!!
書いていませんでしたがこの作品で1番好きなお話は1巻のもので、2巻3巻ももちろん好きでしたが、1巻ほどの興奮を味わうまでには至っていなかった・・・といったところでこの4巻が颯爽登場。俺のハートをガッチリ鷲掴み、完全にこの作品のとりこにさせられてしまいましたよんほおおお面白いよおおおオオオ!!
4巻は奉仕部・ミーツ・リア充グループ・ミーツ・小学生軍団の巻。
夏休みにキャンプに来ることになったいつもの面々(※ただし材木座は除く)です。しかも今回は葉山、三浦、海老名といったリア充たちと一緒に行動。
夏休みのキャンプには水着に花火に肝試しとイベント目白押し。さてさてどうなるか。
ストーリーに関してより、今回はいろいろ語りたいことが多すぎるので順番に。
今回のメインエピソードは、周囲から距離を置かれてしまっている、とある小学生の女の子をめぐって展開していきました。●雪ノ下の過去、現在
これに対して雪ノ下の過去や、現在の心境に触れられた場面も多く、これは意図的でしょう。
雪ノ下も本人もそうしている素振りがありましたが、かつての雪ノ下は、現在の鶴見ちゃん(小学生)と重なる部分がかなりある。
鶴見ちゃんを通じて見えてくるのは、雪ノ下の過去を明かすヒントなのです。
今回わかったことは、雪ノ下が昔に留学をしたこと。そして小学生の時には、現在の鶴見ちゃんと似た思いを抱えていたことなど。
今回、鶴見ちゃんが迎えたのはハッピーエンドではなかった。しかし完全なバッドエンドでもない。これから先にどうなっていくのか、あの子が決めていけることなんだから。少なくとも、まだ自分の意志で「選べる」ところに彼女はとどまっていられるんだろう。誰かのために手を差し伸べたのは、あの子自身なのだから。
八幡に「あなた、本当は誰のために解決したかったの?」と尋ねる雪ノ下はとても印象的で、がっつり鶴見に感情移入していたことが伺えますね。
「彼女が助けを求めたなら全力で応じる。けれど彼女がなにも求めないなら、何もしない」というスタンスは、鶴見がどんなアクションをするのか見守るのと同時に、なにか、彼女自身手を貸すのを少しだけ恐れているのでは?なんて邪推もしてしまう。普段の雪ノ下らしいポジショニングなんだけど、今回の件にはなんだか妄想たくましくしてしまうなぁ。
だって「あなた、本当は誰のために解決したかったの?」と尋ねた雪ノ下は、八幡がどんな答えをすると思っていたのかって、想像するだけで白飯三杯だぞお(新作ラノベの設定を完成させた材木座風) まぁ八幡がカッコいい答えをするなんて期待してなかったと思うので、念のためのの確認みたいなものか。それでも、雪ノ下は八幡の姿に間違いなくなにかを感じていたのだ。
2巻までほぼ鉄壁を誇った雪ノ下さんですが、ちゃくちゃくと八幡との絆を強めてきている感じがする。それは恋愛的なものよりもっと根源的な、人間同士のものというか。ネットでもちょくちょく見かける意見だけど、なにげに八幡にかなり依存しているんだよなぁ雪ノ下。3巻ほどでは無いにしろ、4巻でもチラチラとデレというか、ちゃんと心の柔らかい部分で接してくれている感じが見えています。
といっても、やはりメインヒロインとしては圧倒的にデレが足りない。まぁ、必要以上に求めるべきものでもないな、この作品で、この雪ノ下というキャラクターにおいては。
雪ノ下の過去と対応する形で判明したのが、葉山の過去。というか雪ノ下との繋がり。●葉山の過去、現在
これまでモブキャラ的に登場していた葉山が、本格的にメインキャラとしてのし上がってきたのがこの4巻です。実は雪ノ下と親同士の繋がりがあり、小学校が同じだったと判明。
つまり幼馴染キャラだったんですねー。でも一筋縄ではいかない想いを抱いている様子。
小学生たちの歪んだ、しかしありふれていて正しい人間関係。おかしなスクールカーストの成立は、今回のエピソードのキーワードとなっていた部分。
さて鶴見ちゃん周辺を解決させるか、これに主人公たちは挑みました。
