「高木さん」も輩出したゲッサンminiが結構スゴいので読んでほしい
いやぁ「からかい上手の高木さん」のアニメは最高ですね。
幸せすぎる。自分をふりかえって鬱になるとか無い無い。そんなの通り越して高木さんがかわいい。
ちょっと昔のJ-POPのカバーソングを採用するっていうセンスも良すぎませんか。
今やあだち充先生のMIXと並ぶ、ゲッサンの大看板に成長した「からかい上手の高木さん」ですが、もとは雑誌連載ではありませんでした。はじまりは雑誌の付録冊子。ゲッサンにたまについてくる付録「ゲッサンmini」にシリーズ掲載されていき、ネットで人気がワッと拡大して本誌昇格。そっからはゲッサンお前なんかい高木さんを表紙にしてんだよ状態。新人さんが大出世ですよ。ついにアニメも始まりました。
本題ですが。ゲッサンminiはかなりヤバいです。
新しい個性がバンバン飛び出す、滅茶苦茶いい舞台になってます。
創刊号からゲッサンを購読してるので贔屓目ではありますが・・・
「からかい上手の高木さん」が誕生した聖地として、改めて取り上げてみたいと思います。
過去に掲載された中から個人的にお気に入りの作品をプレイバック。
なんとありがたいことに過去作はpixivコミックで読める!
あと最近うぇぶりで「ゲッサンルーキーズ」というコーナーが設けられ毎週作品が掲載されてます。
まぁゲッサン大好きマンの書く記事なので、小学館の回し者程度に思って読んで下さい。
空虚な人たち/吉川皓也(ゲッサンmini2017春掲載)
完全に天才。
ドロリと濁ったような妖しいペンタッチがクセになる。明らかにおかしいテンポが病みを感じさせる。けれど描かれる世界はどこかコミカルでもあったり、キャラクターがしっかりと息づいた魅力的な、魅惑的な漫画を描かれる新人さんです。
なんでこの人は数あるコミック誌からゲッサンを選んだんだと思わなくもない作風。でも読んでみると、不思議とゲッサンの空気からは外れていない(と、思うけどどうなんでしょう・・・
掲載当時から一部界隈がにわかに沸き立っていたこの読み切り。
物語の流れも素晴らしい。インモラルな空気とケロッとしたままの主人公の対比が面白いし、風景がゴチャっと猥雑で。混沌とした空気がたまらない。全編通して無機質じみた雰囲気の中で、かすかに動きをみせる少女の表情ひとつひとつに目が止まる。
語りすぎず、かと言って冷めきってもいない。漫画としての設定温度が絶妙。
いま自由に読める作品はこれだけですがゲッサンで過去に掲載された読み切りもそれぞれ尖りまくってました。埋もれさせてはいけない作品たちです。ぜったいに作品集を出してくれよな・・・!
これが初掲載された作品。
どれもこれも、個性とエンタメの両立が素晴らしい。(ゲッサンmini+2)
おと・ふと/井上まい (ゲッサンmini2016秋掲載)
読み切りとしての完成度で言ったらmini個人的に史上最高峰ですね。
童話的な設定で、見事なストーリー展開と仕掛け。あとは柔らかなタッチが世界観にピッタリ。
夫を探すために禁忌の森へ入った少女が出会ったのは、醜いクマのようなばけもの。不思議な関係がはじまり、少しずつ暖かな空気となっていくんですが・・・
作画のレベルも高いし雰囲気も最高、ラブストーリーとしてもグッとくる。これも埋もれておいてしまってはもったいない名作ですよ。
井上まい先生は「春のムショク」という作品を連載を始めており、もう少ししたら1巻が出るかなーという感じ。
こちらの一捻りが隠された青年と少女の物語。
井上まい先生の作品はやさしい柔らかな世界観で、ギュっと心が締め付けられるような切なさ、叙情をひと味加えるのが上手い。追いかけていきたい作家さんです。
(デカッ)
16歳でデビューを飾った仲沢ゆうか先生の作品を紹介。
ツイッターで貼られた作品は本紙掲載だったのでいまWEBでは見られないんですが、読める2作を。
東京ハイドソング (ゲッサンmini2016秋)
「東京ハイドソング」。音楽で殺され、音楽に救われていく人間のお話。心をへし折れる瞬間をばっちり描いてくれるので結構しんどいお話なんですが、そのぶんスカッとしますね。主人公の冴えないキャラクター性とか好きだったので、連載になったりしないかなーと密かな期待を寄せている。
この主人公がのし上がっていくの見たいよな。
吉野のおわり (ゲッサンmini2018冬)
