[漫画]2014年面白かった漫画BEST35
お久しぶりです。ぜんっぜん漫画関係の更新ができてない!!すみません!
今日は今更、2014年の漫画私的BEST記事です。
もう2015年にはいって結構経ってしまってますが・・・去年の漫画についていちおうまとめた記事を作っておきたかったので…。通常更新があまりできなてなかったぶんも。
BEST30のつもりで書いてたらいつのまにか35作になってたので半端なBEST35となってます。ならもうちょい頑張ってBEST50にすりゃよかったんですけどね!
35.星の子/羽柴麻央
光をたどるように、フィルムを逆再生するように進む、命のドラマ。母と子の絆を描いた物語。表題作がとにかく好きで、読んでいた時期が個人的になんかもう、行き詰まってたタイミングだったので、これを読んでぼろぼろ泣きました。普遍的テーマを扱った作品だとは思いますが、ここまで自分に突き刺さったのも自分のことながら不思議に思ったりする。ただ、問答無用に涙腺を決壊させられた。
同時収録の読み切りも、切ない余韻がきもちよく心にのこる、素敵なセンチメンタルストーリー。やっぱり羽柴麻央先生は短編漫画の名手だ!
34.月に吠えらんねぇ/清家 雪子
カオス文学マンガ。実在の詩人ではなく、その作品のイメージから新たに作り上げられたキャラクターとして詩人が登場する。萩原朔太郎や北原白秋や正岡子規や室生犀星や・・・といった面々が暮らす異世界を描いた漫画。なんかもう、全然うまく説明できないんだけども、すごいカオスなのだ。世界は変わる、時代も切り替わる、突然詩の中に迷い込む。作品の内側も外側もすべて、空想の不確定な領域でふわふわ漂っている。1巻はまだまだ世界観が生きていなかったけれど、2巻からの盛り上がりと混迷っぷりは読んでいると脳みそがずいぶんと敏感になる。キャラクターはかなり漫画チックに味付けされているので、むちゃくちゃな展開をしているのに不思議と読みやすくて良いな。
いろんな詩人の詩が作中挿入される効果でさらにどっぷりとコトバの世界にひたれる。混迷極める文学ファンタジー。
33.おしえて! ギャル子ちゃん/鈴木 健也
俺の中で燦々と輝く傑作「蝋燭姫」を描いた鈴木健也先生が、意外な作品でブレイクしてくれたなと面白い気持ちでいます。ネットで話題となり、コミックスも売れ行き好調という「ギャル子ちゃん」。女の子への素朴な疑問を解き明かしていく構成で進むので、オヤジっぽいスケベ心を満たしてくれるのです。けれどエロいとか下品とかあまり感じないのは、ギャル子ちゃん含めキャラクターの不思議な清涼感のおかげかな。
ぎっしりつまった楽しいコミックス。ながく続いてくれることを期待しています。
32.アナーキー・イン・ザ・JK/位置原光Z
ついに投下された位置原光Z先生の商業単行本!コミティアキッズ的にはマストな一冊と言える。下ネタ多めな会話劇を繰り広げる女子高生コメディ…なんだけれども、なんの説明もツッコミもなしに単眼娘がレギュラーにいたりして、独特のテンポと空気感にやみつき。「ぎじんかかっぷる!」「小悪魔淫魔サキュバスちゃん♥」あたりの甘々な男女関係なんかは脳内麻薬分泌されまくりでしたね。なんでこんなに位置原先生の描く女の子はかわいらしいのか!
31.僕のヒーローアカデミア/堀越 耕平
個性豊かなキャラクター、作画のタッチの使い分けと純粋にアツいストーリーで漫画的快感も強烈!ストレートな少年漫画。弱虫少年の成長物語であることと、成長物語に必要な「努力する姿の説得力」、そして「少年の背中を押す、戦うための理由」、こういった部分の作りが上手いから、読んでて素直に主人公を応援したい作品になっているのかなと思います。読んでいて、突っ走っているようでかなり頑丈に慎重に練り上げていると感じるんですよね。泥臭さとキャッチーさが見事に噛み合ってる。キャラデザもとんがってて面白い。死柄木弔のデザインは天才的だと思う。早くも人気爆発中なのも頷けるおもしろさだ。
30.冗談だよ、バカだな/岸 虎次郎
岸虎次郎先生の短篇集。エロティックでインモラルで、ときめきに満ちた物語が詰まっています。描かれていることはエロ漫画テイストなのに、雰囲気と絵のタッチで読み心地をまるで変えてくる。美しくて切なくて、胸をドキドキ高鳴らせる。
しなやかな肉体、溢れ出る激情、抑えられらない好奇心―――少年少女たちの隠された青春の1ページは、リアルな感触を残しつつも幻想的ですらある。個人的には放尿百合漫画「葦原」が至高でした。
高揚と感傷が一度に押し寄せる、魅惑の夕暮れ。
29.フラジャイル 病理医岸京一郎の所見/草水敏・恵三朗
病理医というなかなかスポットライトのあたらないポジションにあえて着目した医療漫画であり、「病」をめぐる人間ドラマとしての面白さも抜群な新作。病院という組織の中で戦う主人公たちの姿は新鮮に楽しめるし、人の命を預かる重みをずっしりと感じるストーリーも、「表情」で魅せる迫力ある展開もグイグイ引き込まれる。アフタヌーンの近年の新作でもイチオシ。
28.恋のシャレード/ルネッサンス吉田
死ぬってなんだろう。怖いな。高3女子と予備校教師の歳の差恋愛を描いた作品。喪失感と色気と乾きが絶妙にブレンドされた空気感が好きな感じ。ふんわりとリリカルで、人が思う「寂しさ」の感触をゆっくりと読み手に与えてくれる。「恋のまね事に過ぎない」と言いながらもロマンティックシチュエーションが炸裂するクライマックスもお気にいりです。(あと小ネタ程度ではあるけれど、各話タイトルの邦楽曲名のチョイスがにくい)
27.ブレイクブレイド/吉永 裕ノ介
大いに盛り上がった、というわけではないにしろ、練り上げられてきたドラマがいままさにうねりを増し、見逃せない展開に入ってきている。安定して超面白いっていう反則みたいなやつな!かつての幼馴染同士が命を奪い合うひりつくような緊迫感と切なさを内包しつつ、戦争はさらに白熱していく。安定した面白さを見せつけてくれている異世界ファンタジー戦記。連載ペースがやや不安ではあるものの、着実に盛り上がる展開を積み重ねる。
26.蒼き鋼のアルペジオ /Ark Performance
アニメ化以降メディアミックスでも盛り上がっている作品ですが、原作の盛り上がりも最高潮だったと言える(掲載ペースはいろんな仕事が舞い込んできた影響かわりとガタガタではあったけれど)。個人的にはもうアシガラちゃんが!アシガラちゃんがかわいすぎて!!おてんば生意気お嬢様ってキャラクターと、それに振り回される姉妹たちに愛が止まらなくなりました。ドリフターズに次ぐ今のアワーズの柱と言えます。
25.フラグタイム/さと
さと先生の新機軸、百合漫画。時間を少しだけ止めることができる主人公と、ただ一人その秘密を知る少女。ふんわりとした優しいタッチで、ビシバシと感情を迸らせぶつけあう少女たちのドラマティックなストーリーを綴っています。1巻はまぁまぁくらいの感想でしたが2巻の出来栄えは素晴らしかった!悪戯心とピュアな想いが交差する、ビタースイートガールズラブ。思春期少女はめまぐるしいんだ。
24.夜をとめないで/ハルミチヒロ
アンソロジー雑誌「楽園」にて掲載されたものを収録した短編集。エロ方面でも活躍する作家さんですが、著作で特徴的に思うのがいじらしい女心の描写の巧みさ。そして感傷を抉りだすストーリーの面白さ。本作はハルミチヒロ先生のそういった部分を最大限に表した作品集であり、「これが読みたかったんだー!」と叫びたくなるような出来栄え。芸がない書き方になるけれど本当にどれをとっても素晴らしい短編が詰まっている……。仄暗いものもあれば明るくハッピーな恋もあり、しかし切り裂かれるような胸の痛みを伴う、切ない愛の物語がある!恋愛漫画が好きでよく読む人ならば、きっと充実感たっぷりに味わえるはず。至福!