結果を言えば方法は最低だったとは言え、実際に事態を動かしたのは八幡の案だった。
葉山の出したアイデアも悪くはない。でもきっと彼のものだったらこんな結果を出すことは出来なかった。彼は優しすぎて、優等生すぎて、そして人望もあるから。「持っていない人」のことなんて、所詮はきっとわからないんだろう。
明確には描かれていませんが、きっと雪ノ下も鶴見と同じく小学校で孤立していた、と予想。
留学という形で学校を離れた雪ノ下。あの性格だし、雪ノ下を気にかけている様子だし、小学生だった葉山もなんとか雪ノ下を助けようとしたはず。でもそれが叶わなかったんだろうな。
今回の鶴見ちゃんの件でも、彼は具体的に彼女を助ける案を出せなかった。その事実はきっと再び彼を苦しめる。そして今回鶴見ちゃん周辺の人間関係を一旦フラットにすることができた八幡には、一言では片付けられない感情を抱いていることだろう。もちろん賞賛、だけなわけがないんだ。
そこでやってくるのが本作のクライマックスでやってくるあの名台詞ってわけです。
「なぁ、もし、ヒキタニくんが俺と同じ小学校だったらどうなってたかな」
と投げかけ、そして自らが出した、この一言。
「比企谷君とは仲よくできなかっただろうな」
誰にでも人がいい葉山が垣間見せた、苦手意識。あるいはライバル意識か。
この一言にドキンとさせられた人は多いはず。インパクトの強いセリフでした。
そしてここで注目すべきは、「比企谷君」と八幡を呼んだこと。普段はヒキタニくんと呼んでおり、勘違いしたまま覚えているのだと思っていましたが…
葉山はわざと間違えていたんだ。そのことが意味する感情を想像しても、面白い。
さてここで、「仲良くできない」の意味とは、っていうところを。●Yの正体とは。
葉山が思い寄せる人物のイニシャルはYと判明。はたしてYとは一体誰のことなのか。
・・・なんて言っても、雪ノ下雪乃、でダブルYを誇るゆきのんさんだとは多分みんな思うだろうさと。あれだけ過去の因縁?をフィーチャーしてますしね。
だから今回かつての彼女と同じ境遇である鶴見を救った八幡に、葉山としては特別な感情を持ったことは想像に難くない。
とはいえちょっと待って欲しい。この作品、頭文字Yはたくさんいるぞ!
本命→雪ノ下雪乃
もしかして→由比ヶ浜結衣
まじかよ→三浦優美子
実は意外と→雪ノ下陽乃
海老名さん歓喜→材木座義輝
このYだらけの状況は・・・この展開を見越してキャラメイキングを・・・すごいぜわたりん!
モテまくりな葉山がひっそり恋焦がれる人物が誰かも、気になるところ。
ほか気になったところ。
やっぱりラストシーンですよ。こんな形で八幡、雪乃、結衣がつながるなんて!
昔、八幡にケガをさせたのが雪ノ下家のものならば、昔から八幡のことも知っていたのかな。
だとしたら今まで何気なく読んできた彼女のセリフにも、実は深い意味が隠されていたのかもしれない。ううむ、読みなおしておくべきか!
でも思ったのは、小学生たちの好意を今回主人公たちは裏切ってしまったことは辛い・・・。
鶴見ちゃんは八幡をちょっと信頼していましたが、あの致命的なイベントを起こしてからの鶴見ちゃんと接触がなく、彼女が今回の事件をどう感じたのかが気になりました。
でもまぁ、こうして距離をとることが、現実的か。
「悪い大人たちだった」って記憶されることも、悔しいが悪いことではない。悪者になったって、誰かにいい影響を与えられるなら、という意味で、なんかダークヒーローというか自分の評価を犠牲にした英雄性があったりしてこれはこれで好き。
他にもガハマさんはかわいいなぁとか、戸塚は本当にいいお嫁さんになるなぁとか、海老名さん急にキャラ濃くなってむっさかわいいじゃないのとか。
葉山がレギュラーメンバー入りして、恋愛的な面もリア充に苛立つ非リア奉仕部の苦悩的な面でも、これからがますます楽しみになってきましたよ!
しかし材木座さんリアルに出番なくてワロタ。まぁ、彼はこういうタイプのシリアスには向かなさそうだしねえ。でも要らない子扱いはやめたげてよお!
