[漫画]最近読んだ漫画の感想メモ(10/16)
すっかりひどい更新ペースが板についてきた10月中旬!
ラブライブの6thシングルのMVがいいですね、プリンセスですね。
感想かきたい漫画は溜まりっぱなしなんですけど、とりあえず今回は6作。
新刊が発売されるたびに、読む前に緊張してしまう作品はそうはないな。作品のすべてから力強い覚悟のパワーが放たれてて。すごい作品だ、3月のライオン。
前回、8巻は「男の勝負!」といえる熱いあつい内容でした。
→炎に焼かれ、嵐の中で戦い続ける者たち。『3月のライオン』8巻
一転、新刊は華やかなヒナちゃんの表紙。今までで今までガーリーなイラストな気がするw
今回は登場人物たちの日常がクローズアップされていたような印象。
例えばヒナちゃんは高校生になりました。高校受験を目前にいろいろ考え事をするのですが、そのモノローグが包み込んだ人生の痛みとか幸福とか侘しさだとか、沁み入るものがありました。
「忘れては いけないんだ」の力強さよ…!この作品がくれる言葉はいつも染みおる。新しい髪型もかわいいじゃない!!
着実に零くんへの気持ちが大きくなっているように見えて、恋愛面でも胸ほっこりですよ。
またヒナちゃんと対立した女学生、高城の空虚さが描かれたのもよかった。
彼女への批判というより、その問題に向き合った教師がふかく悩みこんだのがいい。いい先生だよ。そしてヒナちゃんをよくぞあそこまで傷つけやがったなクソがという怒りが、こんな形でスッとと溶けたのでびっくり。
教室でとりのこされたように、1人で目を丸くしている高城の絵は忘れられない。
無邪気な大人たち。土橋九段と宗谷名人のエピソードは、そんなことを思わせてくれます。
勝負の世界にのめりこんで、見ておるこちらが心配になるようでも、当人たちは童心のまま、ただただ将棋漬け。
それを支える家族の苦労を描いたエピソードですが、浮かび上がるのはやはり将棋の世界に生きる人たちの不思議な生き様か。残酷なくらい自分を削って、なにも残らないくらいの覚悟で切り詰めて、それでも将棋は楽しくって。
宗谷名人にこんな友人(ライバルか)がいたのは、とても嬉しいかも。
今回も読み応えバッチリでよかった。流れていく時の寂しさと楽しさ。
表紙からアピールしていますが、、王道(?)の男女入れ替わりものです。
しかしこの作品が目を引くのは、主人公たちが心と身体が入れ替わったまま、成長していくということ。1巻の収録分時点で、小学生から中学生に進学。3年以上の月日が流れました。
本来の性とはちがう身体となった男の子と女の子。ましてや大きな変化をとげる思春期のまっただなか。男のはずなのに女の子として、女のはずなのに男の子として成長していく。アンバランスな関係、心と身体。
揺れに揺れる2人の不思議な日々は甘酸っぱく、そして結構ほろ苦い…っ!
異性についての発見をとまどいながら繰り返していく性転換ものの醍醐味もあり、そして相手の深いところを理解していくドラマも面白い。
知らなかったこと、知ろうとしなかったこと、または自分が隠していたこと。心の交流の様子が面白いのですね。
個人的にはやはり生理が訪れたエピソードはグッときました。やさしい絵柄で結構突き刺さることを書いてくれますね。
WEB版もまだ読めます。http://banbi.omiki.com/ (「ちぇんじ」というタイトル)
微妙にイベントの時系列が違っていたり、あのシーンがあったりなかったり。微妙な違いを楽しめるのでは。ちなみにまだ単行本では未到着の「高校生編」は色恋沙汰のこじれっぷりに激しく悶えるオッシャオッシャな出来栄えなので今から商業版で読めるのが楽しみっですよ!!
あと買ったら特典ペーパーがついてきまして…入れ替わり後にはじめてののおふろに臨むお話でした。なぜ!!これを!!!本編でやらないんだ!!!!ほんとに行間が気になるよ!!「ヤベぇ ヤバかった…女のからだってやばい……」ってナニがあったんだよ!
