2ntブログ

正直どうでもいい(移転しました)

マンガ感想を主に書くブログ。移転につき凍結中。

[本]連鎖する全力の放物線! 『FULL SWING』1巻

サカナクション武道館ライブチケ確保ー。しかし2階席・・・CD先行だったのにぃぃ
フルスイング1 FULLSWING

   俊ちゃん・・・ おもいっきり振ったよな

ゲッサンにて連載中のオムニバス作品。
その話のチョイ役が次の話の主人公になる、という形式を繰り返していく構成です。
作画担当は今作で連載デビューのマツセダイチ先生。
そして原作は武論尊先生です。 えっ。
恥ずかしながら、これまで武論尊先生が原作を手掛けた作品を読んだことがあまりなかったので、世紀末救世主なんちゃらなどのイメージが抜けきらない自分としては、本作は非常に新鮮に楽しめました。
少年少女の、一番輝く瞬間を切り取った、気持ちのいい作品集です。
この第一巻には第4話まで収録。
せっかくなのでさらりと全話触れてみたいと思います。
あとなんだか今回の記事タイトルは語感優先で日本語が変ですが、まぁそこはスルー。

第一話 藤江俊一

不良少年俊一が主人公。
しょっぱなからガチ暴力・ドラッグ・レイプと、少年誌掲載でムチャやるなぁという印象w
どうなるもんかと思いましたが、中盤からはまるで雰囲気が変わり
ネタバレに気をつけて言うなら、彼はその世界にはいられなくなります。
精神的にも肉体的にも、彼は傷ついていく・・・。
失われた日常と、自分らしさ。現実に打ちひしがれる俊一。
けれど俊一は、自分がすべきことを見つける。
いつだって傍にいた・・・いようとしてくれた、1人の女の子のために
彼はバットを振るった。

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見事なフルスイング。
別にバットを振るったから、と言うわけじゃない。
彼は全力で何かを成そうとした。だからフルスイング。
やはり、何か決意し、そして大きな行動を起こした瞬間が、その人が一番輝く瞬間だなぁと思います。その瞬間が一番カッコよく、一番人間臭い。だから好き。
切ない、けれど爽快!出だし好調の第一話でした。

第二話 土田一平

俊一の腰巾着、土田に主人公。
方向性は違えど、これも少年犯罪に触れた内容になっています。
そしてやっぱり、主人公が見せる一瞬の輝きは気持ちいい!

ただまぁ、正直しんどく感じる内容ではあるかなぁ。
漫画の中で描かれているからと言ってサラリと流せてしまう自分が悲しいけど、
こういう話題はやっぱりかなりデリケートなものなわけで。
描くからには、もうちょっとフォローがあっても良かったかなと思う。
「家族のため」という理由は悲劇的でもあり感動的でもあるけど
この結末を受けて彼女はどう変わったのかを、見せて欲しかったかも。

第三話 木暮隆

イチオシはこの第3話!
2話まではやや社会の闇的な描写を描いてきましたが、これは実に健全。
主人公も熱血かつ男前で高感度高いですね。ですが、ですが。
やっぱりですね、この話のメインはヒロインの潤ちゃんですよ!

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黒髪ロングっ娘です!!先日お祭りが開催され、盛り上がっていましたね。
ちなみにこのシーン、隆から試合を見に来てくれと言われ「はぁ?」的リアクションをした翌日です。結局来てるじゃん!しかもちょっと照れてるぞ!!おおい!!!!(落ち着け
ツヤベタがあまりないのも、色々自分のなにかをくすぐられる感じで・・・・・・!

さて彼女、幼少のころよりバイオリニストとして名声を得ていましたが
世界に羽ばたくチャンスを掴む大舞台で、緊張のあまり演奏に失敗したトラウマ有り。
自暴自棄になった潤は、しかしまだ何か諦め切れてない様子もある。
「何かひとつでも一生懸命になれるものがあれば・・・」と零してたり。
今の彼女には、踏み込むための決定打が足りない。
トラウマのせいで再びバイオリンを手にする勇気は持てなくとも
それでも何かをしたい・しなくちゃいけないという意識は、ストレスとして彼女に襲いかかってきている。行き場のない感情、情熱。彼女は、救いを求めている。
ならばこそ、主人公は良いトコみせなきゃでしょう!