それと、やっぱりキャラクター同士の距離感の妙なリアルさも素敵だ。例えば普段仲良くやっているヤツが、街中で自分のしらない友人と楽しそうにしてるところ見て、なんとなく声をかけられなかったり。目があっても知らんぷりをしてしまったり。
自分にも経験があるなぜだか分からない思考・行動プロセスが繰り広げられ、なんかこう、ぞわぞわする・・・。この感覚もこの作品の面白さ。そのよそよそしい距離感が、いたい。
んで、ストーリーに関して簡単に言うと、素晴らしい。
テーマはスクールカースト。きっと多くの人がが体験したことがある差別感情を描いているだけあって、内容もヘビー。心のすごく深い部分をえぐってくる。でも納得させられる。
相変わらず主人公・八幡のキャラクターの面白さはピカイチで、彼がこの作品を強烈に魅力的に仕上げている張本人。ヒロインたちもかわいいが、この作品の見所は間違いなく、コイツだ。今回の話が面白かったのは、八幡がキレまくりだったからですよ。
醜悪で欺瞞だらけで、こんな理不尽な社会に対しての憤りが、彼なりに爆発している。
目を背けたくなるような真実と真っ向対峙し、舌戦を繰り広げるのが八幡という男。
今回もたっぷりと味わわせてくれた、彼お得意の「ぼっちの哲学」。その切れ味のよさと言ったら、もう。これが気持ちいいから本作を読んでるといっても過言じゃない。
捻くれている、けれどきっと誠実で切実な「ぼっちの哲学」がずらずらと並び、なんつーかもう他人ごとじゃない。
こういうのに共感するのはどれだけの人間だろうか。少なくとも、自分にはジャストミート。
毎回思うが、彼はひねくれているが、本当に尊いものを知っている。人の素晴らしさを知っている。敏いからこそ理想が高く、理想に届かない腐った現実に嫌気がさしているんだな。
さぁ今回も感想がクッソ長くなってしまった。読んでくれた人いるんかな。いなさそう。でも、これだけの長文を書きたくなるだけの魅力ある作品なんですよ。
ズクリザクリと言葉が、空気が、自意識が突き刺さって出来る、青春の甘い傷痕。
きっと誰もが逃れられない1つの理不尽に立ち向かう、珠玉の青春作品と言えます。
テンポよく読みやすい作品ですが、この爽やかに毒をきかせる感じ、クセになります。
もうほんっと大好きになってきました。八幡さん最高っす。今から5巻が待ちきれない!
なにやら色々ウワサされていますが、今後の展開にも期待大!イロイロと!
[小説]甘い青春には慣れない。『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』3巻
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。3 ドラマCD付限定特装版 (ガガガ文庫) (2011/11/18) 渡 航 商品詳細を見る |
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。3 (ガガガ文庫) (2011/11/18) 渡 航 商品詳細を見る |
私はこ二ヶ月をそれなりに気に入っているのよ。
「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」3巻が発売されています。タイトル長いので「はまち」とか「俺ガイル」とかって覚えるといいらしいです。
今回は通常版と、ドラマCD付きの特装版の二種類で発売。先に言っておくとドラマCDかなり出来いいのでファンは買うべき。キャラソンも付きで、ボリュームもすごいです。
当然自分も特装版を購入。こういう展開が起こるというのは、期待されていそうですね。
そんな感じでガガガちゃんの稼ぎ頭に成長しつつある「俺ガイル」第3巻感想ー。
→青春とは嘘であり、悪である。『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』
→優しい女の子は嫌いだ。 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』2巻
2巻のラスト、しんどかったですねー・・・。しかしこれだからこの作品やめられない。
甘いだけじゃないというところを見せつけましたが、そんなこんなで微妙にこじれてしまった八幡と結衣をどう修復するかというのが今回のメインテーマ。
ちょうど結衣の誕生日が近いということでこれに合わせてアクションを起こそうとする奉仕部ですが、孤高をきどって友達付き合いが極端に苦手な彼らにうまくできるのか・・・?
●しかし今回、主役は由比ヶ浜結衣とおもいきや雪乃なんですよね。
1巻のころは取り付く島もないといった感じの、ツンっていうかむしろ単純に主人公に興味ないだけなんじゃないだろうかこの娘はと思ったくらいのヒロインだったのですが、2巻3巻と来てだんだんと主人公との距離を縮めてきていますね。
結衣へのプレゼントを選ぶ時、エプロン姿を八幡にほめられて照れてしまうところとか。
どうしたんだ雪乃ー!そんな、そんなチョロいヒロインだったかお前はー!
