[本]始まったばかりの物語たち。初めてのキラメキを堪能しよう。 『はつきあい』1巻
はつきあい 1 (ガンガンコミックスJOKER) (2010/08/21) カザマ アヤミ 商品詳細を見る |
彼女ができました。
ネット上の名だたるラブコメ戦士たちが次々この作品に陥落していると聞き
遅まきながら自分も「はつきあい」1巻を読み終えた次第。
はじめての交際"はつきあい"を描いた恋愛オムニバス作品です。
コンセプトがまず素敵ですが、内容もこれまた極上なものでした。
どんなもんぞやと読みだしたら1分後にはニヤニヤしていたでござるの巻。
ノリで「付き合おうぜ!」って言ったらOKされちゃったお話。前後編構成。ユルライン
なんだこのガキと最初は思いましたが、この男の子も可愛から許す。
初めての彼女と、やりたいこと一杯なキラキラ感が眩しい・・・!
けど電話で話をしようと思ったら、予想外に緊張して焦っちゃって・・・。
けどそれで口を閉ざしてしまうタイプでもないので、ちょっと軽口なんか叩いてみる。
「付き合ってるんだから、愛をささやくとかやってみよう?」とか言っちゃうのです。
全然平気だと思ってたんですよ、彼は。
お互い好き合ってるのだから、いまさら愛の囁きなんて、サプライズでも何でもないと。
そんなふうに高をくくっておりました。
女の子を、ナメていました。
瞬殺。
自分から言い出したこのなのに、見事な返り打ちw
そして自身の破壊力の無自覚な彼女、由香ちゃんの天然な魔性もニヤリ。
思えばここからだと思いますよ、彼の「恋」が始まったのは。
好きだ好きだとはしゃぐだけの彼は居なくなったのです。
後編ではすっかり勢いを失い、大人しくギクシャクしてくれていますw
で、後編ですよ。
この話、前編は男の子・後編は女の子に悶える構成になっているように思います。
というわけで、いよいよヒロインの由香ちゃん大活躍。
初めてやってきた彼女の部屋に、すっかり緊張している和馬くん。
どきどきもじもじしているだけじゃ話も続かず・・・ちょうど焦りだした頃に
由香ちゃんが糸電話を作って和馬に手渡します。
ちょっと離れて、コップに耳を当てて、ふしぎな声の響きを楽しむ2人。
しかしこれは、上手く想いを伝えられない由香ちゃんの作戦でもあったのです。
ここから先でもうどうしようもない顔面崩壊に襲われるので注意ですね。
(クリック拡大)
ちょおおおおおおおおおおおいい
・・・もうやめて。
この「へろ・・・」がですね。なんかもう鷲掴みですよね。ね。
ボキャブラリーが貧困な俺は叫ぶ以外にこの作品の素晴らしさを伝えられません。
どうしろというんでしょうね。もう勘弁して下さい。永遠に眠りたい気分です。
このお話は前後編どちらともが、「声」に焦点を当ててるのも好き。
電話にしろ糸電話にしろ、直接的ではないメッセージ。
相手の顔が見えない、いや、だからこそ、っていうこのシチュエーション。たまらない。
加えて前篇と後編で、和馬くんの対応が違うのも、最大級のニヤニヤポイント。
黙りこくって、何もできなくなってしまった前篇と、
届いた「声」にすぐさま反応して行動に移した後編。
まぁ届いた言葉の重みや深みがやや異なるとは言え
ここの違いには、やはり和馬くんの彼氏力UPを実感。それでこそ男の子!
付き合いだして3日目、初めての2人きりの下校時間。雪の日の手のひら
この単行本、短編だからという理由もあるでしょうが
毎話決められたシチュをしっかり描いており、メインとなるシーンに向けて的確な盛り上がり方をしてくれるので、状況・環境がとても分かりやすいのもなんだか良い。複雑な人間関係も、時間推移も全然ない。
この「雪の日の手のひら」は、言ってしまえば初めて手をつないだよ!ってだけなのです。
その一点集中の構えがばっちり気持ちよくハマってくれてる。
手を繋いだだけなんですよ。
でも、2人にとっては、付き合いだしたばかりの2人には、そりゃもう大事件なのです。
この、初期衝動の炸裂だけを味わわせられる感じ!やっばい!
このお話は後半が大好きです。手をつないでからの、あの沈黙。
このまま手を離すまで、2人はひとっことも話をしません。
ただ、相手の手のひらの感じて、一緒に歩くだけ。
雪が降っても、冷たい空気にさらされても
2人は湯気が出るくらい顔を熱くして歩いていくのです。
はーあっ!