ひとくちサイズの青春劇。女子校につとめる男性教師がいちおうの主人公です。
女の子たちのきっと「あるある」な日常を、こまかくこまかく切り取っていくオムニバス作品。
なんとほとんど4ページ以内で1話が終了します。サクサク次のエピソードへ移る。すごいのが、そんな短いのに一作一作ちゃんとオチがあってまとまりがあること。
まるで美味しいところだけを味わっているような、なんとも贅沢な感慨がわくのですw じっさい新人さんでこのアイデアの豊富さは頼もしい。
ノスタルジックで、甘くて酸っぱくて苦々しくて、傷ついたり傷つけられたりバカなことしたりして。
暖かな賑やかさと冷え冷えとした後悔が入り混じって、これだ!これだよ青春ってのは!と大興奮しながら読みました。
青春の中にただよう喜怒哀楽さまざまな感情を、いろんな角度から拾い上げている。
物語の面白さと、ショートショートの異常なテンポの良さが余計に好感度をあげています。トゲがったり、すごく包容力があったりと、作品そのものの懐がとても深い感じ。
絵柄も老若男女したしみやすいフラットなものだと思いますし、いろんな人に読んでもらいたいなと思うのです。
しかしまぁ、ショートショートという構造上、それほど爆発力はない。「これ長めの頁数でじっくりと読みたかったなー!」というエピソードはたくさんあります。
いろんな物語をひとくちサイズに楽しめる贅沢さも嬉しいですが、どことない勿体なさも感じることは確かでした。それにポンポンと美味しいシチュ・美味しいセリフを展開させていくので、ネタ切れは大丈夫かしらといらん心配をしてしまったり。
コンセプト的に難しいかもしれませんが、たまには中編的に15P~20Pくらいでじっくり取り組んだ一話があってもいいのかもしれない。というかそれを俺が読んでみたい!!これだけ短いペーシ数で余韻たっぷりなお話を紡げるのだし、いろんな構成を見てみたくなる。
四季賞ポータブルに収録されていた投稿作バージョンが単行本には載っていなかったのが残念ですが、とても気に入ってる作品であり作者さんです。2巻以降でも胸しめつけられたい。
モアイで試し読みできるんですね。気になったらこちらで。
裏表紙の作品紹介を読んで惹かれたので購入。試し読みはこっち。
見た目は人相のわるいただのトド。憎たらしいのに憎めない。そんなトド山さんとお付き合いしているのは普通の地味OL、優子さん。
どこにでも動物がいて、歩くし話すし働いている、そんな世界。この現代ではとくに珍しくともなんともない2人の日常は、いや読者から見たらおかしな光景の連発ですよって。
普通の恋人のやりとりがなんとも言えぬ面白さを生みだす、同棲カップル日常4コマ漫画。
癒されます。
やってることは、きっと普通に人間同士のカップルと一緒なんですよ。
でもところどころに「俺、ヒトじゃなくてトドだしさー」と言いたげにトド山さんが予想外なところにオチを持って行ってくれて、それが楽しい。トドなのに人間みたいなこと言ったりやったりする、それだけでも見てて面白いからズルい!
地味系OLの優子さんは一途で思慮深く、本当に地味なんだけどなんだか読んでて愛おしくなってくる存在。地味だけどオシャレするとかわいい。地味だけど。
それで困ったことに、ヘラヘラと気楽に読んでいた所、不覚にもほろり泣いてしまいましたよ…。家族愛のようなものを、きっと感じたのだと思う。それはトド山さんのおとっつぁんに関してもそうだし、トド山さんと優子さんの関係にしてもそう。
出オチのような設定なんだけど、ちゃんと奥深い人間臭さが出ている。予想外にハマらせてもらいました。同棲カップル漫画だけど片方トドなもんで、変なナマナマしさを感じずサラッと楽しめるのもツボです。
とは言えふだんから性生活があることが伺えるネタもありますが………様子を想像するにシュールすぎると思う。
あとはモリタイシ作品をふたつ。
終わったーーー。全4巻。「いでじゅう!」からモリタイシ作品を追っていますが、新境地に至った作品だったと思います。面白かった。
美少女観察漫画のような、中学生のあすかちゃんと出会った周囲の人たちのお話。
やっぱりあすかちゃんは可愛くてそれだけで癒される。今回もいろんな表情を見せてくれました。
人情話もあればマニアックなエロスの世界に旅立つドキドキなものもあります。
知らず知らずのうちのその純粋さ、可憐さから、まわりを少し幸せにしたり笑顔にしたり、はたまた混乱させたり。かわいい女の子がそこにいるだけで救われることもある…!
