[漫画]いがみあい認めあう女の子たちの闘い。 『ねじまきカギュー』2巻
ねじまきカギュー 2 (ヤングジャンプコミックス) (2011/09/16) 中山 敦支 商品詳細を見る |
愛は風紀より尊い
みんな大好き「ねじまきカギュー」2巻が発売されましたよ!
今回もクレイジーに愛の溢れるバトルとストーリーが展開されていきます。
勢い重視の作品なのでもう細かいことはいいのです。GoGo。
ちなみに今回のオビには鈴木央先生の推薦コメントが。
1巻はメインのカギューちゃんの魅力を前面に押し出した、キャラクター紹介をじっくりと迫力たっぷりに描いていくような内容でした。
それと比べると2巻は、まず舞台となる学園の設定や、これから主人公たちが立ち向かっていくのであろう敵対組織の詳細、そしてサブキャラクターたちの活躍等が描かれており、今後に向けて世界観を広げに来た巻だという印象です。
最初から目立ったものとしては、舞台の学園の設定。
生徒数1万人、敷地面積は東京ドーム100個ぶんというこの作品らしいぶっ飛んだスケールと、掲げる校訓「絶対個性主義(キャライズム)」がユニークで面白いです。
1巻出だしから変人ばかりであることに後から理由をつけた感じがいいですね!
そういうところもこの作品の好きなところですよ、自由なのに説得力あるというか。
そしてひとまずカギューちゃんたちと敵対する学園の番人・風紀四天王が登場。
不純異性交遊、しかも生徒と教師という禁断の関係を絶たんと、カギューちゃんや鴨先生に対抗する組織としていっきに台頭してきました。鴨先生に争うつもりは全くないんですけどね・・・。
また、まだ物語に強く関与はしてきてはいないものの、明らかに異質なオーラを放つキャラクターも新登場です。
この個性的すぎる学園の理事長を務める人物。
あれっ、トラウマイスタの社長さんじゃないですか!
スターシステム的なものでしょうか。性格とか言動の意味不明感も相変わらずです。
底の見えない恐ろしさを持った理事長。この先きっと活躍するでしょうし、彼がどんなサプライズを見せてくれるか、楽しみになってきましたね!
しかし2巻で目覚ましいものと言えば、この2巻表紙となっている2人の女の子。
1巻ではカギューちゃんのライバルキャラだった揚羽ちゃん(表紙左)と富江ちゃん(右)です。
敗北してからはかぎゅーちゃんの友人ポジションに収まった2人ですが
1巻のころからどうもウマが合わないようで、2巻ではついに怒りが爆発します。
そんなことしてる場合じゃないってのにー!
カギューちゃんの前でこそ大人しい2人ですが、本来は登場時に見せた危なっかしさを持っています。ガチで相手を殺しにかかります。容赦ねぇ。
でも本当の目的とイラだちの原因を2人が見つけた時、2人は手を組むのです。
揚羽と富江のこの関係がとても好き。友情ではなくもっと露骨で、キレイなものではない。でも2人ともが、自分よりなによりカギューちゃんが好きなのだ。
もともとは鴨先生を好きだったのに、ライバルであるカギューちゃんに蹴散らされ、彼女の生き様にまた心奪われた女の子たち。
そしてこの息の合い様である。お前ら本当は普段からもっと仲良くできるだろ!
でもきっとそうできないのが彼女たちの不器用さで、かわいらしさかな。
彼女たちは慣れ合いを好まない。それでも共闘するのは、憎み合ってはいてもお互いの力を信じているからなんだろうなぁ。ライバルとしていがみあい、認めあえる関係。いがみ愛・認め愛かー!
という感じの第2巻。
カギューちゃんの活躍が1巻と比べると減りましたが、それでも物語のテンションが下がりません。サブキャラクターたちの強烈さに目が離せなくなるのです。
いろんな面で『濃い』面白さが発揮されているシリーズだと思います。
それとこの作品、1話1話のテンポがとてもよく、1冊通してもスピーディに読み上がりますが、単行本で読み終えたときの満足感や、胸に残るインパクトの大きさがいいですね。余韻というか、なんかすごい漫画読んだぞっていう感覚がじわじわと来るというか。
ただインパクトは視覚的なものによるものがまだ大きくて、それでも最高に楽しめているんですが、さらに一歩進めてキャラの奥深い魅力を活かしたものに成長していくと、より嬉しいかも。
理屈抜きの力強さとカオスをたたえた作品ですが、物語もこれからさらに盛り上がっていってくれそうで期待。流れ的に3巻はきっとカギューちゃんが熱くなりそうですし・・・!
和み系な巻末オマケ漫画も必見の2巻でした。3巻マーダー
『ねじまきカギュー』2巻 ・・・・・・・・・★★★☆
主役陣以外の魅力も際立ってきた2巻目!今回もぶっ飛んだ1冊。
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