とうろたえましたが、作中でも触れられていたとおり、ラブいフラグは立っていなさそう?
照れていたのは、気になる男の子に嬉しいことを言ってもらえたから、というよりは友達にそう言ってもらえたという喜びという意味が強いんじゃないかなと。
友達同士の付き合いに慣れていない雪乃だからこその赤面ではないでしょうか。
そう、雪乃に照れに「こいつ、もしや惚れてるんじゃないか」と勘違いしてしまうのは我々読者の悲しいサガ・・・!雪乃の、いやワタリンの手のひらの上で踊らされているんじゃないだろうか!あいさつしてもらえたからって勘違いしちゃうモテない中学生みたいな過ちを繰り返すのはやめるんだー!それは俺だー!
雪乃が本当に八幡に恋愛感情を抱いてるのかもしれませんが、2巻までの流れを考えるとやや流れが急すぎないかなと思うのです。ここはやはり、「友達」として意識しだした、が正解?
恋愛じゃなくても、彼らにとってその変化は非常に大きく大切なものです。
個人的にこの作品に求めるのはハーレムではなく、友達がいない同士がちゃんと真正面から友達になっていく様子なのでムリに解釈してしまってる部分はあるかもしれません。
ともあれ、4巻では気になる雪乃のバックボーンについて触れられそうで、今から楽しみ。
あと蛇足ですけどツインテ雪乃がかわいすぎる。
●また、結衣とのストーリーも見逃せません。
八幡と結衣は、とある事故の被害者同士で、実はつながりがあったことが明かされています。
結衣は未だに申し訳なさを覚えているようで、そのことに八幡は違和感を感じだと。
八幡自分に友達ができるはずもないって思っているから、由比ヶ浜が自分に親しくしてくれているのは単なる「同情」だからと捉えている。だってそうじゃなきゃ理解できない。彼は、友達になるということに理由を求めてしまう。そこが彼に友達がいない原因だろうなぁ。
本当に青春を尊く思うから、薄っぺらいニセモノの青春ごっこがイヤで仕方ない。
「青春潔癖症」とも言えるかもしれない彼は、たしかにむちゃくちゃ面倒くさい男ですが、だからこそ自分は大好きで。安っぽい青春に毒を吐き憎み続ける彼の姿勢は、ある種のカッコよさと潔さがあります。猜疑心まみれの理想家。
しかしそんな彼が、ちゃんと1つの答えと居場所を見つけたのがこの3巻。
気持ちいい興奮と、ラブコメとしてのニヤニヤが同居する、なかなかいいラストだったのでは。
結衣ってなかなか珍しいポジションですよね。
スクールカーストとしては八幡となんか付き合いがあるはずもない人物なのに。そこが彼女の不安定さで面白いキャラである理由なのですが、いずれこの不安定さが不和を運んできそうで怖くもあり。空気を読みすぎて不幸になりがちだというのは彼女の特徴。
あと、3巻は結衣と雪乃の友情が順調に育まれていることも強調されていて、とってもほっこりしてしまいました。雪乃に飛びついてじゃれつく結衣にほっぺた落ちる・・・。
●そんな「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」3巻でした。
メインとなる3人の関係が深まったことが印象的でしたね。
特に雪乃!心開きまくり新しい彼女の一面も見れました。
今回ヒロインに限って話を進めましたが、脱衣トランプらへんの材木座の叫びもアツかったですね!材木座はリアルにいそうなキャラでちょっと勘弁して欲しいくらいにイタい(見に覚えある言動がちらほら)のですが、好きなものを好きだと叫ぶ勇気は、とても大切。
ラブコメではありますが、根っこはなんだかちょっと違う気がする作品ですねえ。
4巻も楽しみに待ちたいと思います。人間関係の難しさと楽しさが味わえる。
●で、ここからドラマCDのお話。
このドラマCDがやたら出来がよくてビックリ。キャストもいいですしね。
値段を考えても、相当オトクな特装版だと思います。箱も丈夫です。
キャストは自分は不満もなく、かなり合っていると思います。さすがは作者も太鼓判のキャスト陣。八幡役の江口拓也さんは、彼のひねくれた感じがうまく出ててバッチリ。主人公が重要な作品なので、主人公の声があっていないと台無しの可能性もありましたが、これはかなり嬉しい。モノローグが多いですからね。
でも一番面白かったのは材木座役の檜山修之さんかなぁw
「ディバイディングドライバァァァー!」って叫ばせたいがためのキャスティングとしか思えませんが、他の所でも全体的にマッチしてて○。材木座のウザいテンションがすごくよく伝わって来ました。八幡と材木座のコンビはかなりお気に入り。檜山さんのこういう声ってこういうオタク男子と合うんだよなぁ。
小町役の悠木碧もよかった。かわいいのにどこか小憎たらしい感じ。
また、雪乃(早見沙織)と結衣(東山奈央)のデュエット・キャラソンもアリ。
ユーロビートサウンドでテンションの高い一曲!