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バイオリンと、ボクシング。
何もかもが違うけれど、彼は自分が一生懸命な姿を潤に届けようとする。
勝負の世界は、常に「本気」がぶつかり合う場でもある。
再びその苛酷な世界に、潤が飛び込んでいけるように、その勇気を持てるように。
ボロボロになっても、隆は決して諦めない。
この姿が届くまで、この想いが届くまで、そしてもちろん、自分が勝つまで。

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そして・・・?

という感じ。ハイ、いやもう大好きですこのお話!!
ラストの「よっ」の笑顔もたまんない!行儀がちょっと悪いのもまたかわいい!
ヒロインが魅力的なら、それだけ読者も燃えるのは自然なことです。
この漫画、基本的にニヤニヤできていいですねw

第四話 間宮陽子

こちらは主人公の彼氏が不良君。
不良の登場率がやたら高いですねwいや全然かまいませんけれど。
こちらは女性を主人公に置いたことで、これまでとはちょっと違った視点。
わりとドライな感触のこの単行本ですが
なんとなくこのお話は・・・しっとり?というか、ちょっと違う感じですね。
過去回想を効果的に用いて、終盤の展開をおおいに盛り上げててきます。

そしてこのお話の『フルスイング』は、非常に地味なことです。
けれど誰もが、勇気も持てば出来ることでもあるように思います。
素敵なラストでした。心地いい感動です。



まとめのようなものを。
タイトルの『FULL SWING』については、第一話ですでに触れられていますね。
別にバットを振ることに限った話ではなく、
振らなきゃ始まらない、そして振るからには全力で、ということ。
青春ということで、まぁ言ってしまえば、かなり、いやすごく青臭い・・・!
けれどまぁ自分はこういう漫画が大好きだったりします。青臭さ大好物ですよ。
そしてこういう漫画好きな人、結構いらっしゃると思います。
細かなところではアウトローな描写もありますが
この漫画の真髄はやはり、少年漫画らしいところ、でしょう。
そのまま読者の想像通りにはいかないにしろ、期待は裏切りません。
今後『フルスイング』でもどうにもならない壁にブチ当たるかもしれませんが
(むしろそういうエピソードが出れば、この漫画はまた一皮剥けると思う)
それでも主人公たちには、変わらぬ声援を送りたいと思います。
送りたいと思える漫画になってると思います。

苦々しい、青臭い、けれど輝くそれぞれの青春。
少年少女はそれぞれに複雑な思いをかかえながら、がむしゃらに生きていく。
まだまだ連鎖は終わらない。
次の放物線は、どこで描かれるのでしょうか。

『FULL SWING』1巻 ・・・・・・・・・★★★★☆
主人公は若者たち。みんな苦しんで生きてます。でもみんな輝いてます。いい漫画。
ちなみに今月発売の10月号もいいニヤニヤ漫画でした。

[本]“あなた”が足りない物語。怒涛の「皆殺し」、完結。 『ひぐらしのなく頃に解 皆殺し編』6巻

来週から学校始まります・・・。
ひぐらしのなく頃に解 皆殺し編 6 (Gファンタジーコミックス)ひぐらしのなく頃に解 皆殺し編 6 (Gファンタジーコミックス)
(2010/08/21)
竜騎士07

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   我こそはオヤシロさまなり

長らく続いているひぐらしコミカライズシリーズも、いよいよここまで来ましたね。
原作第7章「皆殺し編」、この度完結です。
原作もやりましたが、やはりこのシナリオは何度読んでも胸も目頭も熱くなる。
というわけで、当ブログではお久しぶりのひぐらし漫画の感想を。
そういえば皆殺し・祭囃し1巻以来ですね。随分と空いてしまいました・・・。

一応注意。
ひぐらしシリーズ全体通してもトップレベルなネタバレが含まれています。
もう少ないかもですが、この表紙を見て「右の子だれ?」となる人は当然のごとく回れ右さ。