23.ボールルームへようこそ/竹内 友
競技としてのダンスの世界を描く熱血少年漫画は、今年も絶好調でした。大会も終わって華々しい展開ではないのに、とにかく引き込まれる。主人公の成長と次なる課題、寄せられる期待と燃える闘志。次のフェイズへの移行期間でここまでワクワクさせられるのは凄い。心臓が着火するように、興奮で手足も震えてくるぞ!
登場した新ヒロインもめっちゃくちゃかわいいし、相変わらず高レベル安定の漫画だなぁ。そして今年はもっと面白くなってくれる予感がビシビシ来てる。
22.LES MISERABLE/新井 隆広・ヴィクトルユーゴー・豊島 与志雄
タイトルだけ知っていて実はどんな作品か知らなかった「レ・ミゼラブル」。そのコミカライズが本作ですが、見事なクオリティです。原作を知らないのでどうアレンジが加えられているかとかは分かりませんが、力強く物語に引きこんでくれる、骨太な新井先生の作画が魅力的すぎる。ここまで感情が溢れ出る表情を描いてくれるかと!ストーリーは悲劇的な要素が強いですが、少年漫画的に胸をあつくさせてくれる展開もばっちり。「人間賛歌」の謳い文句も頷ける大ボリュームの大河。
自分のように「レ・ミゼラブル」をあまり知らないっていう人にもオススメしたい、読み応え抜群の連載作です。
21.カザマアヤミ/恋愛3次元デビュー ~30歳オタク漫画家、結婚への道。~
赤裸々すぎるでしょ…!!!初々しいラブコメの名手カザマアヤミ先生が、同じく漫画の紺野あずれ先生と出会い結婚に至るまでを描いた恋愛エッセイ漫画。不器用というか、だいぶ世間ずれした著者がいかに恋愛をしたのか、単純に読み物として面白い。ツッコミどころ満載で笑えるししかもどんどん作家さんのことが好きになるw しかもこのおふたりの作品をすでに知っているなら、さらに楽しく読めること間違いなし!萌えキャラすぎでしょカザマアヤミ先生。この気持ちを!どこにぶつければいいの!!
ちょうどこれ書いてたら流れてきたバレンタインネタ。見てるこっちまで幸せじゃー。
20.運命の女の子/ヤマシタ トモコ
3つの作品を収録した短篇集。個人的にヤマシタトモコ先生の漫画を最も美味しく頂けるのは短編漫画(24P~40Pくらいの)と思っていて、短篇集が大好物。収められた3作はどれも味わいが違っており、バランスのいい一冊となっています。淡々と不気味なリズムで展開される静かなサスペンスホラー「無敵」、届かない想いを軸に少年少女の青春を描いたセンチメンタルなラブストーリー「きみはスター」が甲乙つけがたく好き。あと装丁もいい。紙の本ならではだ!
19.バガタウェイ/古日向 いろは
主人公のチームはもちろんだけど、読んでいて相手側のチームに感情移入を激しくしてしまい、恐ろしいほど心揺さぶられるここ最近のバガタウェイ。メンバーそれぞれの熱い想いがフィールドで絡まりぶつかり合う、チームスポーツ漫画の醍醐味を楽しませてくれました。大野城が好きだったんだけど11巻の小倉中央ヤバすぎたでしょ、泣くでしょ。いよいよ次は決勝戦。終わりが見えてきたのかもしれない。
18.幸福はアイスクリームみたいに溶けやすい/黒谷 知也
IKKIの新人作家による短篇集。どの作品もさわやかなタッチで、寂しさや悲しみや美しい思い出、喪失、幸福を描き出す。面白いというよりお気に入りの詩集のような一冊。何度も繰り返し読み返して、ちょっとだけ気持ちを変えてくれる。軽やかな読み心地でスッと心に物語が染み込み、波紋のようにじわりじわりと、世界に連れて行ってくれる。「海を見に行く」は表題作の番外編的位置づけでありながら、あまりに美しいエンドロールで呆然としてしまった。
僕たちの幸福と孤独。それは青い色をしている。
17.ムシヌユン/都留 泰作
「この漫画どこへ向かうんだ!!??」っていう意味不明なドライブ感がすごすぎますよね、ムシヌユン。もう2巻が待ち遠しい。ジャンルとしてはなんと説明すればいいのやらって感じですけれど公式的には「亜熱帯SF」。主人公の絶望と哀傷、それらすべてが宇宙空間から飛来した謎めいたパワーで怒りへと変換され暴走を開始!
ナンセンスな荒唐無稽さと、作品内の光景が脳内に飛び散るような強烈な異世界描写力、人間ドラマとしての面白さ、なにをとっても1巻時点での完成度が凄まじい…ゾクゾクと背筋に衝撃が走る面白さ!!
16.恋と病熱/磯谷 友紀
磯谷先生の真骨頂って感じのオムニバス・ストーリーズ。夫婦一組につき子はひとり。「兄弟」「姉妹」の存在は禁忌とされる世界で、どうしようもなくひかれあう兄と妹、または姉と弟――…男女だけではなく同姓や、むしろ禁忌に背き複数の子を産んだ母親にもスポットを当てていく。圧倒的な息苦しさと、その中で懸命に輝く愛情の、切ない交錯。後ろめたさを実感させてくれるからこそ、より物語に引き込まれる。
秘密ってのはみんなが秘密にしているから見えないだけで、きっと世界のそこら中にいっぱいの秘密が隠されている。そういう、「見えない別の世界」への甘いロマンが詰まった作品です。
15.中学性日記/シモダアサミ
ただただ、「かわいい………―――――」と溜息をついてしまう。思春期の心と体、友達に片思いの相手に、そして自分自身に振り回される“思春期”。オムニバス形式というスタイルもばっちりハマっていて、多種多様な思春期の悩みと失敗と恋模様をたっぷりニヤニヤ楽しめる。ともすれば下品になる話題もさらりと爽やかに読ませてくれるのは、この作家さんならではのワザ。戸惑って傷ついて自爆して、ときたま世界は微笑んでくれる。
14.天にひびき/やまむらはじめ
完結巻。大学を舞台にした青春漫画としても、「努力」「才能」との向き合い方を描いた作品としても、9巻10巻の展開は強烈だった。残酷で、高潔で、憧れと無念があって、どこまでも遠く果てしなく祈りがある。圧倒的な才能をもつ者を、その周囲の人々の感情を軸に見事に描き切っています。
雑誌掲載字はアッサリしすぎと感じた最終話も、コミックスで加筆され大満足。全10巻と収まりがいいサイズです。ラストとかあまりに爽やかすぎて、感動。
13.子供はわかってあげない/田島 列島
ひと夏の非日常、きらめくボーイミーツガール、忘れられない夏休みの海辺。素朴なテイストで綴られる青春物語で、全2巻ですっきり収まっている良作。華々しさは皆無と言えるんだけど、恋の喜びをのせた爽やかな風が吹いてくるような。素朴でふんわりとした空気の中で、一生涯忘れられることのない、鮮烈な夏休みの青春模様でたいへん心をモダモダさせてくれました。子と親の関係性を描いた部分も泣ける。
ああ、夏休み。甘酸っぱく眩しい季節!!