クールな雪乃がノリノリで歌ってる様子が思い浮かんで笑ってしまうw
雪乃は平常時もっとトーンの低い声だと想像していましたが、案外愛嬌のある風でしたね。
結衣もバカっぽさが出てて満足。結衣はバカですからね。すぐいじけるし。かわいいな!
3巻が面白かったのは、このドラマCDの満足度の高さもかなり影響あるかと。
作品のファンならこのドラマCDを聞かないなんてもったいない!
シナリオそのものは文庫の方にボーナストラックとして収録されているのも親切。
無くならない内に買っておくことをお勧めしたい一品。
ここから完全に余談。
はがないこと「僕は友達が少ない」と同列に語られることが多い作品。
まぁ1巻のときオビに平坂先生が推奨コメント書いてましたし、「友達がいない」「残念」「部活」と共通点を探せばかなりあるんですけど、はがないと俺ガイルってかなり違うと思うんですよ。
はがないがリア充を目指すための作品。
俺ガイルがリア充をバカにする作品。
どちらが良いというわけではなく、スタンスが違う。読んでる時の居心地が違う。
まぁどっちにしたって「友達が少ないだとかぼっちだとかって自虐ってるのに友達と超仲よさげじゃないですかー!」ということは言えますが、俺ガイルは根本的に、なんだろう、もっと性格が悪そうというか、カッコつけていうとシニカル。
はがないがギャグとかである種の幼稚さを出しているに対して、この作品はもっと大人びた理由をつけて孤高を『気取ってる』作品だなと感じるのです。どっちにしたって残念だな。
でもこういう、卑屈な構えで青春を描く作品がたくさんあるのは面白いですね。
[小説]優しい女の子は嫌いだ。 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』2巻
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。2 (ガガガ文庫) (2011/07/20) 渡 航 商品詳細を見る |
だから、いつまでも、優しい女の子は嫌いだ。
たまにやるラノベ更新。
今日は「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている」略して「はまち」、通称「俺ガイル」2巻。
結構まえに発売されていたのに感想かいてませんでしたので、今回さらりとでも。
どうやら次の第3巻には、ドラマCD付きの限定版の発売も決定したそうで。
ブレイクの兆しがあるような・・・?ガガガちゃんがんばって!
最近よく「残念」を掲げた作品を見かけるようになったような気がします。
本作もその1つです。確かに残念なキャラクターが揃っています。
それぞれのキャラクターが迷惑だし、面倒くさいし、わりとストレスたまったりすら。
でもそれがこの作品の楽しさであり、キャラクターへの愛着もわきます。
そしてこいつら、わりと本当に本気でダメで残念です。コメディとしても流して楽しむことが出来ないくらい、深刻にこじれていたりして。
迷惑で残念でまちがっている。だから、思い通りにいかない。
この巻のラスト、結衣との関係は近づいたようにみせかけて、最後は切なくケンカさせて終わらせたりします。なんでそうなるの・・・と思っても、それがこの作品らしくもある。
本作に最も特徴的なのが、これっぽっちも恋愛的になびかないヒロインと、無駄に頭いいのに加えて捻くれすぎて友人づきあいを上手くやっていくつもりが毛頭なさそうな主人公。
特にこの主人公が特徴的で、この作品の魅力の大部分を担っています。
最近のラノベらしいフォーマットにのかってはいても、真髄は明らかにズレてる。
心地よく冷めた空気をちゃんと纏ってくれているのが好きなところでもあります。
ちゃんとぼっちとしての理論に力強く筋がとおっているというか、プライドを持って孤独を演じているというか。
でも本当にテンポよく、マシンガンのようにギャグやパロネタを仕込んできているのも良いですよね。だから基本的には本当に明るい様子なのです。けれどふと影が差す。
その切り替えと、2種類の空気のまじりあい方が絶妙かなと。
青春のダメな部分を変に誇示はせず、けれど美しいものとして描くこともない。
等身大に、どこか「まちがっている」青春ラブコメ。タイトル通り。
2巻でメインストーリーにあった動きと言えば、八幡と結衣の関係の進展?でしょうか。
2人を繋ぐ思い出が共有になったものの、それが良い方向に転がるとは限らず・・・。
結衣ちゃんの、ビッチ風なのに乙女で一途なとことか、すんごいかわいいですんですが!