原作ひぐらしはオムニバス形式(例外あり)の全8章構成の作品です。
中でもこの「皆殺し編」は、完結編「祭囃し編」への足がかりというポジションでもあるように
読者を悩ませたであろう謎の多くが次々明かされていく展開。
漫画版では5巻ですでに時報トミーが殺され、大石さんが殺され・・・
キリキリと体のいろんなところが痛みそうな場面からこの6巻がスタートします。

ついにやってきた「予定時刻」。鷹野率いる山狗が梨花・沙都子の家へと突入。
なんとか家を脱出した2人でしたが、殺人武器を手に彼らを追う男たち。
小さな女の子2人が大人数の男たちに殺されそうになる、この不愉快な緊張感・・・!
しかし、そんな状況を打ち破ってくれるのは、やはり彼らだ。

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部活メンバー!
鍛え上げられた戦闘術を各々駆使し、その場の山狗部隊を一掃!
そして彼らは温かく、頼もしい笑顔を自分に向けてくれた。
山狗と敵対するということは、すなわち命を狙われるということ。
それにも関らず、仲間たちは今そこにいた。
「仲間なんだから当然だ」。彼らの行動原理はそれしかない。
だからこそ、信じた。
これなら、大丈夫。今度こそ大丈夫。彼らと一緒なら、絶対に大丈夫。
運命を打ち破れる。
そう、信じてしまった。

けれどそんな希望は、たった1発の銃弾が打ち砕く。
鷹野が、彼らの前に立ちはだかる。

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ああ、この絶望感。
なんとかなってくれよ、なんて泣き言を、この物語は許しません。
1つずつ、1つずつ消えていく命。
ご丁寧にも銃弾で頭カチ割られたところもじっくりと描写。ヒュー・・・気分悪ぃ。
しかしこういうところも逃げずにしっかりと見せてたのは、有難いかもしれない。
明確な形で思い知らされます。
負けたんだと。


勝負は決まった・・・残るは最後、梨花の死
しかしさらに滾るのはここからですよ!
負けてもなお、梨花は抗うのです。
麻酔無しで自分を殺せと、鷹野に命じてみせるのですよ!
それに吃驚しつつも狂喜乱舞な鷹野さん。ニコニコと解剖を始めました。
これは今回の梨花が出来る、最後の勝負なのです。
絶対に忘れないようにするための、最後の意地。
鷹野が犯人であると突き止めたこの記憶を、次回へと繋ぐため――
この痛みを、この悔しさを、魂に刻みこんでやる。

20100908222015.jpg (クリック拡大)

生き生きしすぎです鷹野さん・・・。
今回、恍惚に染まりまくりの鷹野さんがたくさん登場していますので
鷹野さんファンは・・・・・・そういう面でも楽しめるかも・・・?



んでやっとタイトルに書いたことですが。
「皆殺し編」は、最後に一手足りないだけの、本当に惜しい物語なのです。
もう少しで運命は打ち破れたのです。手が届くところまで彼らは行けたのです。
けれど負けた。
なぜか。
“あなた”が、足りなかったんです。

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あなたは信じてた?
運命に打ち勝てるって信じてた?


この言葉は、いつだって傍観・諦観のままだった羽入に向けられた言葉です。
傷つくことを恐れ、勝負を望まなかった彼女への言葉です。
けれど、なんだかこれ、自分に言われてる気がしてハッとします。
本当に、この「皆殺し編」で全てが解決するなんて思ってなかっただろう?
最初から「今回も誰か死ぬんだろうな」なんて考えただろう?
『次』の完結編にばかり、ハッピーエンドを期待してただろう?
本気でこの皆殺し編の世界を応援したのか?
・・・あー。そうだ、そうだ。
傍観者は、俺たち読者もだったんだ。
圭一は言うのです。
「一緒にずっといたんなら 俺たちはもう仲間だ」
自惚れかもしれない。いや、自惚れに違いない。
けれどこれが「自分」のことだとしたら、どれだけ素敵なことだろう。

