[漫画]最近読んだ漫画の感想メモ(9/27)
更新ペースこんなんになってしまってすいません。
なんもかんも社会がわるい。艦これはわるくない。
うちには「そのうち感想書こう」とおもった本を積んでいく箱があるんですけど、溢れてます。どうしようもねぇ。でも短くても感想かいていかないと気分よくないので、だーっとやっていきます。
とりあえず5冊。時間みつけてこれからこういう更新を適度にやっていくかも。
ほんとうは1冊1冊、じっくりと感想かいていきたいのですが、中々時間がなくてすいません。
アフタヌーンの集中連載が単行本化。
小学生の男女がヒミツを通じて一夏の静かな恋と冒険をする。ゆるやかな空気のなかで、子供ならではの息苦しさがだんだんと重くのしかかり、そこから開放される甘酸っぱい終盤の展開がとても気持ちがいいです。
話と核となる部分は、小学生が抱えるものとしてはあまりにヘビーなもので、途方にくれてしまうのもムリはない。
だからこそもがいて苦しんで、好きな子の手をつないで、戦ったり逃げたりして。誰にも見られず、こっそりと触れた相手の感触は、きっとお互い忘れられないものとなるのだろう。小学生の限界ですよねっ…!
片足が動かない猫。片親の不在。無神経なことば。チクチクと重たい要素が胸を差してきますが、エンディングもひとくちに丸く収まるわけでもない。とても現実的な距離を突きつけてきます。
だからこそ祈りたいのだ、と。必死に先へ進もうとする少年と少女の物語として、個人的に気に行ったラストです。願わくばもうちょっと未来も見てみたかったですがw
ヒロインの父親がなんの救いもないダメ親父だったんですけど、カバー裏をみて少しだけ、心が安らぎました。いい描き下ろしです。
中学生カップルの清らかさといやらしさをノスタルジーたっぷりに描く日常漫画。もうね…ほんと…もー!!もー!!!もーーーー!!!!!
と思わず雄叫び上げたくなるような、かわいらしい一瞬がギュッとギュッと詰まっており、まさしくキラキラした青春を感じさせてくれる最近のお気に入り漫画。
その効力はおのれの中学生時代を懐古させ、むずがゆくほろ苦い味わいを思い出させます。とくになんのイベントもなかったけど。なんというかこう…中学生の空気が、びっくりするくらい生々しい気がする。でもそれが不快ではなく、とても嬉しい感覚をくれる。
ヒロインが中学生なのに身長180オーバー!主人公の男の子はチビ!という並ぶと見るからになんじゃおまえらという身長バランスが微笑ましすぎる!
初めてのお付き合いらしい、試行錯誤と臆病とリビドーの暴走と反省の連続。
2巻だとおっぱい見ちゃったり、同じ布団に入ってモゾモゾしてたら勢いあまりおっぱいに触れちゃうシーンがあるんですけど、それを咎めるヒロインのとっておきの一言が「アダルト!」ですよ。えっアダルトって。ここでスケベでも変態でもエロでもなく「アダルト」をチョイスするセンスに脱帽ですよ!ロマンですよ!はぁ~~富士山さん!!天使かよ!
女性作家らしい繊細な視点が土台にあるのもいいですね。あるあるとマニアックをふわふわさ迷いつつ、少年がどこを見てるか分かってるのが素敵です。共感と羨望がごちゃまぜに襲い掛かってくるこわい漫画。
「八潮と三雲」がつぎで最終巻なんて!そんなー!と嘆いていたら八潮と三雲新刊と同時に発売されたこの短篇集「僕の棺で晩餐を」がどストライクでしたーッ!
草川先生はこういうひんやりとした甘美な恋物語もイイですね…。
多くの作品が吸血鬼との出会いから連鎖したロマンスを描いたもの。切ない、ほろにがい読後感をのこしていく作品が揃っています。「八潮と三雲」とだいぶ方向性が違うのですが、個人的にはこういう路線も大好物。予期せぬ破壊力におもいっきり心揺さぶられてしまいました。
やはり吸血鬼というモチーフそのものが魅惑的で美しくて恐ろしくて、ロマンに溢れてる!