上にもちらっと書きましたけど、この巻のラストは胸がいたいってばよ・・・。
また、雪乃の家庭事情の謎が表面化してきたというところも気になります。
というか雪乃は、なんてなびかないヒロインだ!とニヤニヤしているんですが、むしろヒロイン分は結衣ちゃんが全部引き受けていて、彼女はもう1人の主人公ポジションでもあるのかなと。
本格的に主人公の妹・小町ちゃんも絡んできているのも目新しい点であり、今後物語を動かすのに役割を果たすパワーと持ったキャラクターになっている気がします。楽しみです。
ほかにもゲストキャラも増えてきて、より賑やかになってきた印象の第2巻。
主人公やヒロイン2人の新しい表情も見えてきたように感じました。
この調子で3巻以降も進んでいって欲しいですね。
[小説]青春とは嘘であり、悪である。『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』
レポートでぐでぐでにされてます。はやく片づけたい。
ああ、知ってるよ。嘘つきは、俺とあいつらだけだから。
珍しくラノベでの更新。たまには漫画以外の更新を挟んでいきたいかなあと。
今日はガガガ文庫から発売された「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」です。
オビには話題作「僕は友達が少ない」の平坂読先生がコメントを寄せています。
レーベルは違いますが、タイトルからひねくれて自虐を含んだ感じは似たものを感じます。
では、感想などを。
開始1ページ目にして色々論理的なことを述べては結論は「リア充爆発しろ」というひねくれたナイスレポートを提出してみせた主人公・八幡。
青春をバカにする面倒くさい彼に業を煮やした生活指導の教師・平塚は奉仕活動を命じられるのですが・・・そのまま「奉仕部」というあやしいもの入部をさせられてしまいました。
その奉仕部には学校でウワサの美少女もいたのですが・・・彼女の性格がまー悪い悪い。
彼らだけではなく、その「奉仕部」にはぞくぞくと周囲からちょっとずつズレてしまった個性的なメンバーが集まりだして・・・思いがけず、ちょっとだけ、青春のような日々が始まるのでした。
流行のテンプレ展開と言えば、そうなのかも知れません。
主人公のキャラクターは面白いですが、ダメ人間たちが集まって「青春」にまつわる部活動をこなしていく流れとか、それほど長くはない小話をいくつも積み重ねていく進行とか、最近こういうのよく読みますなぁという感じで。
革新的な作品であるかと聞かれれば、ちょっとは頷くことはできないかなと。
でもそれが別に悪いわけではなく、まぁこうして取り上げてるわけでわりと結構、いや凄く気に入ってる作品です。うまーくこの作品なりの色を出してくれていると思います。
パロディネタが豊富なのもよくわるかも知れませんが、自分は好きですね。
先生が繰り出すだいぶ古いパロディネタが特に。
それと文章のテンポが自分にとてもなじんでくれたようで、大変読みやすかったです。
主人公がだいぶ変わったヤツなのに、そいつの一人称で進行する作品になっているので、もしかしたら肌に合わない人もいるかもしれません。
しかし捻くれた主人公の1人称だからこその終盤も盛り上がりだったのかなとも思います。
恋愛的な盛り上がりをピークにはせず、「反・青春を掲げるひねくれ物たちによる反撃」という動きを魅力的に魅せ、あくまでもその活躍を第1巻の最高潮とする構成がとても良かったです。この作品らしさをガツンを打ちだした終盤。
もちろんラブコメ的なシーンもちらりほらり。そこも欠かしてないのも嬉しいですね。笑顔。
恋愛要素はそれほど目立ちませんでしたが、芽吹いてはいるようで。期待!