まさかの坊主ヒロイン!上諏訪
間違えました、いや、あながち間違いでもない。男の子かわいすぎだろ!!
この話は、いわゆるドラマティックな展開はありません。
しかしサイレントシーンや風景描写を多く入れてることからも分かりますが
非常に感覚的というか、雰囲気を重要視したお話だなぁと。
2人でのほほ~んと足湯につかってる絵とか、もう俺の心も頬もゆるゆるです。
ひたすらに、穏やかな空気に浸れる。
この作品を読んでるその時間までも極上だと感じられてしまうような。
それとこの話は女性人気が高いようで、なんとなく納得。
坊主くん可愛いし、ちょっとだけ女の子の方が主導権握ってる感じも微笑ましいw
加えて「エロい」じゃなくて「色っぽい」でもないような
少女のあどけなさが醸し出す、ちょっとインモラルな感じも好きだったり。
靴下脱いでるカット、絶対狙ってるでしょうあれw
他の人が知らない一面を知れるのも、恋人というものかも知れないですね。シークレットハニハニデイト
そんなわけで、秘密の関係な2人が主人公です。
わりと素で男の子が変態っぽいのも面白いですね!
もーとにかく彼女の部屋でイチャつくだけで3/4を終えてしまってる、
なんとも色々と正直ものな作品だなぁと思うわけですが
やっぱり自分はこういう激甘なシチュもたまらんですね!
そしてオチでなんとなく予想を裏切られるのも、また気持ちいい。
だからこそ、そのオチを踏まえて読む2度目にこそ真価を発揮するエピソード。
2人きりでこんなにベタベタ甘えられたら、男ならどうかなりそうですが
すかさず彼女の寝顔を撮り満足気なこの彼氏さんは実に少年誌的紳士。
この1巻では唯一?、浮き沈み激しい展開があるお話。限定彼女
「冬の日の手のひら」のペアが再登場し、彼らとダブルデートすることになった主人公。
なりゆきで一日限定彼女をゲットした橋本くんですが
しかしお相手はクールビューティ谷川さん。すんなりと彼氏気分が味わえるわけではなく・・・?
相手を大切にしたい気持ちもあって、でもすんなり諦められるほど出来た人間でもなくて
結局はやや暴走気味に走りだしてしまう主人公・橋本君。
こちらの純粋な気持ちが、相手が傷つけてしまうかもしれない。
力技が通用しない、人と人の、心と心のやりとりだけに、難しいよなぁ。
けれど努力は、振り絞った勇気は、やっぱり報われるべきなんだ。
ああくっそ!かわいすぎるわ谷川さんよぉ!!もうううひゃああああ!
そんな感じで、綺麗に落ち着いて欲しいところに落ち着いてくれた作品でした。
元気な男の子が頑張るってのは、何度も言ってる気がしますが自分のツボど真ん中。
あと、七草ちゃんはいいキャラだなぁw勢い良い女の子も大好き!
いつもはこんな調子なのに初めてを手をつないだ時は・・・と
そういうリンク個所もあって、また読み返してまたニヤニヤしてはまたゴロゴロ悶えると。
なんなのこの漫画・・・抜け出せない・・・。
うだうだ書いてたら随分長くなってしまいました、そろそろ〆。
通常ラブコメというのは、好き合ったり付き合ったりする前の期間が
その内容の大部分が占めるものだと自分は思っているのですが
この作品はそもそもその過程をすっ飛ばし、スタートラインから2人はがっしり結びついてます。
そして「はつきあい」のタイトル通り、初々しい2人の空気感が眩しすぎて甘すぎて・・・!
終わりを予感させない、ずっと続く幸せな時間を思わせてくれるのが嬉しいなぁ。
この作品、短編ばかりで再読しやすい構成なのも良いですね。
そしてページを開いてすぐ幸せな気分に浸れる・・・・・・500円で俺は何度幸福感を味わったんでしょうか。なんだか最近健康な気がするんです。これがはつきあいセラピーか。
・・・ちょっと冗談も入りましたが、本当にいい作品だと思います。心底。
恋する少年少女が詰まりまくった、素敵過ぎる1冊。
ガッチリと心つかまれました。これはオススメです。ラブい漫画が好きな方は男女問わず買い。
そして大きくまとめると、この一言に尽きますね。
リア充爆発しろ。
『はつきあい』1巻 ・・・・・・・・・★★★★☆
恋愛初期衝動を脳みそいっぱい楽しめる、最高に甘いシリーズ第一巻。2巻は即買い確定。
Comment
コメントの投稿
Track Back
TB URL