好きなのは表題作「僕の棺で晩餐を」。鋭い氷のナイフを思わせるクライマックスの切なさは絶品ですな。モノローグの言葉選びも慎重で、ぴったり合っています。
「星は暁のかげ」なんかは主人公のキャラクターが印象的。切迫した、情熱的な感情の発露に感動。「しのびごと」はラストシーンがなんとも美しいです。幽霊ネタは結構好きなんだなぁ。
喪失のむこうにある感情こそ尊いのかもしれない。冷たくて悲しい、けれど強い愛情を感じさせてくれる物語達でした。いいね…!またこういう単行本が読みたい。
ムック「まんが秘宝 男のための青春まんがクロニクル」のなかで、押見修造さんがこの本の話をしていたので買ってみました。柏木ハルコ作品は初体験です。
傷つけ合いボロボロになりながらも愛しあう男女の物語。短篇集ですが通しで読んでみると情熱的な漫画を描く作家さんだなぁと感じました。
冒頭に収録された「別れる」は薬によって恋心を無くせる社会を描いたもので、SFチックな背景が面白い。ですが本質は、自らその恋心を手放してしまおうとしながらもどうしようもなく傷つき涙を流す、泥臭さと生臭さまである女性の心理描写の凄まじさ。切ないけど力強い生命力も宿したお話だなぁ。
つづく「DIARY」はセンチメンタルが急加速する喪失の物語。女性のなまなましい感情をせんぶぜんぶブチまけ、その中に輝く愛おしさに気づく。なかなか得がたい感動がありました。もっと先を見てみたかったエンディングではあるけど、とても好き。
そして特にしびれたのが「裸のえろ」。かわいくてエロティックで、おいてけぼりにされたような哀しみがありますね…。押見先生もこれが好きらしい。
本題ではありませんがなにげに設定背景も興味深い。まだ徴兵制度がある日本が舞台なのかな。
「えろ」ちゃんのキャラが面白くて、おバカな子供のような、人懐っこい小動物のような、生身の欲求を持った女のような、絶妙なバランス。女に翻弄され安らぐ男の末路はぜひご確認を。
ユーモアがあり、切り裂かせるような切なさがあり、前向きさがあり、男と女のすれ違いがあり、おそろしい情念と、身を焦がす愛情があり…。味わい豊かな短篇集で、これは男女ともに読みやすく、かつなにかを残していく漫画なのではと思います。
宮崎夏次系さん二冊目の単行本。
いかにも小難しい雰囲気漫画なような感触ではありますが、コイツがなかなかに染み入る。感傷的な青さが広がっているのです。
一冊目と同様になんとなく不条理系なムードを出しつつ、一冊目よりも人と人の距離感をじっくり見つめている、ような…?
世界の構想能力というか発想の面白さは相変わらず。加えてその中に人間の心を映し込んでおり、個人的には一冊目よりぐっと親しめる感じでした。
誰かが誰かに心動かされる瞬間を切り取った、独特の緊張感を放つシーンがいくつかあって、それがお気に入り。
「地図から」「線路と家」が好きです。幻想的な風景がいくつも散らばっていて、ページをめくる楽しさもきらめく一冊でした。シュールとセンチメンタルの融合。これからも追い続けてみたい作家のひとりです。
なんもかんも社会がわるい。艦これはわるくない。
うちには「そのうち感想書こう」とおもった本を積んでいく箱があるんですけど、溢れてます。どうしようもねぇ。でも短くても感想かいていかないと気分よくないので、だーっとやっていきます。
とりあえず5冊。時間みつけてこれからこういう更新を適度にやっていくかも。
ほんとうは1冊1冊、じっくりと感想かいていきたいのですが、中々時間がなくてすいません。
神様がうそをつく。 (アフタヌーンKC) (2013/09/20) 尾崎 かおり 商品詳細を見る |
アフタヌーンの集中連載が単行本化。
小学生の男女がヒミツを通じて一夏の静かな恋と冒険をする。ゆるやかな空気のなかで、子供ならではの息苦しさがだんだんと重くのしかかり、そこから開放される甘酸っぱい終盤の展開がとても気持ちがいいです。
話と核となる部分は、小学生が抱えるものとしてはあまりにヘビーなもので、途方にくれてしまうのもムリはない。
だからこそもがいて苦しんで、好きな子の手をつないで、戦ったり逃げたりして。誰にも見られず、こっそりと触れた相手の感触は、きっとお互い忘れられないものとなるのだろう。小学生の限界ですよねっ…!
片足が動かない猫。片親の不在。無神経なことば。チクチクと重たい要素が胸を差してきますが、エンディングもひとくちに丸く収まるわけでもない。とても現実的な距離を突きつけてきます。
だからこそ祈りたいのだ、と。必死に先へ進もうとする少年と少女の物語として、個人的に気に行ったラストです。願わくばもうちょっと未来も見てみたかったですがw
ヒロインの父親がなんの救いもないダメ親父だったんですけど、カバー裏をみて少しだけ、心が安らぎました。いい描き下ろしです。
富士山さんは思春期(2) (アクションコミックス) (2013/08/28) オジロ マコト 商品詳細を見る |
中学生カップルの清らかさといやらしさをノスタルジーたっぷりに描く日常漫画。もうね…ほんと…もー!!もー!!!もーーーー!!!!!
と思わず雄叫び上げたくなるような、かわいらしい一瞬がギュッとギュッと詰まっており、まさしくキラキラした青春を感じさせてくれる最近のお気に入り漫画。
その効力はおのれの中学生時代を懐古させ、むずがゆくほろ苦い味わいを思い出させます。とくになんのイベントもなかったけど。なんというかこう…中学生の空気が、びっくりするくらい生々しい気がする。でもそれが不快ではなく、とても嬉しい感覚をくれる。
ヒロインが中学生なのに身長180オーバー!主人公の男の子はチビ!という並ぶと見るからになんじゃおまえらという身長バランスが微笑ましすぎる!