12.こいのことば/緑のルーペ
1巻完結。緑のルーペエッセンスは今回も炸裂している。ヒロインとの関係性とか、世界との向き合い方とか、これまでの作品を読んでると共通している部分も多いけれどそれがゆえにハマる人はどっぷりハマる。エロチックでかわいらしくて、地獄の底でうごめくような苦しみと、絶望の中でうすく輝く祝福がある。個人的には緑のルーペ作品を読んだことない人に最初にオススメしたい一冊。読みやすいさと「らしさ」のバランスも良い。ねじくれているようで、どこまでも透明な純粋さがきらめく物語です。
願うだけの、願い合うだけの「こい」。愛よりよっと遠く、ちぎれてしまいそうに脆い、はじめての臆病な「こい」。美しいラストシーンは必見です。
11.四月は君の嘘/新川 直司
アニメも放送中。今をきらめく青春音楽漫画であり、先日、連載では完結を迎えました。単行本発売ベースでこの記事を書いているので、最終話を加味せずにこの順位です。
切なさと興奮が折り重なり、燃え上がるようなド迫力の演奏シーンで心がカラッポになってしまう読書体験はこの作品ならでは。今はただ祈りを捧げるように、心の準備をしなくちゃならない。演奏家の彼らと同じく、読み手の僕らだってきっと、最後を見届ける覚悟をしなくちゃいけない。最終巻は今年の春発売。アニメの出来もめちゃくちゃいいのです。
10.3月のライオン/羽海野 チカ
ランキングを作るにあたって、間違いなく面白い長編ストーリー漫画的「上位定番作品」をあえてランキングに入れるかどうかってのは悩みどころではあるんだけれど、2014年にこいつは入れなきゃいけない。3月のライオンは、零くんは男を見せるって点で過去最高級にアツい。どこを着地点とするか、微妙に見えてこなかったこの作品の、未来のなにかが少しだけ分かったような気もする。
最初からきっと最後まで、戦う人たちの物語なのだ、これは。棋士ひとりひとりのドラマをじっくりと描いてくれるのもそうだし、戦わねばならぬ場面でがっしり腰据えて立ち向かえる強さを得た零くんの成長にも泣けてくる。
個人的には97話の、お母さんのモノローグにも目頭がグッと熱く震えた。ハチクロと並ぶ10巻となってなお、テンションが落ちないというのも恐ろしい!
それとBUMP OF CHICKENとコラボしたのにはひっくり返ったぞ…。
9.夢から覚めたあの子とはきっと上手く喋れない/宮崎 夏次系
宮崎夏次系さんは喪失感を描く天才だと思っている。どこかユーモラスで切なくて、なにかを無くしてしまった僕と君の孤独な世界。
3冊目の短編集となってもクオリティは依然高く、表現力に更なる磨きもかかった。「僕は毎日」「なほちゃんの白い玉子焼き」「リビングで」等で心臓が散り散りになりそうなくらい寂しくなりながらも、淡い恋の甘さにくらりとくる「明日も触らないね」、夫婦の再生を描いた「妙な夢」といったラブストーリーに胸が震える。特にこれまでの作品とくらべても、恋愛感情や恋愛関係が描かれた短編が多かったように思う。魅惑の一冊。
8.夏の前日/吉田基已
じっくりと描かれてきたこの儚い恋愛物語も、無事に完結しました。満足度しゅごい…センチメンタルな風景と恋愛、自らの世界の中でひたすらに自分と戦う芸術家としての戦い、そのどちら共が見事に結実。
愛しあい、憧れ合うからこその二人らしい結末だったと思う。
この主人公に対してこれだけの優しさを手向けるきとができる晶さん本当にいい女性だ……。
あの日々は。熱に浮かされ、夢の中を漂っていたような、甘く苦しいひととき。
ひどい夏の予感は、きっともう晴れた。
7.週刊少年ガール/中村ゆうひ
漫画表現の実験場。遊びゴコロある仕掛けが毎回用意されていて、そのアイデアの面白さを頂くだけでも美味なのに、加えて作画のタッチがめっちゃ好みなのです。黒髪美人いっぱいだー!!
1巻収録「光にかざして」なんかは、電子書籍も流行する昨今において、紙に本だからこそできる仕掛けが切ないストーリーと噛み合っていて、しびれるくらい感動しました。トリッキーな短編が多いものの、青春モノ全般が好きなので全編ひたすらに身悶えしておりました。どこかスタイリッシュな画面作りと驚愕のアイデアの宝庫。
6.ちーちゃんはちょっと足りない/阿部 共実
うっかり朝にこの作品を読んで会社に行ったせいで、その日はずっとイヤな気分だった。どうしようもなく立ち直れなくなる瞬間が、この作品には描かれているし、それを読んで自分もそれくらいに憂鬱に襲われた。人の心がドス黒く染まっていく劇薬。ただショッキングなだけの刺激物ではなく、読む人になにかしらの気持ちを沸き上がらせる、強烈なメッセージも持っている。肯定か納得かそれとも拒絶か。ただ、落ち込んでる時に読ともっとひどい気持ちになるからよした方がいい。
名実ともに阿部共実先生の看板作品となった感がある。インパクトは絶大。あとの評価はあなた次第。
5.デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション/浅野 いにお
14年開始の新連載の中ではもっともハマってる漫画です。世界滅亡と隣あわせの、ちょっと歪んだ平和な日常。「ちくしょう!浅野いにおの女の子に、こんな素直にかわいいと思わされるなんて!」というナゾの悔しさがこの作品をさらに面白くしている(個人差あり)。
世界観の恐怖感とかわいらしさ、思春期の小さな悩みと世界の大きな危機。絶妙の一言で片付けていいものか、半端ないバランス感覚とセンスで綱渡りをし続ける「ゆるふわ・ディストピア・ユースフルデイズ」。タイトルコールの「ズバーンッ!」感が気持ちいいぞ!