1巻のころはたまに目がこわくなっちゃってる時もありましたが、4巻ともなると絵の安定感も完璧ですね。それでもあの特徴的な瞳は変わらず。好奇心旺盛なネコのような、光のつよくするどい目。これがいいのだ。今回の裏表紙とか、ベストショットですね。
物語は終わったけれど、きっといつまでも、こんな女の子がいたらって、ふと思い出してはフワフワな気分になれるんだろうな。フォーエバーあすかちゃん。
そういえば連載期間で言うならモリタイシ最長作品になったんですねぇ。
やっぱり最後はパンツで〆。おつかれさまでした。
同時発売された「くちびるに歌を」の単行本1巻。
こちらは中田永一さんの同名小説を原作とした、モリタイシさん初めてのコミカライズですね。中田永一といえば「百瀬、こっちを向いて」は大好きなのですが、この作品は未読。
で、「原作のファンですが、このコミック化はアリです!」とか乙一がオビで書いているのがなんともかんとも。扱いにこまるよw
アンジェラ・アキの「手紙~拝啓 十五の君へ」がストーリーの柱となっています。これは2008年のNHK合唱コンクール中学校の部の課題曲になっていたもので、この作品でも合唱を通じて深まっていく青春模様が描かれています。
1巻の段階では話は大きな動きを見せていませんが、じわりじわりと広がってくる青春らしい空気がとても好きな感じ。迷い、怒り、照れ。男子と女子が相手を意識しすぎてギクシャクしちゃってるあの思春期の感触。
やたら女体を強調するモリタイシエッセンスも隠れずバッチリ存在していますが、原作の淡い水色の世界が生き生きとしてますね。
雑誌では見られなかった、登場キャラクターそれぞれが書いた「15年後の自分への手紙」が単行本で収録されていたのがグッときました。
クセモノっぽい長谷川コトミさんがいまのところ一番気になる。主人公の今後の成長にも期待が持てる。
ラブライブの6thシングルのMVがいいですね、プリンセスですね。
感想かきたい漫画は溜まりっぱなしなんですけど、とりあえず今回は6作。
3月のライオン 9 (ジェッツコミックス) (2013/09/27) 羽海野チカ 商品詳細を見る |
新刊が発売されるたびに、読む前に緊張してしまう作品はそうはないな。作品のすべてから力強い覚悟のパワーが放たれてて。すごい作品だ、3月のライオン。
前回、8巻は「男の勝負!」といえる熱いあつい内容でした。
→炎に焼かれ、嵐の中で戦い続ける者たち。『3月のライオン』8巻
一転、新刊は華やかなヒナちゃんの表紙。今までで今までガーリーなイラストな気がするw
今回は登場人物たちの日常がクローズアップされていたような印象。
例えばヒナちゃんは高校生になりました。高校受験を目前にいろいろ考え事をするのですが、そのモノローグが包み込んだ人生の痛みとか幸福とか侘しさだとか、沁み入るものがありました。
「忘れては いけないんだ」の力強さよ…!この作品がくれる言葉はいつも染みおる。新しい髪型もかわいいじゃない!!
着実に零くんへの気持ちが大きくなっているように見えて、恋愛面でも胸ほっこりですよ。
またヒナちゃんと対立した女学生、高城の空虚さが描かれたのもよかった。
彼女への批判というより、その問題に向き合った教師がふかく悩みこんだのがいい。いい先生だよ。そしてヒナちゃんをよくぞあそこまで傷つけやがったなクソがという怒りが、こんな形でスッとと溶けたのでびっくり。
教室でとりのこされたように、1人で目を丸くしている高城の絵は忘れられない。
無邪気な大人たち。土橋九段と宗谷名人のエピソードは、そんなことを思わせてくれます。
勝負の世界にのめりこんで、見ておるこちらが心配になるようでも、当人たちは童心のまま、ただただ将棋漬け。
それを支える家族の苦労を描いたエピソードですが、浮かび上がるのはやはり将棋の世界に生きる人たちの不思議な生き様か。残酷なくらい自分を削って、なにも残らないくらいの覚悟で切り詰めて、それでも将棋は楽しくって。
宗谷名人にこんな友人(ライバルか)がいたのは、とても嬉しいかも。
今回も読み応えバッチリでよかった。流れていく時の寂しさと楽しさ。
思春期ビターチェンジ(1) (ポラリスCOMICS) (2013/10/15) 将良 商品詳細を見る |
表紙からアピールしていますが、、王道(?)の男女入れ替わりものです。
しかしこの作品が目を引くのは、主人公たちが心と身体が入れ替わったまま、成長していくということ。1巻の収録分時点で、小学生から中学生に進学。3年以上の月日が流れました。
本来の性とはちがう身体となった男の子と女の子。ましてや大きな変化をとげる思春期のまっただなか。男のはずなのに女の子として、女のはずなのに男の子として成長していく。アンバランスな関係、心と身体。
揺れに揺れる2人の不思議な日々は甘酸っぱく、そして結構ほろ苦い…っ!