初めてのお付き合いらしい、試行錯誤と臆病とリビドーの暴走と反省の連続。
2巻だとおっぱい見ちゃったり、同じ布団に入ってモゾモゾしてたら勢いあまりおっぱいに触れちゃうシーンがあるんですけど、それを咎めるヒロインのとっておきの一言が「アダルト!」ですよ。えっアダルトって。ここでスケベでも変態でもエロでもなく「アダルト」をチョイスするセンスに脱帽ですよ!ロマンですよ!はぁ~~富士山さん!!天使かよ!
女性作家らしい繊細な視点が土台にあるのもいいですね。あるあるとマニアックをふわふわさ迷いつつ、少年がどこを見てるか分かってるのが素敵です。共感と羨望がごちゃまぜに襲い掛かってくるこわい漫画。
僕の棺で晩餐を (花とゆめCOMICS) (2013/09/05) 草川為 商品詳細を見る |
「八潮と三雲」がつぎで最終巻なんて!そんなー!と嘆いていたら八潮と三雲新刊と同時に発売されたこの短篇集「僕の棺で晩餐を」がどストライクでしたーッ!
草川先生はこういうひんやりとした甘美な恋物語もイイですね…。
多くの作品が吸血鬼との出会いから連鎖したロマンスを描いたもの。切ない、ほろにがい読後感をのこしていく作品が揃っています。「八潮と三雲」とだいぶ方向性が違うのですが、個人的にはこういう路線も大好物。予期せぬ破壊力におもいっきり心揺さぶられてしまいました。
やはり吸血鬼というモチーフそのものが魅惑的で美しくて恐ろしくて、ロマンに溢れてる!
好きなのは表題作「僕の棺で晩餐を」。鋭い氷のナイフを思わせるクライマックスの切なさは絶品ですな。モノローグの言葉選びも慎重で、ぴったり合っています。
「星は暁のかげ」なんかは主人公のキャラクターが印象的。切迫した、情熱的な感情の発露に感動。「しのびごと」はラストシーンがなんとも美しいです。幽霊ネタは結構好きなんだなぁ。
喪失のむこうにある感情こそ尊いのかもしれない。冷たくて悲しい、けれど強い愛情を感じさせてくれる物語達でした。いいね…!またこういう単行本が読みたい。
失恋日記 (Feelコミックス) (2013/05/08) 柏木 ハルコ 商品詳細を見る |
ムック「まんが秘宝 男のための青春まんがクロニクル」のなかで、押見修造さんがこの本の話をしていたので買ってみました。柏木ハルコ作品は初体験です。
傷つけ合いボロボロになりながらも愛しあう男女の物語。短篇集ですが通しで読んでみると情熱的な漫画を描く作家さんだなぁと感じました。
冒頭に収録された「別れる」は薬によって恋心を無くせる社会を描いたもので、SFチックな背景が面白い。ですが本質は、自らその恋心を手放してしまおうとしながらもどうしようもなく傷つき涙を流す、泥臭さと生臭さまである女性の心理描写の凄まじさ。切ないけど力強い生命力も宿したお話だなぁ。
つづく「DIARY」はセンチメンタルが急加速する喪失の物語。女性のなまなましい感情をせんぶぜんぶブチまけ、その中に輝く愛おしさに気づく。なかなか得がたい感動がありました。もっと先を見てみたかったエンディングではあるけど、とても好き。
そして特にしびれたのが「裸のえろ」。かわいくてエロティックで、おいてけぼりにされたような哀しみがありますね…。押見先生もこれが好きらしい。
本題ではありませんがなにげに設定背景も興味深い。まだ徴兵制度がある日本が舞台なのかな。
「えろ」ちゃんのキャラが面白くて、おバカな子供のような、人懐っこい小動物のような、生身の欲求を持った女のような、絶妙なバランス。女に翻弄され安らぐ男の末路はぜひご確認を。
ユーモアがあり、切り裂かせるような切なさがあり、前向きさがあり、男と女のすれ違いがあり、おそろしい情念と、身を焦がす愛情があり…。味わい豊かな短篇集で、これは男女ともに読みやすく、かつなにかを残していく漫画なのではと思います。
僕は問題ありません (モーニングKC) (2013/08/23) 宮崎 夏次系 商品詳細を見る |
宮崎夏次系さん二冊目の単行本。
いかにも小難しい雰囲気漫画なような感触ではありますが、コイツがなかなかに染み入る。感傷的な青さが広がっているのです。
一冊目と同様になんとなく不条理系なムードを出しつつ、一冊目よりも人と人の距離感をじっくり見つめている、ような…?
世界の構想能力というか発想の面白さは相変わらず。加えてその中に人間の心を映し込んでおり、個人的には一冊目よりぐっと親しめる感じでした。
誰かが誰かに心動かされる瞬間を切り取った、独特の緊張感を放つシーンがいくつかあって、それがお気に入り。
「地図から」「線路と家」が好きです。幻想的な風景がいくつも散らばっていて、ページをめくる楽しさもきらめく一冊でした。シュールとセンチメンタルの融合。これからも追い続けてみたい作家のひとりです。
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