4.惡の華/押見 修造
近年の自分の漫画ライフの中でも、ここまで熱中した作品は少ない。しかしまぁ2014年における「惡の華」というのは、続いていた長いエピローグも幕を閉じた、といった感覚に近い。
燃え盛る業火のような思春期の熱狂と、それから先の贖罪のための日々。
無事にこの作品が結着してくれてよかった。いままさに思春期のただ中にいる人々と、かつて思春期の嵐の中でもがいた人々の、両方に向けて放たれる歪んだ愛の弾丸。これでもかと濃密に「思春期」を叩きつけてくれた、自分にとってずっと忘れられない作品になりそうな作品。
3.魚の見る夢/小川 麻衣子
待っていたんだ、この小川麻衣子をなぁ…!!!感傷と残酷を美しく内包した2014年最強の百合漫画だったと思う。もうひとつの連載作であり代表作「ひとりぼっちの地球侵略」とはかなり趣の異なる作品で、本作2巻のエモーショナルな展開は圧巻だった。まさに爆発だった。全2巻と集めやすいこともあって、今後しばらくは自分の中の百合漫画の金字塔として光放つ存在となっていると思う。
もがき、切り裂かれるような号哭のあと、めぐりくる優しい季節。そしてさよならの果ての永遠を、あのひとは手に入れた。
2.聲の形/大今 良時
あの傑作読み切りを連載化!と聞いたときはこれはぜったいマズいパターンだぞと思ったのに、いざ始まってみれば見事な青春物語として駆け抜けてくれた。2014年完結。
この作品について何かを語ろうとすると、自分の明かしたくないものを明かしてしまうような気がして、怖い。ただ本当に真摯に、生きることに立ち向かう少年少女の姿に涙が出る。砕け散ったはずの青春を少しずつでも取り戻していくこの物語は、実際すでに高評価を得ているわけではあるけれど、もう文句なしに2014年の代表作。最終話、最後の見開き、あまりに可憐すぎてクラクラきた。
1.ヒメゴト~十九歳の制服~/峰浪 りょう
今年のナンバーワンは本作。とにかく19歳という年齢を描きとった大学生漫画として、その完成度の高さが素晴らしい。モラトリアムの不安げな空気感、人間模様のめんどくささ、かわいらしいキャラクターがどんどんと歪み、さらに美しく、黒く染まっていく様……とくにこの最終巻の内容は何度読んでも!何度読んでも胸が締め付けられるように切なく、そして爽やかな気持ちになる!
倒錯感たっぷりなインモラルラブストーリーであり、ジェットコースターに乗り込んだような強烈な展開のうねり!ずっと夢中で読み、新刊を読むたびに次の新刊発売まで辛抱たまらなかった。
そして、こんなこじれたストーリーをよくぞここまでスマートに終結できたものだと、なによりもそれに唖然とするレベルの着地。10巻以内で完結するオススメ漫画として執拗に人に勧めたい、闇の青春漫画と言えます(どんなだ)。
どうか最高に格好いいファックサインをその目に焼き付けて欲しい。
そしてこの、最高に甘い、最後のヒミツも。
番外編 NARUTO-ナルト-
これだけ、最終巻が出たのが2015年なんだけど、2014年を代表する出来事だったということで許して欲しいです。
僕ら世代にとってNARUTOってのは本当に偉大で大事な作品だった。
小学校高学年のときにアニメ放送が始まり、あっというまに自分もドはまりしたし、周りもドハマりだった。忍術の印を練習したり、腕をフラずに垂らしたままの忍者走りなんかも、校庭でよくやった。少年ジャンプを買いだしたのだって、NARUTOの最新話を読みたいからだった。ちょうど螺旋丸の修行をしていたころだった。ジャンプを買いだしたらいちご100%とかプリティフェイスとかに夢中になってまた別の道が開けた。
脱線したがまぁ、つまりこの作品はきっと僕ら世代のシンボル的作品のひとつだったのだ。
40巻を超えたあたりでコミックスを集めるのをストップしたし、正直やや興味をそそられなくなってしまった時期はあった。でも物語が明らかに終わりに向かっていく展開において、毎週ワクワクは抑えきれなかった。14年に入ってからの連載は、じっくりと味わいつくすように楽しんだ。子供の頃から追い続けた一大巨編の完結である。ランキングとか関係なしに、NARUTOの完結というのは個人的には2014年を代表する出来事だった。
この画像、完結当時よく出回ったものだけど、見てるだけでまた泣けてくるくらい良い。このイラストに近い形で生きてきたものだから、NARUTOと共にあゆめた10年程の年月が、誇らしく感じられたりする。それはもう。恥ずかしいことに。素敵なことに。
力強い成長物語だったなあ。時間はかかるけれどじっくりと読み返したい漫画です。そして今NARUTOがいないジャンプを読むとちょっと寂しくなる。
長くなりましたが以上、35作+1作、2014年のBEST記事でした。ありがとうございました。
2015年もいっぱい面白い漫画が読みたいです。……もう2月も中旬になってしまいましたが!!!
今日は今更、2014年の漫画私的BEST記事です。
もう2015年にはいって結構経ってしまってますが・・・去年の漫画についていちおうまとめた記事を作っておきたかったので…。通常更新があまりできなてなかったぶんも。
BEST30のつもりで書いてたらいつのまにか35作になってたので半端なBEST35となってます。ならもうちょい頑張ってBEST50にすりゃよかったんですけどね!
35.星の子/羽柴麻央
星の子 (マーガレットコミックス) 羽柴 麻央 集英社 2014-01-24 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
光をたどるように、フィルムを逆再生するように進む、命のドラマ。母と子の絆を描いた物語。表題作がとにかく好きで、読んでいた時期が個人的になんかもう、行き詰まってたタイミングだったので、これを読んでぼろぼろ泣きました。普遍的テーマを扱った作品だとは思いますが、ここまで自分に突き刺さったのも自分のことながら不思議に思ったりする。ただ、問答無用に涙腺を決壊させられた。
同時収録の読み切りも、切ない余韻がきもちよく心にのこる、素敵なセンチメンタルストーリー。やっぱり羽柴麻央先生は短編漫画の名手だ!