勝手な解釈で勝手に盛り上がってれば世話ない感じですが・・・
この物語には“あなた”が必要なのかもしれない。
心からの声援で、本気で幸せを願って、敵に立ち向かう“あなた”が。
いいんですよ、思いこみで。
だってそっちの方が、熱いじゃないですか。



さてこれはあんまり内容と関係ない話ですが、
やっぱりひぐらし漫画を読むBGMは、原作サントラだよね!!ということw
今回で言うと「search and destroy」「嘘」「Birth and death」は外せない・・・!
それはやはり、原作をとても大切にしてくれた漫画だからですかね。
ここまでじっくり描いてくれるコミカライズもそうそう無いと思います。
ホント、スクエニのこの企画は成功だったなぁと。
どのシリーズをとっても、それぞれの作家さんの魅力あふれる、それでいて原作愛もしっかりと感じさせてくれる出来。何度も読み返してしまいます。
しかしそれももうすぐ終わり・・・。
残るは『祭囃し編』。寂しいけれど、最後まで楽しませてもらいますよー。(偉そう

ではまとめ。
記事を書くあたって、どこまで内容に踏み込むのかは毎回頭を使うところではありますが
今回はかなーりネタバレしてしまって反省・・・。
いやしかし、本当に、何度読んでもこのエピソードはきつい。
けれど、同時にたまらなく大切な、大好きなお話でもあります。
強い絶望と、それでも消えない彼らの信念!
昭和58年夏の戦いは、毎回惨劇が繰り返されるばかりだった。
けれど、初めて勝利の光が、かすかに見えたのです。
いざ、最終章へ。
全ては、『祭囃し編』へ。

『ひぐらしのなく頃に解 皆殺し編』6巻 ・・・・・・・・・★★★★
じっくり6巻も使って描かれた、最後の絶望の物語。やっぱり超面白かった。
ひぐらしのコミカライズシリーズは本当ハズレ無し。

[本]2人1役アイドルラジオ、今日も元気に放送中です。 『O/A』2巻

読みやすいブログの書き方を考えてみたいです。
O/A (2) (角川コミックス・エース 216-5)O/A (2) (角川コミックス・エース 216-5)
(2010/09/04)
渡会 けいじ

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   一緒に来て お願い

ヤングエース連載中、渡会けいじさんの「O/A」2巻が発売されました。
1巻発売時にいろんなサイトさんで話題になってましたが
これまでにない感じのコメディ作品で、自分もなかなかにツボでした。
(元)トップアイドル・ゆたかと、彼女と声が瓜二つの売れないピン芸人・はるみ。
生い立ちも性格も職業も違う彼女たちは、貧乏な同居生活をしつつ
2人で放送しているラジオ番組「オーロラ作戦」に情熱を燃やすのです。

1巻でいきなり大きな困難にブチ当たったアイドル・ゆたかちゃんですが
それを乗り越えて、2巻でのラジオ番組はちょっとずつ安定期に入っていきます。
「2人1役」という異例の収録方法ですが、番組は大好評。(主に下ネタで)
しかし今度は、はるみが本業であるお笑いに関してゆたかと反発。
2人で放送するラジオ番組は、はたしてどうなるのか?


さてご存知の通りゆたかちゃんはアイドルなのにあの場所が密林状態
2巻開始直後にはるみがゆたかの剃毛を試みるのは流石と言わざるを得ませんねw
1巻でもけっこーアレな下ネタを繰り広げてくれた本作ですので
まぁ予想通りの流れと言えばそうなんですか、本当あけすけな漫画だなぁとw

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人を指差して「毛なんか生やすな!」と説教・・・酷過るww・・・ん、いや、待て。

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はるみ「私ですらずっとパイパンですよ」

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はるみ「私ですらずっとパイパンですよ」

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えっと…、ずっと…って…えーっと……
み、身だしなみは大切ですもんね!?
…まさかこれまでシモに関してはリアル方針だったのに、天然……!?
やれやれ、これはこれは。


