[漫画]フラグとは無意識のうちに折れている物である。『共学高校のゲンジツ』1巻
共学高校のゲンジツ 1 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕) (2012/09/28) 伊丹 澄一 商品詳細を見る |
毎朝チコク気味に、パンくわえて走ってまーす。
「共学高校のゲンジツ」1巻が発売されました。
同人誌即売会などのイベントによく行く方はご存知だったりするかもしれない、サークル「ItamiWorks」さんのコミックスです。自分もコミケかコミティアかで知った作家さんでした。
商業デビュー作となったこの「共学高校のゲンジツ」ですが、まぁやってることは大体同人でのあんな感じです。それではさくっと感想を。
共学高校にはいった!でもカノジョなんてできねーぞ!
キラっキラした青春を夢みて共学の高校に入学するも、そうそうに「現実は非常である」と突きつけられて涙目な男子たち。
彼らを中心とし、ゲンジツってこんなもんさ、な残念感を漂わす作品です。
普通のラブコメならここから物語が始まるだろうシーンを、あざとらしいくらいあっさりとスルーしていく(矛盾していそうな表現だけど)。それがむず痒く、笑ってしまうのだ。
ギャルゲーやりながら現実の女の子とのフラグを華麗にへし折って、友達同士で「フラグたたねーかなーw・・・立たねーな・・・」とかやってるの見るともう・・・!男子ってやーね!
というかフラグうんぬんより、わりとこの3人組、全然気がきいていないあたりもツボ。
仕事はおしつけるわ、物落としても拾ってあげられないわ。
女の子たちもガックシ来てますよ。でもこの男子たちのどーしよーもない感じ、好きだw
フラグをおられて残念がってる娘もいれば、なんてことないコミュニケーションもさらっと流されてしまって落胆してる娘も。「フラグ立たないかなぁ。そいたら絶対見逃さないぜ」と男たちのムダに自信アリげな言葉が虚しく響く・・・。たった今その瞬間に、お前らが折ったんだよ・・・。
積極的に攻めてくる女子Aもいますが、ことごとくチャンスを潰されています。この不憫っぷり・・・この調子でかわいそうなまま突き進んで欲しいな・・・!
というのはコミックス前半までの話。後半は・・・なんか・・・普通にラブコメや・・・。
いやいいんです。ラブコメ好きなんです。大好き。でもよぉ・・・この漫画、「共学高校のゲンジツ」ってタイトルでされたら・・・許せない!ニヤニヤしながら楽しんでるけど、許せない!
一冊読み終えた中だと、第3話あたりのノリが1番好きです。この残念っぷり。
でもちゃんとまっすぐラブコメやりだしたら、それはそれでちゃんと面白かった。
おそらくはメインヒロインである保延さん。彼女はデフォでスカートの下にジャージ来ています。色気ないよ!これじゃパンチラも期待できない!
あーでもこの全然そーいううれしはずかしなイベントを期待できない、距離の近い友達づきあいやってるのを見るとクソが!!!思ってしまいますわがままですいません!
「あれ?もしかして今私のこと意識しちゃった?」みたいにおちょくってくる女友達!こんなのヒドいよ!ストライクだよ!!
表情を変えないものだから、冗談か本気か読めなくて。うまいこと手のひらで転がされてしまう…!というか何だよ。これでフラグ立ってなかったらなんなの。なんなのフラグって。
そんな感じでだら~っと共学高校の日常を描いていく作品です。
インターミッション的に話のあいだに収められた、番外編?もニヤリとします。
非日常を探し求め奔走する名前も顔も知れない女生徒・・・頑張ってくれ・・・。
あと謎の先生が鬼気迫る名言を放っており、お気に入りです。
な、なるほど・・・。
この作家(サークル?)さんらしさは存分に発揮されている一冊だと思いますが
やっぱりもうちょいナカミが欲しいかなと感じる一面もあり。
1話1話が短く、一発ネタというか ストーリーのうねりが少ないです。というかストーリー性もとめるのは間違いかな。
まぁ、ここから本格的な青春ものにシフトしていってしまっても、現実のうまくいかない残念っぷりを描いていく本作の土台が崩れてしまうので、このままでいいかw
ショートコメディですけど、ちゃんとキャラは立っています。回を重ねていくうちに深まっていく部分もあるだろうし、やっぱり残念なところがもっと見られるだろうし。続き楽しみです。
軽いかもしれないけど、ちゃんとこの作品ならではの味もあります。
アニメや漫画みたいなドラマティックな非日常を探し求め―――
今日もなんでもないように現実的な1日を過ごしましょう。
リアルだけど、残念だけど、いいこともたまにあるよ。見落としているだけで。
あと自分の匂いを気にしちゃう親友系不良ボーイッシュ女子(意外と頭がいい?)もとても可愛いで、さっさと保延さんとのトライアングルラブコメを突き詰めて行ってもらいたい。願望。
『共学高校のゲンジツ』1巻 ・・・・・・・・・★★★☆
これが現実だ、残念だ、といいつつさらっとラブコメやっちゃってる系のヤツだよ!しまった俺そういうの好きだった。もう一歩でなにか繋がりそうなのが見える分もどかしい漫画です。
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