34.月に吠えらんねぇ/清家 雪子
月に吠えらんねえ(1) (アフタヌーンKC) 清家 雪子 講談社 2014-04-23 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
カオス文学マンガ。実在の詩人ではなく、その作品のイメージから新たに作り上げられたキャラクターとして詩人が登場する。萩原朔太郎や北原白秋や正岡子規や室生犀星や・・・といった面々が暮らす異世界を描いた漫画。なんかもう、全然うまく説明できないんだけども、すごいカオスなのだ。世界は変わる、時代も切り替わる、突然詩の中に迷い込む。作品の内側も外側もすべて、空想の不確定な領域でふわふわ漂っている。1巻はまだまだ世界観が生きていなかったけれど、2巻からの盛り上がりと混迷っぷりは読んでいると脳みそがずいぶんと敏感になる。キャラクターはかなり漫画チックに味付けされているので、むちゃくちゃな展開をしているのに不思議と読みやすくて良いな。
いろんな詩人の詩が作中挿入される効果でさらにどっぷりとコトバの世界にひたれる。混迷極める文学ファンタジー。
33.おしえて! ギャル子ちゃん/鈴木 健也
おしえて! ギャル子ちゃん 1 (MFコミックス) 鈴木 健也 KADOKAWA/メディアファクトリー 2014-11-22 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
俺の中で燦々と輝く傑作「蝋燭姫」を描いた鈴木健也先生が、意外な作品でブレイクしてくれたなと面白い気持ちでいます。ネットで話題となり、コミックスも売れ行き好調という「ギャル子ちゃん」。女の子への素朴な疑問を解き明かしていく構成で進むので、オヤジっぽいスケベ心を満たしてくれるのです。けれどエロいとか下品とかあまり感じないのは、ギャル子ちゃん含めキャラクターの不思議な清涼感のおかげかな。
ぎっしりつまった楽しいコミックス。ながく続いてくれることを期待しています。
32.アナーキー・イン・ザ・JK/位置原光Z
アナーキー・イン・ザ・JK (ヤングジャンプコミックス) 位置原光Z 集英社 2014-05-19 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ついに投下された位置原光Z先生の商業単行本!コミティアキッズ的にはマストな一冊と言える。下ネタ多めな会話劇を繰り広げる女子高生コメディ…なんだけれども、なんの説明もツッコミもなしに単眼娘がレギュラーにいたりして、独特のテンポと空気感にやみつき。「ぎじんかかっぷる!」「小悪魔淫魔サキュバスちゃん♥」あたりの甘々な男女関係なんかは脳内麻薬分泌されまくりでしたね。なんでこんなに位置原先生の描く女の子はかわいらしいのか!
31.僕のヒーローアカデミア/堀越 耕平
僕のヒーローアカデミア 1 (ジャンプコミックス) 堀越 耕平 集英社 2014-11-04 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
個性豊かなキャラクター、作画のタッチの使い分けと純粋にアツいストーリーで漫画的快感も強烈!ストレートな少年漫画。弱虫少年の成長物語であることと、成長物語に必要な「努力する姿の説得力」、そして「少年の背中を押す、戦うための理由」、こういった部分の作りが上手いから、読んでて素直に主人公を応援したい作品になっているのかなと思います。読んでいて、突っ走っているようでかなり頑丈に慎重に練り上げていると感じるんですよね。泥臭さとキャッチーさが見事に噛み合ってる。キャラデザもとんがってて面白い。死柄木弔のデザインは天才的だと思う。早くも人気爆発中なのも頷けるおもしろさだ。
30.冗談だよ、バカだな/岸 虎次郎
岸虎次郎作品集 冗談だよ、バカだな 岸 虎次郎 太田出版 2014-12-13 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
岸虎次郎先生の短篇集。エロティックでインモラルで、ときめきに満ちた物語が詰まっています。描かれていることはエロ漫画テイストなのに、雰囲気と絵のタッチで読み心地をまるで変えてくる。美しくて切なくて、胸をドキドキ高鳴らせる。
しなやかな肉体、溢れ出る激情、抑えられらない好奇心―――少年少女たちの隠された青春の1ページは、リアルな感触を残しつつも幻想的ですらある。個人的には放尿百合漫画「葦原」が至高でした。
高揚と感傷が一度に押し寄せる、魅惑の夕暮れ。
29.フラジャイル 病理医岸京一郎の所見/草水敏・恵三朗
フラジャイル 病理医岸京一郎の所見(1) 草水敏 恵三朗 講談社 2014-11-21 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
病理医というなかなかスポットライトのあたらないポジションにあえて着目した医療漫画であり、「病」をめぐる人間ドラマとしての面白さも抜群な新作。病院という組織の中で戦う主人公たちの姿は新鮮に楽しめるし、人の命を預かる重みをずっしりと感じるストーリーも、「表情」で魅せる迫力ある展開もグイグイ引き込まれる。アフタヌーンの近年の新作でもイチオシ。
28.恋のシャレード/ルネッサンス吉田
恋のシャレード (Feelコミックス FC SWING) ルネッサンス吉田 祥伝社 2014-10-08 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
死ぬってなんだろう。怖いな。高3女子と予備校教師の歳の差恋愛を描いた作品。喪失感と色気と乾きが絶妙にブレンドされた空気感が好きな感じ。ふんわりとリリカルで、人が思う「寂しさ」の感触をゆっくりと読み手に与えてくれる。「恋のまね事に過ぎない」と言いながらもロマンティックシチュエーションが炸裂するクライマックスもお気にいりです。(あと小ネタ程度ではあるけれど、各話タイトルの邦楽曲名のチョイスがにくい)
27.ブレイクブレイド/吉永 裕ノ介
ブレイクブレイド(13) (メテオCOMICS) 吉永 裕ノ介 ほるぷ出版 2014-05-12 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
大いに盛り上がった、というわけではないにしろ、練り上げられてきたドラマがいままさにうねりを増し、見逃せない展開に入ってきている。安定して超面白いっていう反則みたいなやつな!かつての幼馴染同士が命を奪い合うひりつくような緊迫感と切なさを内包しつつ、戦争はさらに白熱していく。安定した面白さを見せつけてくれている異世界ファンタジー戦記。連載ペースがやや不安ではあるものの、着実に盛り上がる展開を積み重ねる。
26.蒼き鋼のアルペジオ /Ark Performance
蒼き鋼のアルペジオ 10巻 (ヤングキングコミックス) Ark Performance 少年画報社 2014-12-26 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
アニメ化以降メディアミックスでも盛り上がっている作品ですが、原作の盛り上がりも最高潮だったと言える(掲載ペースはいろんな仕事が舞い込んできた影響かわりとガタガタではあったけれど)。個人的にはもうアシガラちゃんが!アシガラちゃんがかわいすぎて!!おてんば生意気お嬢様ってキャラクターと、それに振り回される姉妹たちに愛が止まらなくなりました。ドリフターズに次ぐ今のアワーズの柱と言えます。
25.フラグタイム/さと
フラグタイム 2 (少年チャンピオン・コミックス・タップ!) さと 秋田書店 2014-11-07 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
さと先生の新機軸、百合漫画。時間を少しだけ止めることができる主人公と、ただ一人その秘密を知る少女。ふんわりとした優しいタッチで、ビシバシと感情を迸らせぶつけあう少女たちのドラマティックなストーリーを綴っています。1巻はまぁまぁくらいの感想でしたが2巻の出来栄えは素晴らしかった!悪戯心とピュアな想いが交差する、ビタースイートガールズラブ。思春期少女はめまぐるしいんだ。
24.夜をとめないで/ハルミチヒロ
夜をとめないで ハルミチヒロ 白泉社 2014-11-28 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
アンソロジー雑誌「楽園」にて掲載されたものを収録した短編集。エロ方面でも活躍する作家さんですが、著作で特徴的に思うのがいじらしい女心の描写の巧みさ。そして感傷を抉りだすストーリーの面白さ。本作はハルミチヒロ先生のそういった部分を最大限に表した作品集であり、「これが読みたかったんだー!」と叫びたくなるような出来栄え。芸がない書き方になるけれど本当にどれをとっても素晴らしい短編が詰まっている……。仄暗いものもあれば明るくハッピーな恋もあり、しかし切り裂かれるような胸の痛みを伴う、切ない愛の物語がある!恋愛漫画が好きでよく読む人ならば、きっと充実感たっぷりに味わえるはず。至福!