さてラジオ番組はいつも通り好調…だったのですが、トラブル発生。
はるみの本業は芸人。久しぶりにステージに立ったはるみでしたが、ドンずべり
けれどこれが2人に亀裂を生んでしまう。
それはスベったことではなく、失敗したのに悔しがりもせずヘラヘラ笑っていたから。
本当に覚悟があって、その仕事で上を目指すのなら、笑ってる場合なんかじゃない。
本気で悔しがれよと。
しかしはるみは「自分は才能があるゆたかとは違う」と反論。
2人はそのまま仲直りせず、はるみはラジオを放棄してしまう…。
ああ、苦い。痛い。
別におかしくもなんともないし、むしろ笑う場面でもないのに
なぜかヘラヘラして、自分は傷ついてないようなフリして、その場を乗りきろうとする。
そんな経験、結構あったりする。
安っぽい共感かもしれないけど、このシンクロ感が時に気持ち良く、時に痛いのです。

そしてなぜゆたかはこんなにも怒ったのか。
理由はいくつかあるだろうけれど、終盤こっそり明かされた理由には胸熱!
はるみは本当は面白いって、自分は知っているのに
彼女本人も周りも、それが分かっていないんだ。
はるみは「才能」という言葉で逃げて、どこか諦めがあった。
それが気に食わなかったのでしょう。
だから胸を張って、自信を持って、仕事に本気になって欲しいと願ったのです。
怒りの裏には、尊敬があった、と!
これは一緒にラジオを続けてきたからこそ生まれた感情。
ゆたかとはるみの関係は、かなり特殊ではあるだろうけれど
その中でこういう新しい感情・絆が出来てくるのがいいなぁ。
はるみが世間から認められて欲しい、という上からながらも温かな視線!素敵!
パートナーであり、番組中では2人1役、そして舞台は違えど、同じく上を目指すライバル。

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まだまだ続くよ、不思議な関係、不思議なラジオ。


以上、そんな「O/A」の2巻でした。
読みやすく、それでいて可愛らしい作画は相変わらず流石ですね。
アマガミファンとしては「事後に定評のあるわたらい」なので、そっちも期待(え
そしてそれぞれのキャラクターが、みんなとてもいい表情をしてくれる作品でもあります。
今のところはかなり王道な物語の作りになっていますが、3巻はどうなるでしょうか。
これからも見守っていきたいシリーズですね。
漫画チックでありながら妙に生々しい女の子たちが魅力的な作品。
ポロリは無いけど下ネタはあるよ!

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まさかの作者本人によるトラウマ暴露もあるよ!

『O/A』2巻 ・・・・・・・・・★★★☆
2人の関係性の進歩が微笑ましいナイスな展開。3巻も楽しみです!
ちなみ特典目当てでどこで買おうか悩みましたが、結局とらにしました。



小説ブログ更新しました。今度映画が公開される、米澤穂信さんの「インシテミル」。
http://shiori0515.blog57.fc2.com/blog-entry-40.html

[本]素朴で不思議で怖くて愛おしい、花のような 『野ばら』1巻

そろそろ更新頻度上げたいなぁ・・・とは思ってます。
野ばら 1巻 (ビームコミックス)野ばら 1巻 (ビームコミックス)
(2010/08/11)
高田 築

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   しょむたん おはよう

Fellows!連載中、高田築さんの「野ばら」1巻が発売されました。
分かりにくいかも知れませんが「野ばら」とは短編シリーズです
巻数が打たれていますが2巻以降も短編集になると思いますので、そこは注意、かも。
第1巻は8作の短編を収録。今回はうち4作について。

しょむたん

今のところ代表作と言っていいのでは。
短編集中全3作がこのしょむたんシリーズで、そのどれもがとても微笑ましいw
まずしょむたんがいい。
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なんだこれかわいい……。
作中では特別な説明はなされず、ただ非常に珍しい動物、としか知らされないしょむたん。
番組中によそ見をしたり、なんだかよく分からないイラストを紙に書いてみせてきたり
ドアの隙間からむりやり体を押し込んで部屋に侵入してきたりw
人をおちょくってみせるシーンが多いのですが、それも可愛すぎるw
なんだかよく分からないけど頑張ってるしょむたんにほんわかほんわか・・・。
しょむたんってキャラクターのインパクトが強烈なのですが
もちろんそれだけではなく、物語それ自体もとても魅力あるものです。
そんなしょむたんと一緒に教育番組を担当することになった主人公。
本当は報道をやりたい・・・けれど、「踏み台」として任されたこの仕事。
大した人気もない、もうすぐ打ち切りの、しょーもない番組。
うまく言葉にできない、けれど確実に在る不思議な違和感は降り積もり、
やがて彼女はちょっとした行動に・・・。