「吉野のおわり」はこないだ掲載されたばかりの最新作。あまりにもエモ雪を多用してくるため問答無用で心臓に圧をかけてくる。
いきなり幼馴染に先立たれ始まる物語。非常にモノローグ的な短編なんですが、それゆえに作家さんのセンスがむき出しになっている。イラストとポエムの融合率の高さよ。
少年の死後、思い出をたどりながら自分の思いを見つめ直していく。無くしてから気づく。あれは恋なのだったのだと。
僕と彼女の発明(ゲッサンmini+ 7号)
犬養友先生の作品は結構いろんな方向性の作品を発表しています。ちょっとブラックだったりほんわか系だったり。その中でも1番お気に入りの作品。
天才がゆえにクラスから浮いてしまった少女と、素直になれないけれど彼女を見守る主人公の、思春期全開のこそばゆいお話。ラブコメと呼べるほどハッピーでもないけれど、少しだけ社会からはみ出したってそれでもいいじゃんって気楽に笑ってくれるような開放的なラストが印象的。
欠席0 (ゲッサンmini2017秋)
真田先生は近年のゲッサンのデビュー作家の注目株。エモいやつ描いてくれる人です。
絵柄の可愛らしさとキャラクターたちの掛け合いがなんともおかしくて、それなのにこの作品みたいに心にチクリとトゲが残るような作品を描いてくれる。侘び寂びですよね(???)
終盤のヒロインの表情で一発で心を鷲掴みされました、すべて物語ってますよ、そしてこれが全てなんだよな。
おかえりやさしい季節 (ゲッサンmini2017冬)
菊屋あさひ先生の描く作品は、作中で炸裂する感情がメチャクチャ生々しい。
怒りも悲しみも虚無も自己嫌悪を、ネガティブでしかも身に覚えがある葛藤を描くことが多い。
行き場のない気持ちを、どう落とし込むか。解決も解消もされないたったいま目の前にあるリアルと、どう向き合うか。
内省的なテーマを描き続けるがゆえに、きっと刺さる人にはぶっ刺さる殺傷能力の高さがたまらない。尖った作家さんが好き。よむたびに傷ついて、そしてちょっとスッキリする。自傷行為に似た。
あと新作がサンデーうぇぶりで公開されてます。2作。
海の底のヨーコ先生 http://www.sunday-webry.com/contents/33677
くっら。どうなってんだよ。でもラストの演出とか目頭が熱くなってしまう。家族というある種の牢獄、強すぎる繋がりに縛られ苦しむ人のリアルな痛みが、そしてほんの少しの救いがある。
ごめんなさいの夕暮れ http://www.sunday-webry.com/contents/34077
くっらい、くらいよ。一生引き摺ってしまいそうな思春期のトゲ、暗い罪悪感。うんうん、それもまた百合だね。たまらんやつです。
雑誌をよむ楽しみって、好きな連載を追うことはもちろん、新人さんの作品にいちはやく触れることができることだと思ってます。好きな雑誌に新しく載る作家さんって、それだけで自分へのヒット率高いし。
そういう意味でゲッサン系の新人作家さんは個人的にお気に入りがとても多くて
いっかいどこかで紹介したいと思ってたので今回記事にまとめてみました。
ゲッサンは新人さんの漫画だけ載った別冊付録がつくのも嬉しい。アフタヌーンは四季賞ポータブルをやめてしまいましたからね・・・。今後も続けてほしい。
幸せすぎる。自分をふりかえって鬱になるとか無い無い。そんなの通り越して高木さんがかわいい。
ちょっと昔のJ-POPのカバーソングを採用するっていうセンスも良すぎませんか。
今やあだち充先生のMIXと並ぶ、ゲッサンの大看板に成長した「からかい上手の高木さん」ですが、もとは雑誌連載ではありませんでした。はじまりは雑誌の付録冊子。ゲッサンにたまについてくる付録「ゲッサンmini」にシリーズ掲載されていき、ネットで人気がワッと拡大して本誌昇格。そっからはゲッサンお前なんかい高木さんを表紙にしてんだよ状態。新人さんが大出世ですよ。ついにアニメも始まりました。
本題ですが。ゲッサンminiはかなりヤバいです。
新しい個性がバンバン飛び出す、滅茶苦茶いい舞台になってます。
創刊号からゲッサンを購読してるので贔屓目ではありますが・・・
「からかい上手の高木さん」が誕生した聖地として、改めて取り上げてみたいと思います。
過去に掲載された中から個人的にお気に入りの作品をプレイバック。
なんとありがたいことに過去作はpixivコミックで読める!