23.ボールルームへようこそ/竹内 友
ボールルームへようこそ(7) (講談社コミックス月刊マガジン) 竹内 友 講談社 2014-11-17 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
競技としてのダンスの世界を描く熱血少年漫画は、今年も絶好調でした。大会も終わって華々しい展開ではないのに、とにかく引き込まれる。主人公の成長と次なる課題、寄せられる期待と燃える闘志。次のフェイズへの移行期間でここまでワクワクさせられるのは凄い。心臓が着火するように、興奮で手足も震えてくるぞ!
登場した新ヒロインもめっちゃくちゃかわいいし、相変わらず高レベル安定の漫画だなぁ。そして今年はもっと面白くなってくれる予感がビシビシ来てる。
22.LES MISERABLE/新井 隆広・ヴィクトルユーゴー・豊島 与志雄
LES MISERABLES 3 (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル) 新井 隆広 ヴィクトル・ユーゴー 豊島 与志雄 小学館 2014-08-12 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
タイトルだけ知っていて実はどんな作品か知らなかった「レ・ミゼラブル」。そのコミカライズが本作ですが、見事なクオリティです。原作を知らないのでどうアレンジが加えられているかとかは分かりませんが、力強く物語に引きこんでくれる、骨太な新井先生の作画が魅力的すぎる。ここまで感情が溢れ出る表情を描いてくれるかと!ストーリーは悲劇的な要素が強いですが、少年漫画的に胸をあつくさせてくれる展開もばっちり。「人間賛歌」の謳い文句も頷ける大ボリュームの大河。
自分のように「レ・ミゼラブル」をあまり知らないっていう人にもオススメしたい、読み応え抜群の連載作です。
21.カザマアヤミ/恋愛3次元デビュー ~30歳オタク漫画家、結婚への道。~
恋愛3次元デビュー ~30歳オタク漫画家、結婚への道。~ カザマアヤミ 双葉社 2014-05-23 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
赤裸々すぎるでしょ…!!!初々しいラブコメの名手カザマアヤミ先生が、同じく漫画の紺野あずれ先生と出会い結婚に至るまでを描いた恋愛エッセイ漫画。不器用というか、だいぶ世間ずれした著者がいかに恋愛をしたのか、単純に読み物として面白い。ツッコミどころ満載で笑えるししかもどんどん作家さんのことが好きになるw しかもこのおふたりの作品をすでに知っているなら、さらに楽しく読めること間違いなし!萌えキャラすぎでしょカザマアヤミ先生。この気持ちを!どこにぶつければいいの!!
カザマさんがチョコ作ってくれた。うめえ~(*´Д`)
— 紺野あずれ (@azure_konno) 2015, 2月 14
ちょうどこれ書いてたら流れてきたバレンタインネタ。見てるこっちまで幸せじゃー。
20.運命の女の子/ヤマシタ トモコ
運命の女の子 (アフタヌーンKC) ヤマシタ トモコ 講談社 2014-08-22 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
3つの作品を収録した短篇集。個人的にヤマシタトモコ先生の漫画を最も美味しく頂けるのは短編漫画(24P~40Pくらいの)と思っていて、短篇集が大好物。収められた3作はどれも味わいが違っており、バランスのいい一冊となっています。淡々と不気味なリズムで展開される静かなサスペンスホラー「無敵」、届かない想いを軸に少年少女の青春を描いたセンチメンタルなラブストーリー「きみはスター」が甲乙つけがたく好き。あと装丁もいい。紙の本ならではだ!
19.バガタウェイ/古日向 いろは
バガタウェイ 11 (BLADE COMICS) 古日向 いろは マッグガーデン 2014-12-10 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
主人公のチームはもちろんだけど、読んでいて相手側のチームに感情移入を激しくしてしまい、恐ろしいほど心揺さぶられるここ最近のバガタウェイ。メンバーそれぞれの熱い想いがフィールドで絡まりぶつかり合う、チームスポーツ漫画の醍醐味を楽しませてくれました。大野城が好きだったんだけど11巻の小倉中央ヤバすぎたでしょ、泣くでしょ。いよいよ次は決勝戦。終わりが見えてきたのかもしれない。
18.幸福はアイスクリームみたいに溶けやすい/黒谷 知也
幸福はアイスクリームみたいに溶けやすい (IKKI COMIX) 黒谷 知也 小学館 2014-10-30 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
IKKIの新人作家による短篇集。どの作品もさわやかなタッチで、寂しさや悲しみや美しい思い出、喪失、幸福を描き出す。面白いというよりお気に入りの詩集のような一冊。何度も繰り返し読み返して、ちょっとだけ気持ちを変えてくれる。軽やかな読み心地でスッと心に物語が染み込み、波紋のようにじわりじわりと、世界に連れて行ってくれる。「海を見に行く」は表題作の番外編的位置づけでありながら、あまりに美しいエンドロールで呆然としてしまった。
僕たちの幸福と孤独。それは青い色をしている。
17.ムシヌユン/都留 泰作
ムシヌユン 1 (ビッグコミックス) 都留 泰作 小学館 2014-07-30 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
「この漫画どこへ向かうんだ!!??」っていう意味不明なドライブ感がすごすぎますよね、ムシヌユン。もう2巻が待ち遠しい。ジャンルとしてはなんと説明すればいいのやらって感じですけれど公式的には「亜熱帯SF」。主人公の絶望と哀傷、それらすべてが宇宙空間から飛来した謎めいたパワーで怒りへと変換され暴走を開始!
ナンセンスな荒唐無稽さと、作品内の光景が脳内に飛び散るような強烈な異世界描写力、人間ドラマとしての面白さ、なにをとっても1巻時点での完成度が凄まじい…ゾクゾクと背筋に衝撃が走る面白さ!!