異性についての発見をとまどいながら繰り返していく性転換ものの醍醐味もあり、そして相手の深いところを理解していくドラマも面白い。
知らなかったこと、知ろうとしなかったこと、または自分が隠していたこと。心の交流の様子が面白いのですね。
個人的にはやはり生理が訪れたエピソードはグッときました。やさしい絵柄で結構突き刺さることを書いてくれますね。
WEB版もまだ読めます。http://banbi.omiki.com/ (「ちぇんじ」というタイトル)
微妙にイベントの時系列が違っていたり、あのシーンがあったりなかったり。微妙な違いを楽しめるのでは。ちなみにまだ単行本では未到着の「高校生編」は色恋沙汰のこじれっぷりに激しく悶えるオッシャオッシャな出来栄えなので今から商業版で読めるのが楽しみっですよ!!
あと買ったら特典ペーパーがついてきまして…入れ替わり後にはじめてののおふろに臨むお話でした。なぜ!!これを!!!本編でやらないんだ!!!!ほんとに行間が気になるよ!!「ヤベぇ ヤバかった…女のからだってやばい……」ってナニがあったんだよ!
思春期シンドローム(1) (アフタヌーンKC) (2013/09/20) 赤星 トモ 商品詳細を見る |
ひとくちサイズの青春劇。女子校につとめる男性教師がいちおうの主人公です。
女の子たちのきっと「あるある」な日常を、こまかくこまかく切り取っていくオムニバス作品。
なんとほとんど4ページ以内で1話が終了します。サクサク次のエピソードへ移る。すごいのが、そんな短いのに一作一作ちゃんとオチがあってまとまりがあること。
まるで美味しいところだけを味わっているような、なんとも贅沢な感慨がわくのですw じっさい新人さんでこのアイデアの豊富さは頼もしい。
ノスタルジックで、甘くて酸っぱくて苦々しくて、傷ついたり傷つけられたりバカなことしたりして。
暖かな賑やかさと冷え冷えとした後悔が入り混じって、これだ!これだよ青春ってのは!と大興奮しながら読みました。
青春の中にただよう喜怒哀楽さまざまな感情を、いろんな角度から拾い上げている。
物語の面白さと、ショートショートの異常なテンポの良さが余計に好感度をあげています。トゲがったり、すごく包容力があったりと、作品そのものの懐がとても深い感じ。
絵柄も老若男女したしみやすいフラットなものだと思いますし、いろんな人に読んでもらいたいなと思うのです。
しかしまぁ、ショートショートという構造上、それほど爆発力はない。「これ長めの頁数でじっくりと読みたかったなー!」というエピソードはたくさんあります。
いろんな物語をひとくちサイズに楽しめる贅沢さも嬉しいですが、どことない勿体なさも感じることは確かでした。それにポンポンと美味しいシチュ・美味しいセリフを展開させていくので、ネタ切れは大丈夫かしらといらん心配をしてしまったり。
コンセプト的に難しいかもしれませんが、たまには中編的に15P~20Pくらいでじっくり取り組んだ一話があってもいいのかもしれない。というかそれを俺が読んでみたい!!これだけ短いペーシ数で余韻たっぷりなお話を紡げるのだし、いろんな構成を見てみたくなる。
四季賞ポータブルに収録されていた投稿作バージョンが単行本には載っていなかったのが残念ですが、とても気に入ってる作品であり作者さんです。2巻以降でも胸しめつけられたい。
モアイで試し読みできるんですね。気になったらこちらで。
トド彼 1 (ビッグコミックス) (2013/09/30) 高嶋 あがさ 商品詳細を見る |
裏表紙の作品紹介を読んで惹かれたので購入。試し読みはこっち。
見た目は人相のわるいただのトド。憎たらしいのに憎めない。そんなトド山さんとお付き合いしているのは普通の地味OL、優子さん。
どこにでも動物がいて、歩くし話すし働いている、そんな世界。この現代ではとくに珍しくともなんともない2人の日常は、いや読者から見たらおかしな光景の連発ですよって。
普通の恋人のやりとりがなんとも言えぬ面白さを生みだす、同棲カップル日常4コマ漫画。
癒されます。
やってることは、きっと普通に人間同士のカップルと一緒なんですよ。
でもところどころに「俺、ヒトじゃなくてトドだしさー」と言いたげにトド山さんが予想外なところにオチを持って行ってくれて、それが楽しい。トドなのに人間みたいなこと言ったりやったりする、それだけでも見てて面白いからズルい!