あと最近うぇぶりで「ゲッサンルーキーズ」というコーナーが設けられ毎週作品が掲載されてます。
まぁゲッサン大好きマンの書く記事なので、小学館の回し者程度に思って読んで下さい。
空虚な人たち/吉川皓也(ゲッサンmini2017春掲載)
完全に天才。
ドロリと濁ったような妖しいペンタッチがクセになる。明らかにおかしいテンポが病みを感じさせる。けれど描かれる世界はどこかコミカルでもあったり、キャラクターがしっかりと息づいた魅力的な、魅惑的な漫画を描かれる新人さんです。
なんでこの人は数あるコミック誌からゲッサンを選んだんだと思わなくもない作風。でも読んでみると、不思議とゲッサンの空気からは外れていない(と、思うけどどうなんでしょう・・・
掲載当時から一部界隈がにわかに沸き立っていたこの読み切り。
物語の流れも素晴らしい。インモラルな空気とケロッとしたままの主人公の対比が面白いし、風景がゴチャっと猥雑で。混沌とした空気がたまらない。全編通して無機質じみた雰囲気の中で、かすかに動きをみせる少女の表情ひとつひとつに目が止まる。
語りすぎず、かと言って冷めきってもいない。漫画としての設定温度が絶妙。
いま自由に読める作品はこれだけですがゲッサンで過去に掲載された読み切りもそれぞれ尖りまくってました。埋もれさせてはいけない作品たちです。ぜったいに作品集を出してくれよな・・・!
これが初掲載された作品。
どれもこれも、個性とエンタメの両立が素晴らしい。(ゲッサンmini+2)
おと・ふと/井上まい (ゲッサンmini2016秋掲載)
読み切りとしての完成度で言ったらmini個人的に史上最高峰ですね。
童話的な設定で、見事なストーリー展開と仕掛け。あとは柔らかなタッチが世界観にピッタリ。
夫を探すために禁忌の森へ入った少女が出会ったのは、醜いクマのようなばけもの。不思議な関係がはじまり、少しずつ暖かな空気となっていくんですが・・・
作画のレベルも高いし雰囲気も最高、ラブストーリーとしてもグッとくる。これも埋もれておいてしまってはもったいない名作ですよ。
井上まい先生は「春のムショク」という作品を連載を始めており、もう少ししたら1巻が出るかなーという感じ。
こちらの一捻りが隠された青年と少女の物語。
井上まい先生の作品はやさしい柔らかな世界観で、ギュっと心が締め付けられるような切なさ、叙情をひと味加えるのが上手い。追いかけていきたい作家さんです。
とにかく読んでください!!
— ゲッサン編集部 (@gessanofficial) 2016年3月11日
弱冠16歳の瑞々しい感性に編集部一同震撼!!
第80回ゲッサン新人賞準グランプリ受賞作、
『左斜め前からの救世主』仲沢ゆうかを緊急掲載!!?