16.恋と病熱/磯谷 友紀
恋と病熱 (A.L.C.DXもっと!) 磯谷 友紀 秋田書店 2014-07-16 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
磯谷先生の真骨頂って感じのオムニバス・ストーリーズ。夫婦一組につき子はひとり。「兄弟」「姉妹」の存在は禁忌とされる世界で、どうしようもなくひかれあう兄と妹、または姉と弟――…男女だけではなく同姓や、むしろ禁忌に背き複数の子を産んだ母親にもスポットを当てていく。圧倒的な息苦しさと、その中で懸命に輝く愛情の、切ない交錯。後ろめたさを実感させてくれるからこそ、より物語に引き込まれる。
秘密ってのはみんなが秘密にしているから見えないだけで、きっと世界のそこら中にいっぱいの秘密が隠されている。そういう、「見えない別の世界」への甘いロマンが詰まった作品です。
15.中学性日記/シモダアサミ
中学性日記(1) (アクションコミックス(月刊アクション)) シモダアサミ 双葉社 2014-02-10 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ただただ、「かわいい………―――――」と溜息をついてしまう。思春期の心と体、友達に片思いの相手に、そして自分自身に振り回される“思春期”。オムニバス形式というスタイルもばっちりハマっていて、多種多様な思春期の悩みと失敗と恋模様をたっぷりニヤニヤ楽しめる。ともすれば下品になる話題もさらりと爽やかに読ませてくれるのは、この作家さんならではのワザ。戸惑って傷ついて自爆して、ときたま世界は微笑んでくれる。
14.天にひびき/やまむらはじめ
天にひびき 10巻 (ヤングキング・コミックス) やまむらはじめ 少年画報社 2014-11-29 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
完結巻。大学を舞台にした青春漫画としても、「努力」「才能」との向き合い方を描いた作品としても、9巻10巻の展開は強烈だった。残酷で、高潔で、憧れと無念があって、どこまでも遠く果てしなく祈りがある。圧倒的な才能をもつ者を、その周囲の人々の感情を軸に見事に描き切っています。
雑誌掲載字はアッサリしすぎと感じた最終話も、コミックスで加筆され大満足。全10巻と収まりがいいサイズです。ラストとかあまりに爽やかすぎて、感動。
13.子供はわかってあげない/田島 列島
子供はわかってあげない(上) (モーニング KC) 田島 列島 講談社 2014-09-22 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ひと夏の非日常、きらめくボーイミーツガール、忘れられない夏休みの海辺。素朴なテイストで綴られる青春物語で、全2巻ですっきり収まっている良作。華々しさは皆無と言えるんだけど、恋の喜びをのせた爽やかな風が吹いてくるような。素朴でふんわりとした空気の中で、一生涯忘れられることのない、鮮烈な夏休みの青春模様でたいへん心をモダモダさせてくれました。子と親の関係性を描いた部分も泣ける。
ああ、夏休み。甘酸っぱく眩しい季節!!
12.こいのことば/緑のルーペ
こいのことば 緑のルーペ 太田出版 2014-08-26 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
1巻完結。緑のルーペエッセンスは今回も炸裂している。ヒロインとの関係性とか、世界との向き合い方とか、これまでの作品を読んでると共通している部分も多いけれどそれがゆえにハマる人はどっぷりハマる。エロチックでかわいらしくて、地獄の底でうごめくような苦しみと、絶望の中でうすく輝く祝福がある。個人的には緑のルーペ作品を読んだことない人に最初にオススメしたい一冊。読みやすいさと「らしさ」のバランスも良い。ねじくれているようで、どこまでも透明な純粋さがきらめく物語です。
願うだけの、願い合うだけの「こい」。愛よりよっと遠く、ちぎれてしまいそうに脆い、はじめての臆病な「こい」。美しいラストシーンは必見です。
11.四月は君の嘘/新川 直司
四月は君の嘘(10) (講談社コミックス月刊マガジン) 新川 直司 講談社 2014-10-17 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
アニメも放送中。今をきらめく青春音楽漫画であり、先日、連載では完結を迎えました。単行本発売ベースでこの記事を書いているので、最終話を加味せずにこの順位です。
切なさと興奮が折り重なり、燃え上がるようなド迫力の演奏シーンで心がカラッポになってしまう読書体験はこの作品ならでは。今はただ祈りを捧げるように、心の準備をしなくちゃならない。演奏家の彼らと同じく、読み手の僕らだってきっと、最後を見届ける覚悟をしなくちゃいけない。最終巻は今年の春発売。アニメの出来もめちゃくちゃいいのです。
10.3月のライオン/羽海野 チカ
3月のライオン 10 (ジェッツコミックス) 羽海野 チカ 白泉社 2014-11-28 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ランキングを作るにあたって、間違いなく面白い長編ストーリー漫画的「上位定番作品」をあえてランキングに入れるかどうかってのは悩みどころではあるんだけれど、2014年にこいつは入れなきゃいけない。3月のライオンは、零くんは男を見せるって点で過去最高級にアツい。どこを着地点とするか、微妙に見えてこなかったこの作品の、未来のなにかが少しだけ分かったような気もする。
最初からきっと最後まで、戦う人たちの物語なのだ、これは。棋士ひとりひとりのドラマをじっくりと描いてくれるのもそうだし、戦わねばならぬ場面でがっしり腰据えて立ち向かえる強さを得た零くんの成長にも泣けてくる。
個人的には97話の、お母さんのモノローグにも目頭がグッと熱く震えた。ハチクロと並ぶ10巻となってなお、テンションが落ちないというのも恐ろしい!
それとBUMP OF CHICKENとコラボしたのにはひっくり返ったぞ…。
9.夢から覚めたあの子とはきっと上手く喋れない/宮崎 夏次系
夢から覚めたあの子とはきっと上手く喋れない (モーニング KC) 宮崎 夏次系 講談社 2014-05-23 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
宮崎夏次系さんは喪失感を描く天才だと思っている。どこかユーモラスで切なくて、なにかを無くしてしまった僕と君の孤独な世界。
3冊目の短編集となってもクオリティは依然高く、表現力に更なる磨きもかかった。「僕は毎日」「なほちゃんの白い玉子焼き」「リビングで」等で心臓が散り散りになりそうなくらい寂しくなりながらも、淡い恋の甘さにくらりとくる「明日も触らないね」、夫婦の再生を描いた「妙な夢」といったラブストーリーに胸が震える。特にこれまでの作品とくらべても、恋愛感情や恋愛関係が描かれた短編が多かったように思う。魅惑の一冊。
8.夏の前日/吉田基已
夏の前日(5)<完> (アフタヌーンKC) 吉田 基已 講談社 2014-08-07 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
じっくりと描かれてきたこの儚い恋愛物語も、無事に完結しました。満足度しゅごい…センチメンタルな風景と恋愛、自らの世界の中でひたすらに自分と戦う芸術家としての戦い、そのどちら共が見事に結実。
愛しあい、憧れ合うからこその二人らしい結末だったと思う。
この主人公に対してこれだけの優しさを手向けるきとができる晶さん本当にいい女性だ……。
あの日々は。熱に浮かされ、夢の中を漂っていたような、甘く苦しいひととき。
ひどい夏の予感は、きっともう晴れた。
7.週刊少年ガール/中村ゆうひ
週刊少年ガール(1) 中村ゆうひ 講談社 2014-03-17 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
漫画表現の実験場。遊びゴコロある仕掛けが毎回用意されていて、そのアイデアの面白さを頂くだけでも美味なのに、加えて作画のタッチがめっちゃ好みなのです。黒髪美人いっぱいだー!!
