[本]言葉はなくても繋がるわっか、伝わる想い。 『森田さんは無口』3巻
森田さんは無口【通常版】 3巻 (バンブーコミックス) (2011/02/26) 佐野 妙 商品詳細を見る |
千の言葉より無言の笑み
祝アニメ化!→公式HP
好きな作品がこうして映像化されるというのは、何度合っても嬉しいものですね。
3月25日のOVA発売に先駆けこの3巻では、アニメDVDやら描き下ろし小冊子やら別イラストカバー等が付いてくる豪華な仕様の限定版も同時発売しております。
しかしこの記事は通常版での更新です。つまり、ええ、限定版買い逃しました・・・!
そんな前置きは良いとして、では3巻の感想へ行きたいと思います。
と言ってもストーリーなんてあってないような日常系4コマであるこの作品。
今回もまったりと学園生活を送る森田さんたちにニヤニヤしてしまうのでした。
ちょっとえっちな話もしたくなるお年頃!
森田さんの新しい表情が見れて嬉しくなってしまいますねぇ。
また、今回も彼女にセクハラ的いじりをしまくるいとこのおねえさんも登場。
意外と自分のことには気が回らない森田さんなので、今回も結構遊ばれてしまいますw
でも第38話ではそんなおねえさんの「大人」な一面が垣間見れたり。
遊び心いっぱいな人ですが、きちんと切り替えができる仕事人。カッコいいですねぇ。
大人と言えば、自分が何気に好きなのが森田さんのご両親。
ラブラブしてると思いきや、すぐ父は浮気をして、それをあの手この手で責めまくる母。でもなんだかんだで上手く行ってるような不思議な御夫婦。
いざこざはしばしば起きても、2人は妙な信頼関係で結ばれているようで。
きっとお父さんも、本気で心揺るがされて浮気をしたケースは無いんじゃないかなと。
そしてそれをなんとなく悟っていて、でもされた浮気に納得はできない母、みたいな。
2人とも、本当に大切な人は誰なのか、大切なものは何なのか、分かっています。
そんな中での3巻のラストシーン。兄に「幸せか?」と尋ねられた森田母・由美さん。
けれど質問の答えを、あえて言葉にしない。今ある自分が、その答えなのだから。
森田(由美)さんは無口。親子揃って表情で想いを伝える女性たちでした。
見た目不安定でも、心の底ではしっかり繋がりあっている盤石の御夫婦ですねぇ。
森田父の、大人としての気遣いにもニヤリ。それを分かっている母にもニヤリ。
では森田さんの話へ。
「喋らない」ことが彼女の大きな特徴なんですが、それで影が薄いわけではなく
本人は無意識でも、彼女の人柄の良さが周囲に影響を与えていっています。
もの言わずとも行動で示す、ある意味とても素直な女の子なんですよね。
3巻で彼女が発した言葉は「な」とか「あ」とかそれくらいなんですがw
一貫している、主人公として異例なくらいなこの言葉数の少なさは、森田さんのキャラがよく表れています。これでちゃんと漫画として成立して、しかも面白いのがなんだか不思議。
それは周囲の人間がきちんと森田さんを盛りたててくれているからでしょうか(洒落ではない)。
色んな人と繋がりあっているからこそ、物静かな彼女が際立つというか。
1巻2巻とこれまでが森田さんの1人で表紙だったのに対して、今回は初めて4人揃って表紙を飾っていることも少し関係しているのかも知れませんが、これまで以上に登場人物たちが“通じ合っている”感じが出ていたなと思います。
この作品の主人公は森田さんではなく、この4人全員なんだなと。
大体どの話にもちゃんと4人ともが活躍をしますし、各キャラ掘り下げられてますしね。
千尋は程よく軽い(軽過ぎないのがポイント)今時の女の子っぽさが全面に出てて可愛い。
美樹もギャルっぽいんだけど、きちんと気配りができて凄くいい娘・・・!恋愛面が失敗続きでも全然めげていないしたたかさも面白いですw
最も森田さんと一緒にいる女の子で、2人の固い友情にもグッと胸熱くさせられるのです。
そして花ちゃんの家庭に笑顔が戻ることはあるのか・・・!気になるところですね(泣
ではまとめ。言いたいことは上で結構言ったので短めに。
ゆる~い空気で非常に安定している作品です。しんみりしたり心温まったり。
決して過激な作品ではありませんが、じっくりと女の子たちの時間を楽しめます。
ほんのり百合を感じさせつつも、とても健全。ストレートな女子高生4コマ。
笑いが得られる作品とはちょっと言いづらいですが、十分魅力的な作品です。
日常でたまに感じるかも知れない、普遍的でちょっとした感覚を拾い上げたネタもいくつか。
3巻冒頭カラーページの罪悪感で顔を赤くする森田さんとかね。痛い痛い。可愛い。
これからもまったりとした時間を届けて欲しい、優しい作品です。
『森田さんは無口』3巻 ・・・・・・・・・★★★☆
喋らないけど凄く分かりやすい女の子・森田さん。温かなムードが嬉しい作品。
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