しょむたんというキャラクターの濃さに流されがちかもしれませんが
結構シビアな社会を描いていて、ところどころ刺があるのも良かった。
夢も希望もない番組制作現場の様子。ちょっと冷めてる主人公の恋愛。
しょむたんが登場している間のコメディチックな雰囲気もいいですが
ちょっとネガティブというか、ダウナーなムードが色濃く描写されます。
だからこそラストの流れにある、人間たちのちょっとしたの「反撃」に思わずニヤリとしてしまうのです。
本当に些細な、ステキな出来事。
道端に綺麗な花を見つけたような、ちょっと嬉しいあの感覚。
そういうのを味わえるのも、漫画の良いところかな。

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なんだかんだでいいコンビ。また続編を描いて欲しいシリーズです。

どうでもいいけど、しょむたんがプレイしてたゲーム・・・「キミプラス」。
明らかにキミキスの菜々ちゃんとゲーム画面でちゅっちゅしてるしょむたんにShit.
そのゲームやらせてください。

こっちを見てる

しょむたんシリーズで散々和ませといて
ここでまさかの急降下、ガチホラー作品
雑誌で読んだ時もあまりの前号までとの違いにビビったものですが
単行本になるとより一層、色んな意味で目立ってる作品になってるなぁと。
高田築さんの描く作品の幅広さを象徴する意味でも、特別な作品。

生首。
どんな時間にも、どんな場所にもふいに現れる生首。
それと目が合うとその人は正気ではなくなり、すぐに自殺をしてしまう。
社会問題にもなったこの事件は、主人公の家庭も滅茶苦茶に・・・。

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もー酷い漫画ですよこれ。この流れで読んだらどんな人でもドン引きです。
なのにすっごい面白い。
人間がポンポン死んでいく。命の重さなんてもうかーるいかるい。
理由もなければ綺麗なオチもない、まさに不条理。
「生首」のデザインも最低です。なんてことない、本当に「生首」。
見開いた目が、ただじっとこちらを見つめてくる・・・。
シンプルかつ本能的な、「見られる」恐怖。揺さぶられるなぁ、心を。
けれどもそんな中で必死に運命に抗おうとする主人公がまた気持ちいいのです。
やはりこの作品は、ありふれてはいるけど「人間」を描いているなぁと。
あっさり人が死んでいって、嫌らしいほどドラマ性が無し。
この軽さと唐突さで恐怖も更に……狙いすましてるなぁ。
加えて死は軽いのに、死の痛みは脳がしびれるほど伝わってくるという・・・(母の絶叫)。
まぁとにかく、そういう漫画です。
そもそも俺はホラーが苦手で・・・しかしこれ面白いんだよな・・・・・・ああヤダヤダ。
オマケのボーナスショットも、なんだか後味悪くて意味深。

秘密のジュンジュン

お待たせしました紳士の皆様。お次はエロスがメインのSFモノ。
被疑者と直接接触して犯人特定を急ぐという潜入捜査。
主人公はやってきた被疑者(男)の部屋に、彼の友人がサプライズで来させたメイドサービスを偽って新入。なんか流れでお掃除だのなんだのすることに。
特定の条件は左手の傷、肩の刺青、背中の傷、そして特徴的な舌
主人公は1つずつそれを確認していきますが、しかしどれもシロ。
最後に残ったのは「舌」の条件、さてどうする・・・?