地味系OLの優子さんは一途で思慮深く、本当に地味なんだけどなんだか読んでて愛おしくなってくる存在。地味だけどオシャレするとかわいい。地味だけど。
それで困ったことに、ヘラヘラと気楽に読んでいた所、不覚にもほろり泣いてしまいましたよ…。家族愛のようなものを、きっと感じたのだと思う。それはトド山さんのおとっつぁんに関してもそうだし、トド山さんと優子さんの関係にしてもそう。
出オチのような設定なんだけど、ちゃんと奥深い人間臭さが出ている。予想外にハマらせてもらいました。同棲カップル漫画だけど片方トドなもんで、変なナマナマしさを感じずサラッと楽しめるのもツボです。
とは言えふだんから性生活があることが伺えるネタもありますが………様子を想像するにシュールすぎると思う。
あとはモリタイシ作品をふたつ。
今日のあすかショー 4 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL) (2013/09/30) モリ タイシ 商品詳細を見る |
終わったーーー。全4巻。「いでじゅう!」からモリタイシ作品を追っていますが、新境地に至った作品だったと思います。面白かった。
美少女観察漫画のような、中学生のあすかちゃんと出会った周囲の人たちのお話。
やっぱりあすかちゃんは可愛くてそれだけで癒される。今回もいろんな表情を見せてくれました。
人情話もあればマニアックなエロスの世界に旅立つドキドキなものもあります。
知らず知らずのうちのその純粋さ、可憐さから、まわりを少し幸せにしたり笑顔にしたり、はたまた混乱させたり。かわいい女の子がそこにいるだけで救われることもある…!
1巻のころはたまに目がこわくなっちゃってる時もありましたが、4巻ともなると絵の安定感も完璧ですね。それでもあの特徴的な瞳は変わらず。好奇心旺盛なネコのような、光のつよくするどい目。これがいいのだ。今回の裏表紙とか、ベストショットですね。
物語は終わったけれど、きっといつまでも、こんな女の子がいたらって、ふと思い出してはフワフワな気分になれるんだろうな。フォーエバーあすかちゃん。
そういえば連載期間で言うならモリタイシ最長作品になったんですねぇ。
やっぱり最後はパンツで〆。おつかれさまでした。
くちびるに歌を 1 (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル) (2013/09/30) 中田 永一、モリ タイシ 他 商品詳細を見る |
同時発売された「くちびるに歌を」の単行本1巻。
こちらは中田永一さんの同名小説を原作とした、モリタイシさん初めてのコミカライズですね。中田永一といえば「百瀬、こっちを向いて」は大好きなのですが、この作品は未読。
で、「原作のファンですが、このコミック化はアリです!」とか乙一がオビで書いているのがなんともかんとも。扱いにこまるよw
アンジェラ・アキの「手紙~拝啓 十五の君へ」がストーリーの柱となっています。これは2008年のNHK合唱コンクール中学校の部の課題曲になっていたもので、この作品でも合唱を通じて深まっていく青春模様が描かれています。
1巻の段階では話は大きな動きを見せていませんが、じわりじわりと広がってくる青春らしい空気がとても好きな感じ。迷い、怒り、照れ。男子と女子が相手を意識しすぎてギクシャクしちゃってるあの思春期の感触。
やたら女体を強調するモリタイシエッセンスも隠れずバッチリ存在していますが、原作の淡い水色の世界が生き生きとしてますね。
雑誌では見られなかった、登場キャラクターそれぞれが書いた「15年後の自分への手紙」が単行本で収録されていたのがグッときました。
クセモノっぽい長谷川コトミさんがいまのところ一番気になる。主人公の今後の成長にも期待が持てる。