雪ノ下さんはトゲトゲしててかわいいですなあ。
青春に憧れてるからこそ、紛い物みたいな生ぬるい青春に浸ることを善しとすることを許したくない。主人公の八幡はそんなことを無意識的にでも思っているのではないかなと。
華々しくなくていい、他人に認められなくてもいい。自己満足で構わない。でもこれが俺の青春なんだよと、そう言いたいだけなのに上手く出来ず、蓄積されたモヤモヤも発散出来ない。そんな男子高校生に思えます。
駄目なようで、捻くれているようで、歪んでいるようで、純粋さを失っていないからこその意地があって、それを必死に通そうとしているのが彼なのかも。それでもやっぱり面倒くさい男なんですけども! でもこの主人公にはすごくいいものを見せてもらった気がします。
いい作品でしたね。2巻も今から楽しみです。
と思ったら今月20日に発売とかもうすぐじゃないですかー!早く読みたい!
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (ガガガ文庫) (2011/03/18) 渡 航 商品詳細を見る |
ああ、知ってるよ。嘘つきは、俺とあいつらだけだから。
珍しくラノベでの更新。たまには漫画以外の更新を挟んでいきたいかなあと。
今日はガガガ文庫から発売された「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」です。
オビには話題作「僕は友達が少ない」の平坂読先生がコメントを寄せています。
レーベルは違いますが、タイトルからひねくれて自虐を含んだ感じは似たものを感じます。
では、感想などを。
開始1ページ目にして色々論理的なことを述べては結論は「リア充爆発しろ」というひねくれたナイスレポートを提出してみせた主人公・八幡。
青春をバカにする面倒くさい彼に業を煮やした生活指導の教師・平塚は奉仕活動を命じられるのですが・・・そのまま「奉仕部」というあやしいもの入部をさせられてしまいました。
その奉仕部には学校でウワサの美少女もいたのですが・・・彼女の性格がまー悪い悪い。
彼らだけではなく、その「奉仕部」にはぞくぞくと周囲からちょっとずつズレてしまった個性的なメンバーが集まりだして・・・思いがけず、ちょっとだけ、青春のような日々が始まるのでした。
流行のテンプレ展開と言えば、そうなのかも知れません。
主人公のキャラクターは面白いですが、ダメ人間たちが集まって「青春」にまつわる部活動をこなしていく流れとか、それほど長くはない小話をいくつも積み重ねていく進行とか、最近こういうのよく読みますなぁという感じで。
革新的な作品であるかと聞かれれば、ちょっとは頷くことはできないかなと。
でもそれが別に悪いわけではなく、まぁこうして取り上げてるわけでわりと結構、いや凄く気に入ってる作品です。うまーくこの作品なりの色を出してくれていると思います。
パロディネタが豊富なのもよくわるかも知れませんが、自分は好きですね。
先生が繰り出すだいぶ古いパロディネタが特に。
それと文章のテンポが自分にとてもなじんでくれたようで、大変読みやすかったです。
主人公がだいぶ変わったヤツなのに、そいつの一人称で進行する作品になっているので、もしかしたら肌に合わない人もいるかもしれません。
しかし捻くれた主人公の1人称だからこその終盤も盛り上がりだったのかなとも思います。
恋愛的な盛り上がりをピークにはせず、「反・青春を掲げるひねくれ物たちによる反撃」という動きを魅力的に魅せ、あくまでもその活躍を第1巻の最高潮とする構成がとても良かったです。この作品らしさをガツンを打ちだした終盤。
もちろんラブコメ的なシーンもちらりほらり。そこも欠かしてないのも嬉しいですね。笑顔。
恋愛要素はそれほど目立ちませんでしたが、芽吹いてはいるようで。期待!
雪ノ下さんはトゲトゲしててかわいいですなあ。
青春に憧れてるからこそ、紛い物みたいな生ぬるい青春に浸ることを善しとすることを許したくない。主人公の八幡はそんなことを無意識的にでも思っているのではないかなと。
華々しくなくていい、他人に認められなくてもいい。自己満足で構わない。でもこれが俺の青春なんだよと、そう言いたいだけなのに上手く出来ず、蓄積されたモヤモヤも発散出来ない。そんな男子高校生に思えます。
駄目なようで、捻くれているようで、歪んでいるようで、純粋さを失っていないからこその意地があって、それを必死に通そうとしているのが彼なのかも。それでもやっぱり面倒くさい男なんですけども! でもこの主人公にはすごくいいものを見せてもらった気がします。
いい作品でしたね。2巻も今から楽しみです。
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