まぁ女の子が脱いだり脱がせられたりでキャッホイなお話なわけですが
最大のエロスはそこではなくてですね!「彼女の意思」にあるのですよ!
無理矢理に押し倒されてるうちに、彼が「舌」の条件にヒットすることが判明するのです
が、ヒットしてから逮捕までには僅かなラグがあります。
主人公に逮捕権力は無いので、外部組織を呼んで彼らが到着次第その場で逮捕、となるためです。
そう、彼女の捜査はもう終了したのです。あとはもう自由なのです。
自分にのしかかってくる男に暴れて抵抗もよし、逃げるもよし・・・。
しかし彼女は――――

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自分から行ったあああああ!!(ガッツポーズ
見ての通り、キスをしたのは明らかに主人公から。
つまり彼女は、捜査関係なしに、男との時間を愉しもうとした、と・・・!!
純情そうな女の子がこんなことになるなんて・・・・・・人間本能には抗えぬのかッッ
そして最後のページの赤面まで、色々ホットな作品でした(笑顔

くるくるとGPS

直球・青春モノ。
「くるくる」と呼ばれるサイコキネシスを使える少女、ももと
もものいる場所を常に知れるストーカー超能力「GPS」を持つ主人公・阿部。
とても仲がよく、憎まれ口をたたき合う2人でしたが・・・
しかし彼らの超能力は、とある出来事をきっかけに失われてしまいます。

起承転結しっかりした読みやすい作りで、非常に気持ちのいい短編。
男の子ががんばるお話は、それだけで自分は好きなのです。
己を責めるあまり、ももと上手く接せなくなり、ももを避けるようになった阿部。
彼をひたすら待ち続けるも、それももう叶わないかもと諦めかけるもも・・・。
そんな虚しく冷えた関係が、ふっと溶けていく瞬間の爽快感!
最後は後味良くないとねってことで、本書のラストはそんなお話。
見開きの使い方も突飛だけどなんだか上手い!いい表情だなぁw

好きな女の子を守る、というのは、全男子共通の夢なのか。
だいぶ恥ずかしいですけどね。


以上そんな短編集。
今風ではないにしろ、読みやすく魅力的な絵の雰囲気。
そして独特の物語。王道を描いても、どこか捻くれた部分があるのが良いですね。
作品のジャンルも偏りがなく、短編集としても秀逸かと。
いい買い物したと思います。
平常運転のFellows!連載と合わせて、2巻を楽しみに待つとしますか。

『野ばら』1巻 ・・・・・・・・・★★★☆
高田築さんの初単行本。不思議と何度も読みたくなる、魅力的な作品が詰まってます。

[本]おっぱいとバトルの濃厚2重奏。男の子の漫画はこうでなきゃ! 『ムシブギョー』2巻

もう一回地元に戻ってまいりました。

ムシブギョー 2 (少年サンデーコミックス)ムシブギョー 2 (少年サンデーコミックス)
(2010/08/18)
福田 宏

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   武士ならばその期待に必ず応える!!!

1巻でテンション上がりすぎて絶賛したムシブギョーの2巻が出ました。
相変わらず少年漫画を王道を突き進む心地いい作品だなぁと。
迫り来る巨大蟲!立ち向かうはたった数人の人間たち!勇気と根性で敵を討つ!
オビで安西信行先生からの「子供の頃からこういうまんがが好き。今も好き。」というコメントが載っていますがまさにこの通りで、自分もこういう漫画が「好き」なのです。、本当に実直で単純明快な少年漫画。
ほぼ1話完結で読みやすく、男の子はカッコよく、女の子はかわいい。そして面白い。
これだけ揃えばもう十分ですよ。大好きな漫画です!

まずは1巻から引き続き蟲奉行所メンバーの紹介が行われました。
最後になった人形使いの天間君は、少し張り切り過ぎてしまうおかっぱの男の子。
蟲を退治しなくちゃならない役職のハズなのに、大嫌いなムカデに腰を抜かして涙目になっている様子は思わずグッと心動かされてしまいました。
おかっぱ少年震えながらこちらに助けを求めてくるのです・・・そりゃしょうがないですよ!(ぇ
そしてもちろん、女の子キャラもまた素晴らしいのです!!
1巻で散々俺を惑わせてくれた春ちゃん、再登場!

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なんですかこのおっぱい!
なんですかこの腰つき!!