1巻収録「光にかざして」なんかは、電子書籍も流行する昨今において、紙に本だからこそできる仕掛けが切ないストーリーと噛み合っていて、しびれるくらい感動しました。トリッキーな短編が多いものの、青春モノ全般が好きなので全編ひたすらに身悶えしておりました。どこかスタイリッシュな画面作りと驚愕のアイデアの宝庫。
6.ちーちゃんはちょっと足りない/阿部 共実
ちーちゃんはちょっと足りない (少年チャンピオン・コミックスエクストラもっと!) 阿部 共実 秋田書店 2014-05-08 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
うっかり朝にこの作品を読んで会社に行ったせいで、その日はずっとイヤな気分だった。どうしようもなく立ち直れなくなる瞬間が、この作品には描かれているし、それを読んで自分もそれくらいに憂鬱に襲われた。人の心がドス黒く染まっていく劇薬。ただショッキングなだけの刺激物ではなく、読む人になにかしらの気持ちを沸き上がらせる、強烈なメッセージも持っている。肯定か納得かそれとも拒絶か。ただ、落ち込んでる時に読ともっとひどい気持ちになるからよした方がいい。
名実ともに阿部共実先生の看板作品となった感がある。インパクトは絶大。あとの評価はあなた次第。
5.デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション/浅野 いにお
デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 1 (ビッグコミックススペシャル) 浅野 いにお 小学館 2014-09-30 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
14年開始の新連載の中ではもっともハマってる漫画です。世界滅亡と隣あわせの、ちょっと歪んだ平和な日常。「ちくしょう!浅野いにおの女の子に、こんな素直にかわいいと思わされるなんて!」というナゾの悔しさがこの作品をさらに面白くしている(個人差あり)。
世界観の恐怖感とかわいらしさ、思春期の小さな悩みと世界の大きな危機。絶妙の一言で片付けていいものか、半端ないバランス感覚とセンスで綱渡りをし続ける「ゆるふわ・ディストピア・ユースフルデイズ」。タイトルコールの「ズバーンッ!」感が気持ちいいぞ!
4.惡の華/押見 修造
惡の華(11)<完> (講談社コミックス) 押見 修造 講談社 2014-06-09 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
近年の自分の漫画ライフの中でも、ここまで熱中した作品は少ない。しかしまぁ2014年における「惡の華」というのは、続いていた長いエピローグも幕を閉じた、といった感覚に近い。
燃え盛る業火のような思春期の熱狂と、それから先の贖罪のための日々。
無事にこの作品が結着してくれてよかった。いままさに思春期のただ中にいる人々と、かつて思春期の嵐の中でもがいた人々の、両方に向けて放たれる歪んだ愛の弾丸。これでもかと濃密に「思春期」を叩きつけてくれた、自分にとってずっと忘れられない作品になりそうな作品。
3.魚の見る夢/小川 麻衣子
魚の見る夢 (2) (まんがタイムKRコミックス つぼみシリーズ) 小川 麻衣子 芳文社 2014-01-10 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
待っていたんだ、この小川麻衣子をなぁ…!!!感傷と残酷を美しく内包した2014年最強の百合漫画だったと思う。もうひとつの連載作であり代表作「ひとりぼっちの地球侵略」とはかなり趣の異なる作品で、本作2巻のエモーショナルな展開は圧巻だった。まさに爆発だった。全2巻と集めやすいこともあって、今後しばらくは自分の中の百合漫画の金字塔として光放つ存在となっていると思う。
もがき、切り裂かれるような号哭のあと、めぐりくる優しい季節。そしてさよならの果ての永遠を、あのひとは手に入れた。
2.聲の形/大今 良時
聲の形(7)<完> (講談社コミックス) 大今 良時 講談社 2014-12-17 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
あの傑作読み切りを連載化!と聞いたときはこれはぜったいマズいパターンだぞと思ったのに、いざ始まってみれば見事な青春物語として駆け抜けてくれた。2014年完結。
この作品について何かを語ろうとすると、自分の明かしたくないものを明かしてしまうような気がして、怖い。ただ本当に真摯に、生きることに立ち向かう少年少女の姿に涙が出る。砕け散ったはずの青春を少しずつでも取り戻していくこの物語は、実際すでに高評価を得ているわけではあるけれど、もう文句なしに2014年の代表作。最終話、最後の見開き、あまりに可憐すぎてクラクラきた。
1.ヒメゴト~十九歳の制服~/峰浪 りょう
ヒメゴト~十九歳の制服~ 8 (ビッグコミックス) 峰浪 りょう 小学館 2014-11-28 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
今年のナンバーワンは本作。とにかく19歳という年齢を描きとった大学生漫画として、その完成度の高さが素晴らしい。モラトリアムの不安げな空気感、人間模様のめんどくささ、かわいらしいキャラクターがどんどんと歪み、さらに美しく、黒く染まっていく様……とくにこの最終巻の内容は何度読んでも!何度読んでも胸が締め付けられるように切なく、そして爽やかな気持ちになる!
倒錯感たっぷりなインモラルラブストーリーであり、ジェットコースターに乗り込んだような強烈な展開のうねり!ずっと夢中で読み、新刊を読むたびに次の新刊発売まで辛抱たまらなかった。
そして、こんなこじれたストーリーをよくぞここまでスマートに終結できたものだと、なによりもそれに唖然とするレベルの着地。10巻以内で完結するオススメ漫画として執拗に人に勧めたい、闇の青春漫画と言えます(どんなだ)。
どうか最高に格好いいファックサインをその目に焼き付けて欲しい。
そしてこの、最高に甘い、最後のヒミツも。
番外編 NARUTO-ナルト-
NARUTO -ナルト- 72 (ジャンプコミックス) 岸本 斉史 集英社 2015-02-04 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
これだけ、最終巻が出たのが2015年なんだけど、2014年を代表する出来事だったということで許して欲しいです。
僕ら世代にとってNARUTOってのは本当に偉大で大事な作品だった。
小学校高学年のときにアニメ放送が始まり、あっというまに自分もドはまりしたし、周りもドハマりだった。忍術の印を練習したり、腕をフラずに垂らしたままの忍者走りなんかも、校庭でよくやった。少年ジャンプを買いだしたのだって、NARUTOの最新話を読みたいからだった。ちょうど螺旋丸の修行をしていたころだった。ジャンプを買いだしたらいちご100%とかプリティフェイスとかに夢中になってまた別の道が開けた。
脱線したがまぁ、つまりこの作品はきっと僕ら世代のシンボル的作品のひとつだったのだ。
40巻を超えたあたりでコミックスを集めるのをストップしたし、正直やや興味をそそられなくなってしまった時期はあった。でも物語が明らかに終わりに向かっていく展開において、毎週ワクワクは抑えきれなかった。14年に入ってからの連載は、じっくりと味わいつくすように楽しんだ。子供の頃から追い続けた一大巨編の完結である。ランキングとか関係なしに、NARUTOの完結というのは個人的には2014年を代表する出来事だった。
NARUTO世代の育ち方 pic.twitter.com/ifr9Yl4A1e
— お腹を空かせたツボ浅野 (@50_offf) 2014, 10月 4
この画像、完結当時よく出回ったものだけど、見てるだけでまた泣けてくるくらい良い。このイラストに近い形で生きてきたものだから、NARUTOと共にあゆめた10年程の年月が、誇らしく感じられたりする。それはもう。恥ずかしいことに。素敵なことに。
力強い成長物語だったなあ。時間はかかるけれどじっくりと読み返したい漫画です。そして今NARUTOがいないジャンプを読むとちょっと寂しくなる。
長くなりましたが以上、35作+1作、2014年のBEST記事でした。ありがとうございました。
2015年もいっぱい面白い漫画が読みたいです。……もう2月も中旬になってしまいましたが!!!
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