『ゲッサン4月号』は本日発売!! pic.twitter.com/wpQfqyipIK
(デカッ)
16歳でデビューを飾った仲沢ゆうか先生の作品を紹介。
ツイッターで貼られた作品は本紙掲載だったのでいまWEBでは見られないんですが、読める2作を。
東京ハイドソング (ゲッサンmini2016秋)
「東京ハイドソング」。音楽で殺され、音楽に救われていく人間のお話。心をへし折れる瞬間をばっちり描いてくれるので結構しんどいお話なんですが、そのぶんスカッとしますね。主人公の冴えないキャラクター性とか好きだったので、連載になったりしないかなーと密かな期待を寄せている。
この主人公がのし上がっていくの見たいよな。
吉野のおわり (ゲッサンmini2018冬)
「吉野のおわり」はこないだ掲載されたばかりの最新作。あまりにもエモ雪を多用してくるため問答無用で心臓に圧をかけてくる。
いきなり幼馴染に先立たれ始まる物語。非常にモノローグ的な短編なんですが、それゆえに作家さんのセンスがむき出しになっている。イラストとポエムの融合率の高さよ。
少年の死後、思い出をたどりながら自分の思いを見つめ直していく。無くしてから気づく。あれは恋なのだったのだと。
僕と彼女の発明(ゲッサンmini+ 7号)
犬養友先生の作品は結構いろんな方向性の作品を発表しています。ちょっとブラックだったりほんわか系だったり。その中でも1番お気に入りの作品。
天才がゆえにクラスから浮いてしまった少女と、素直になれないけれど彼女を見守る主人公の、思春期全開のこそばゆいお話。ラブコメと呼べるほどハッピーでもないけれど、少しだけ社会からはみ出したってそれでもいいじゃんって気楽に笑ってくれるような開放的なラストが印象的。
欠席0 (ゲッサンmini2017秋)
真田先生は近年のゲッサンのデビュー作家の注目株。エモいやつ描いてくれる人です。
絵柄の可愛らしさとキャラクターたちの掛け合いがなんともおかしくて、それなのにこの作品みたいに心にチクリとトゲが残るような作品を描いてくれる。侘び寂びですよね(???)
終盤のヒロインの表情で一発で心を鷲掴みされました、すべて物語ってますよ、そしてこれが全てなんだよな。
おかえりやさしい季節 (ゲッサンmini2017冬)
菊屋あさひ先生の描く作品は、作中で炸裂する感情がメチャクチャ生々しい。
怒りも悲しみも虚無も自己嫌悪を、ネガティブでしかも身に覚えがある葛藤を描くことが多い。
行き場のない気持ちを、どう落とし込むか。解決も解消もされないたったいま目の前にあるリアルと、どう向き合うか。
内省的なテーマを描き続けるがゆえに、きっと刺さる人にはぶっ刺さる殺傷能力の高さがたまらない。尖った作家さんが好き。よむたびに傷ついて、そしてちょっとスッキリする。自傷行為に似た。
あと新作がサンデーうぇぶりで公開されてます。2作。
海の底のヨーコ先生 http://www.sunday-webry.com/contents/33677
くっら。どうなってんだよ。でもラストの演出とか目頭が熱くなってしまう。家族というある種の牢獄、強すぎる繋がりに縛られ苦しむ人のリアルな痛みが、そしてほんの少しの救いがある。
ごめんなさいの夕暮れ http://www.sunday-webry.com/contents/34077
くっらい、くらいよ。一生引き摺ってしまいそうな思春期のトゲ、暗い罪悪感。うんうん、それもまた百合だね。たまらんやつです。
雑誌をよむ楽しみって、好きな連載を追うことはもちろん、新人さんの作品にいちはやく触れることができることだと思ってます。好きな雑誌に新しく載る作家さんって、それだけで自分へのヒット率高いし。
そういう意味でゲッサン系の新人作家さんは個人的にお気に入りがとても多くて
いっかいどこかで紹介したいと思ってたので今回記事にまとめてみました。
ゲッサンは新人さんの漫画だけ載った別冊付録がつくのも嬉しい。アフタヌーンは四季賞ポータブルをやめてしまいましたからね・・・。今後も続けてほしい。