もちろんムシブギョーと言えば!のふんどしぱんつもばっちり健在。
この春ちゃんはレギュラーメンバーではないのですが、
彼女が仁兵衛が絡むと見られる火鉢ちゃんの嫉妬も最高なので
ぜひぜひ定期的に出てきて欲しいキャラクターです。

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無意識にムッとしちゃった火鉢ちゃん。まさか三角ラブコメ化もありえるか!?
嫉妬する女の子がかわいいのやっぱり真理ですね、はい。


バトルの方の話も。
なんと言っても敵です。キモい・デカい・強いと嫌に3拍子揃った、巨大蟲。
生理的嫌悪感を持たざるを得ないデザインな上、これがもう強い奴はムカつくほど強い。
加えて人間の何倍ものサイズでビュンビュングレグネ飛びまわる・・・最低すぎる・・・。
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体当たりされたこのシーンは、そんな嫌なスケール感が良く出ています・・・。
まぁだからこそ主人公たちを応援する気持ちも強まりますし、
蟲を退治するシーンは異様な爽快感を得られるのです!

そして何より、蟲達に立ち向かう主人公、仁兵衛がカッコいい。
根性と誠実さでもって、人の心を動かしていく少年です。
2巻収録第6,7話で描かれたのは、彼のひたむきな想いの強さ。
憧れの人に認められたい。並び立ちたい。
そう願い続けいた彼でしたが、ついにあの無涯から討伐パートナーのに選ばれる。
歓喜し張り切る仁兵衛だったが、しかし無涯が彼をパートナーに選んだのは理由があり
他のメンバーを選べば、留守にする江戸を守る戦力が下がることを危惧したため。
つまり仁兵衛が一番使えない人間だと、
守る力も戦う力も無いと判断したから。
この時点で色々精神的にキツい。無邪気な仁兵衛の様子がさらに痛い。
加えて「死ぬのが一番弱い奴なら、変わりが見つけやすいからな」とまで言われてしまう。
憧れの先輩は、自分のことをただの捨て駒としか見ていない。
悲しすぎるほどの空回り。
そんなことは知らず、選ばれたことで有頂天になり、敵に突撃する仁兵衛。
脅威にさらされる子供たちを救うため、無涯からの忠告も無視。
だって自分は認められたんだから。
1人だって大丈夫なんだ、期待に応えるんだ―――

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無理だった。
強大な敵を前に、自分より強い人の助けを待つことしかできなかった。
あまりにも無様。悔しい、悔しい、悔しい――
けれどこの時仁兵衛は、真正面から自分の弱さと向き合った。
自分には出来ないことをはっきりと認め、出来る範囲での最善をつくしてみせた。
彼の勇気で救われた、幼い2つの命がある。
その姿を見た無涯は、仁兵衛への考えを改めるのでした。

この一連の流れは、まさに少年漫画と言った感じで大好きです。
挫折と、それにより益々強まる「強さ」への憧れ!
遠く果てしない高み・・・!
がむしゃらにそこを目指してこそ、男の子だろう、少年漫画だろう!
守るべき存在がいて、憧れの存在がいて、愛すべき仲間たちがいて・・・
少年は一歩一歩成長していくのです。

まとめとしては、
1巻同様にちょっとエッチかつ王道で熱い少年漫画になってるかと思います。
コメディとシリアスでメリハリがあるのがナイス。
勢いのいい戦闘描写も、ぷるんぷるんの柔らかそうな女体描写もこなす作品です。
超では安定した人気を得ている?ようで、長期連載を期待してみたいシリーズ。
今後どういった展開になるのか楽しみです。
新たなる組織も顔を出してきてようやく物語もエンジン架かってきましたし
気持ちのいい「少年漫画」を、これからも見せつけて欲しいですね。
高感度高い漫画だなぁ、本当にw
バトルも女の子も魅力的な素晴らしい燃え漫画です。3巻にも期待!

『ムジブギョー』2巻 ・・・・・・・・・★★★★
胸を熱くしてくれる、良い男の子漫画です。春ちゃんのぷるぷるがたまらない!
そういえば近々重大発表?があるらしいけど、なんだろう。

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